高次脳機能障害の原因(その2)

2019年01月23日
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高次脳機能障害の原因(その2)


認知症は進行性の病気なので、行政上は進行しない病気である高次脳機能障害とは分けて分類されます。


高次脳機能障害 : 認知症


◆認知症も高次脳機能障害?


交通事故などによる怪我が原因で発症することが多い高次脳機能障害ですが、脳の神経細胞の変異が原因で発症することがあります。


ひそかにわたしたちの身近に忍び寄って来る脳神経が壊れる病気の代表は認知症でしょう。
認知症は、神経細胞がどのような病変を起こすかによって、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症、嗜銀顆粒性(しぎんかりゅうせい)認知症などに分類されます。
パーキンソン病も脳神経の変異が原因の病気で、多くの場合、認知症を伴います。
認知症になると、記憶、感情、遂行機能などの衰退が見られますが、これらの症状は高次脳機能障害にも見られるものです。


すなわち、認知症は医学的には高次脳機能障害の一種と言うことができます。


しかし、通常、わたしたちは認知症のことを高次脳機能障害と呼びません。
これは、医学上と行政上で、認知症に対するとらえ方が違うからです。


認知症はスピードに個人差があるとはいえ、徐々に進行する病気です。


一方、高次脳機能障害は、発症直後がもっとも重症で、その後症状が落ち着いたら、それ以上進行することのない病気です。


日本の行政は、一般的な高次脳機能障害は進行しないので認知症には分類しませんが、65歳以上の人が認知症になると介護保険を利用して本人負担1割から3割で各種サービスを受けられます。
若い時期に発症する若年性認知症の場合は、40歳以上であれば65歳未満でも特定疾患として介護保険を使えます。




◆脳腫瘍(のうしゅよう)


脳腫瘍は、遺伝的な要素が原因の場合と、他の部位にできた腫瘍が脳に転移して発症する場合があります。


良性の脳腫瘍は、徐々に大きくなりながら脳の組織を圧迫するようになります。
進行が比較的緩やかなので、症状が現れるまで腫瘍ができていることに気付かず長い期間を過ごすことがあります。


一方、悪性の脳腫瘍は、腫瘍を形成する異常な細胞が急速に増殖していって脳の組織に入り込んで組織を破壊します。


いずれの場合も、どこに腫瘍ができたかによって症状が異なりますが、特に多いのは、言語障害や記憶障害です。




◆その他の病気


自己免疫や内分泌の病気、感染症などの病気が原因で高次脳機能障害を発症することがあります。
高熱やさまざまな病気が原因で中枢神経に変異が起きたり脳血管に障害が起きる脳症も、原因疾患のひとつです。


つまり、どのような病気であっても、重病の場合は高次脳機能障害になる可能性があるのです。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

高次脳機能障害の原因(その1)

2019年01月22日
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高次脳機能障害の原因とは(その1)


高次脳機能障害は、おもに後天的な病気が原因で発症しますが、先天的な病気が原因の場合もあります。


高次脳機能障害 : 原因


◆高次脳機能障害になるきっかけは?


脳の神経細胞が死んで脳の一部が機能しなくなる高次脳機能障害は、病気や事故が原因で起こります。
発症した直後の症状がもっとも重く、その後は安定期に入ります。


いったん死んだ脳の神経細胞は回復しないため、感情、思考、話す、読み書きなどに後遺症が起きるものの、呼吸などの生死に関わる身体機能は温存されるので、日常生活に戻る希望がある病気です。


高次脳機能障害を引き起こすのはおもに後天的な病気ですが、てんかんなどの先天的な病気が原因の場合もあります。


さらに、発達障害と呼ばれる生まれつきの脳の機能にかたよりと高次脳機能障害の関係についての研究も、最近では始められています。


以下に、高次脳機能障害を起こすおもな後天的な原因疾患について解説します。




◆脳血管障害


脳の血管に病変が生じて血液の循環が途絶えたため、脳の神経細胞の一部が死んでしまったため、認知や言語、後遺障害、記憶などが低下します。


脳血管障害は、脳梗塞(のうこうそく)と脳血管障害に分類されます。


脳梗塞は、わかりやすく言うと脳の血管が詰まる病気で、2つのタイプがあります。


ひとつは心原性塞栓症(しんげんせいそくせんしょう)です。
心臓などの太い動脈でできた血栓(けっせん)=血の塊が血管を通じて脳に移動して血管をふさいだために脳の神経細胞に血液が運ばれなくなります。
もう一つは脳血栓(のうけっせん)で、動脈硬化によって血管の壁が厚くしなやかさがなくなり、血液な流れなくなります。


脳出血は、脳の血管が破れて脳の中で出血が起きる病気です。
特に高次脳機能障害が起きやすいのは、脳内出血とくも膜下出血です。




◆頭部外傷


交通事故やスポーツ中の事故で頭部に強い衝撃を受けたことが原因で高次脳機能障害になることがあります。


頭のどこをぶつけてどのように脳が傷付いたかによって、さまざまな症状が現れます。
たとえば、脳の一部が完全に損傷した場合は、それまでその部位が関わっていた機能を喪失します。


脳が破壊されなくても、脳の細胞と細胞をつなぐ軸索(じくさく)が傷付いただけで高次脳機能障害の症状が現れることもあります。


CTやMRIなどによる画像診断では病巣が確認できないにもかかわらず、記憶障害や社会的行動障害、注意障害、遂行機能障害などを発症して、診断名が決定するまで時間がかかる場合もあるので、専門医による精密な検査と診断が不可欠と言えるでしょう。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

持病がある人が交通事故で高次脳機能障害になったら?

2019年01月21日
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持病がある人が交通事故で高次脳機能障害になったら?


持病がある人が交通事故で高次脳機能障害になったら、事故に遭う前の健康状態を証明できるものを準備しましょう。


高次脳機能障害 : 持病


◆持病と高次脳機能障害の関係


交通事故が原因の高次脳機能障害は、頭部を強打したことが原因で脳の組織の一部が壊れて起こる病気です。
事故の後で、記憶障害や言語障害が起きる、怒りっぽくなった、物忘れが激しくなったなどの症状が現れたら、高次脳機能障害を疑うべきでしょう。


しかし、高次脳機能障害は、症状がある日突然現れて、その日に発症したと確定できる病気ではありません。


家族や身近な人が、以前と様子が違うことに気づき、病気を疑うケースが多いのです。


道具の扱い方がわからない、言葉が出ない、読み書きができないなどの症状がある場合は、事故をきっかけに様子が変わったとわかるでしょう。


しかし、症状によっては、高次脳機能障害とわからないケースも多いのです。
たとえば、最近怒りっぽい、人の話を聞かずに自分の話をえんえんと続ける、感情の起伏が激しいなどの症状が現れた場合、果たしてご家族は高次脳機能障害を疑うでしょうか?怪我をされた方が高齢者の場合は、認知症の症状が出始めたと思うのではないでしょうか?


持病がある方が、受傷をきっかけに症状が出たことを立証して高次脳機能障害であると認定されるのは、思いのほか難易度が高いのです。




◆確実に診断を受けるコツ


ある程度の年齢に達すれば、どこも悪くないという健康な人の方が少ないのではないでしょうか?


血圧が高め、血糖値を気にしている、不整脈がある、冷え性で疲れやすい、片頭痛がする・・
そのような健康状態でも、仕事にでかけ、家事をこなさなければなりません。


そんな時、事故に遭ったら・・?
加害者側から、その症状は以前からあったでしょう?事故が原因ではないですよね、と言われて反論できますか?


そのような窮地に陥らないためには、事故に遭う前とその後の健康状態をそれぞれ証明する必要があります。
たとえば、事故に遭う前に受けた健康診断で再検査の必要なしとあれば、事故の後で健康状態が悪化したことを立証する手がかりとなります。


ところで、以前から高血糖を指摘されていた人が事故で高次脳機能障害になった場合はどうでしょう?
たしかに、糖尿病の方は、血管がもろくなって脳血管障害を発症するリスクが高くなります。


高次脳機能障害になったのは糖尿病が原発で、事故が原因ではないと保険会社が持論を展開したら、弁護士に相談して、主治医の診断書を用意しましょう。
専門家の意見に耳を傾けることが、問題解決への最善の道です。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故と高次脳機能障害:いつ示談を始めるべき?

2019年01月18日
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交通事故と高次脳機能障害:いつ示談を始めるべき?


交通事故で高次脳機能障害になった人が示談を始めるタイミングを助言できるのが弁護士です。


高次脳機能障害 : 示談


◆治療費と賠償金の違い


交通事故の被害者になると、当座の治療費などの実費は、加害者側の保険会社が支払います。


もちろん、無期限に治療費を負担するというわけではなく、怪我が治るまで支払いますという意味です。
怪我が治った後は、加害者と被害者の双方が話し合いをして合意した上で、交通事故の被害によってこうむった損害を補填するために、保険会社から被害者に損害賠償金が支払われます。


この話し合いが、いわゆる示談と呼ばれるものです。
つまり、示談を始めるまでは、あくまでも実費のみの支払いであり、レシートなどで証明できるお金についての話し合いに終始します。
そして、怪我が治った後で、ようやく賠償金という概念的なお金についての話し合いが始まるのです。


しかし、高次脳機能障害は、完治しない病気なので、怪我が治った後で話し合いをしようとしたら、いつまで経っても話し合いを始めることができませんね。


完治しない病気の場合は、後遺障害があるということを証明できれば、示談を始めることができます。
後遺障害は、適正に作成した後遺障害診断書を提出すれば立証できます。


治療費を実費で払ってもらえるから、もっとリハビリテーションに通いたいと考える高次脳機能障害の患者さんもいらっしゃいます。
しかし、残念ながら、高次脳機能障害という病気は、リハビリテーションを続けたから劇的に回復する病気ではないのです。


症状の回復が見られないならば、リハビリテーションにいったん区切りを付けて、生涯にわたって必要となるさまざまな支出を考慮するべきと言えるでしょう。




◆示談を始めるタイミングはどうやって決める?


加害者側は、示談を早く始めましょうとせかすかもしれません。


示談を始めたら、その後の治療費は、賠償金という形でしか補完されません。
示談を始めた後で、重大な後遺症が見つかっても、その治療費は自分で支払うことになる・・そうなると、これ以上良くなるかならないか、自分では判断できかねると思います。


リハビリテーションを続けている限り、症状が軽くなっていくのではないかという希望を抱けるのですから、治療を中断するという判断はつらいことでしょう。


そんな時、客観的に示談のタイミングを助言してくれる人がいたら・・と思うのではないでしょうか?
まさに、弁護士の腕の見せ所です。


後遺障害を立証するための書類の準備、示談の開始時期の助言など、一切を任せることができるのが弁護士です。


そもそも、自分に怪我をさせた加害者と顔を合わせたり口をきくのも嫌というのが、被害者の心情ではないでしょうか?


弁護士は、被害者の全権代理人になって、加害者側との話し合いに関わります。
高次脳機能障害になった被害者が普段の生活を取り戻せるよう支えるのも、弁護士の重要な任務の一つなのです。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

交通事故の示談と高次脳機能障害の治療どちらを優先させるべき?

2019年01月17日
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交通事故の示談と高次脳機能障害の治療どちらを優先させるべき?


交通事故で頭を打ったら、事故の直後に自覚症状がなくても精密検査を受けましょう。あとで症状がでて高次脳機能障害と診断されることもあります。


高次脳機能障害 : 治療


◆自覚症状がなくても診察を


交通事故で頭を打ったら、必ず病院で診察してもらいましょう。
事故の直後は何も自覚症状がなくても、後からさまざまな症状が現れる場合があるからです。
脳の病気は専門分野なので、脳神経外科などの医療科目がある病院で検査を受けましょう。


だいじなことは、怪我をした直後の検査記録を残すということです。
怪我をしてから2カ月経ってから、性格が変わったと言われる、うっかりミスが増えたといった症状を指摘されてからようやく検査を受けたところ、脳の病変が見つかって高次脳機能障害と診断されたとします。


しかし、事故による怪我と脳の病気の因果関係を、怪我をしてから2カ月後に証明するのはとても大変です。
加害者側は、おおいに反論してくるでしょう。
なぜなら、事故が高次脳機能障害の原因といったん認めてしまえば、損害賠償金が膨れ上がるからです。


高次脳機能障害は、リハビリテーションによってある程度症状を緩和することはできますが、完治する病気ではないので生涯にわたって後遺症が残ります。


保険会社は、後遺症に対する損害賠償金を支払わなくてはならないので、高次脳機能障害の発症については当然反論してくるでしょう。
自覚症状などの主観的な意見は保険の審査で通りにくいものです。


だから、頭を打ったら、なにがなんでも客観的な証拠となるもの、すなわち、頭部レントゲンやMRI、CTなどの検査を初期に行って、いざという時に画像を証拠として提出できるようにするべきです。




◆画像があとで役立つ理由


事故の加害者が任意自動車保険に加入していた場合、被害者は保険会社の担当者と話し合いを進めていきます。


この時、完治する怪我もしくは病気なら、当然のことながら治療費は完治するまでの期間について支払われます。


一方、完治しない病気すなわち後遺症が残る場合は、被害者に対して生涯に渡って必要な賠償金を計算しなければなりません。


もし、被害者が本当に高次脳機能障害なら、何が何でも病気について立証しなければなりませんが、相手は保険会社の担当社員、果たして、MRI画像を見て脳の病巣を判断などできるのでしょうか?
いいえ、保険会社のスタッフは、そこまでの専門性は持っていません。


あなたがレントゲン写真を見せて相手を説得しようとしてもそれは無理です。


では、なぜ医学的な証拠が重要かといえば、保険会社に後遺障害傷害診断書を提出する際に添付できるからです。


主治医が、高次脳機能障害による後遺症ありと認定すれば、保険会社は反論することができません。


頭に怪我をしたら精密検査。ぜひ覚えておいてください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 大澤一郎)

弁護士の立場から最低限加入しておいた方が良い保険の特約はありますか

2019年01月15日
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弁護士の立場から最低限加入しておいた方が良い保険の特約はありますか


人身傷害特約や弁護士費用特約は是非ともつけておきましょう。対物超過修理費用特約もつけておくことをお勧めします。


交通事故 : 人身傷害特約、弁護士費用特約、対物超過修理費用特約


◆人身傷害特約とは


人身傷害特約とは、交通事故(人身事故)に遭ったときに被害者が加入している保険会社から保険金を受け取れる特約です。


交通事故に遭ったとき、基本的には加害者に賠償請求をして損害賠償金を支払ってもらいます。しかし相手の保険会社となかなか示談が成立しないこともありますし、相手が保険に加入していないケースもあります。ひき逃げで相手が不明なケースや自損事故など相手がいないケースもあり、相手の保険からは支払いを受けられません。


このようなとき、人身傷害特約に加入していると、保険の限度額までの補償をしてもらえるのでメリットが大きくなります。




◆弁護士費用特約とは


弁護士費用特約は、交通事故の被害に遭って弁護士に依頼するときの弁護士費用を保険会社が負担してくれる特約です。多くのケースでは300万円までの弁護士費用が保険金によって補填されます。
すると被害者の負担額が0になるケースも多々ありますし、限度額である300万円を超える場合にも超えた分だけを支払えば良いので、被害者にかかる負担が非常に小さくなります。


小さな物損事故や相手が無保険で資力がないかもしれないケースなどでも足が出る心配がなく、気軽に弁護士に対応を依頼できるので、非常に安心感が強いです。


また一般の人身事故などでも、弁護士に依頼することによって慰謝料を始めとした賠償金が大きく増額されるので、依頼者にメリットが大きくなります。


弁護士費用特約をつけた場合の年間の保険料増額分は1300円程度なので、惜しまず特約をつけておきましょう。




◆対物超過修理費用特約とは


もう1つ、お勧めの保険特約が「対物超過修理費用特約」です。これは、物損被害を賠償するときに、相手の車の修理費用が車の時価を超える際に超過分を出してもらえる特約です。


対物賠償責任保険からは、基本的に車の時価を限度とする修理費用しか出ません。しかし相手によっては修理費用を全額出してもらわないと示談をしないと言う人がいます。
そのようなとき、対物超過修理費用特約に加入していると、超過分も保険から出してもらえるのでスムーズに示談を成立させることが可能です。


あまり広く知られていませんが、つけておくと役に立つ特約です。




自動車保険の内容は非常に多種多様となっていてわかりにくいと感じる方もおられるでしょう。よくわからないときには保険会社の担当者に聞くか、よかったら弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


人身傷害特約とはどんな特約なのですか

2019年01月11日
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人身傷害特約とはどんな特約なのですか


人身傷害特約とは、人身事故が起こった時に被保険者や同乗者などが利用できる保険です。被害者側のケガや死亡結果に対し、保険会社から補償をしてもらえます。


交通事故 : 人身傷害特約


◆人身傷害特約とは


人身傷害特約とは、交通事故に遭って被保険者や同乗者がケガをしたり死亡したりしたときに、自動車保険から保険金を支払ってもらえる特約です。被害者が加入している保険会社から保険金が支払われる保険と考えると良いでしょう。


交通事故に遭ったときには、加害者に損害賠償請求できることが知られています。加害者の「対人・対物賠償責任保険」が適用されて、加害者の保険会社と示談交渉を進め、賠償金を支払ってもらいます。


人身傷害特約の場合、これとは違って「被害者の保険会社」から保険金を払ってもらうことができます。加害者の保険会社とはまったくの別手続きで支払いを受けられるので、加害者の保険会社と示談交渉が成立する前にまとまったお金を受けとれるケースもあります。


人身傷害特約が適用されるのは「死亡または傷害」のケースです。つまり人身事故の場合にしか適用されません。物損については補償されないので、注意してください。




◆人身傷害特約の適用範囲

人身傷害特約は、以下のようなケースで適用されます。


このように、自動車に乗車中以外の交通事故も対象になりますし、同乗者にも適用されます。ただし適用条件の詳細は各保険会社によって異なるので、契約時に確認しておくことをお勧めします。




◆人身傷害特約で支払ってもらえる保険金


人身傷害特約によって支払われる保険金の計算方法は、加害者に損害賠償請求できる損害金と同じです。


治療関係費や休業損害、慰謝料や逸失利益などすべて請求できます。


ただし人身傷害特約には限度額があるので、限度額を超える分は請求できません。


多くのケースにおいて、限度額は3000万円〜1億円程度となっています。




◆人身傷害特約を利用できないケース


以下のような場合には、人身傷害特約を利用できません。


適用除外についても、保険会社によって取扱いが異なる可能性があるので、確認しましょう。


人身傷害特約に入っておくと、相手が無保険のケースや示談がトラブルになった場合などでも補償を受けられて助かりますので、是非とも加入しておくことをお勧めします。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


紛争処理センターの判断に、保険会社が従うのはどうしてですか

2019年01月09日
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紛争処理センターの判断に、保険会社が従うのはどうしてですか


それは、保険会社が交通事故紛争処理センターと協定を締結しているからです。保険会社だけではなく一部の共済組合もセンターの判断に従います。


交通事故 : 交通事故紛争処理センター


◆交通事故紛争処理センターとは


交通事故紛争処理センターは、交通事故ADRの1種です。ADRとは「裁判外の紛争解決機関」のことですので、交通事故紛争処理センターを利用すると、裁判をしなくても交通事故の損害賠償トラブルを解決できる可能性があります。


交通事故紛争処理センターでは、以下の3つのサービスを利用できます。


1-1.相談

交通事故紛争処理センターの弁護士が交通事故問題についての相談に乗ってくれます。


1-2.和解あっせん

和解あっせんとは、交通事故紛争処理センターの弁護士が間に入って被害者と加害者との話し合いを進めてくれる手続きです。双方が納得すれば、和解によって交通事故トラブルを解決できます。


1-3.審査

審査とは、和解あっせんをしても当事者が合意できず紛争を解決できない場合に、センターに損害賠償の方法を決定してもらう手続きです。話し合いではないので、双方の主張がかみあっていないときであっても最終的な解決ができます。


審査が下りた場合、相手の保険会社や共済は審査決定の内容に従います。そこで被害者さえ納得すれば、トラブルを解決することができます。




◆保険会社が審査内容に拘束される理由


交通事故紛争処理センターで審査が出たとき、どうして保険会社が決定内容に拘束されるのでしょうか?


それは、保険会社が交通事故紛争処理センターと協定を結んでいるからです。保険会社は「損害保険協会」に加入していますが、その損害保険協会が紛争処理センターと協定しているので、損害保険協会に加入している保険会社は自然にセンターと協定関係になっています。




◆審査に拘束される保険会社や共済


交通事故紛争処理センターと協定を締結していて審査結果に拘束されるのは、以下のような損害保険会社や共済です。


保険会社はほとんどが審査結果に拘束されますが、共済は一部にとどまるので、相手が共済組合の場合には審査では解決できない可能性があります。


以上が交通事故紛争処理センターの利用方法と審査の仕組みです。参考にしてみてください。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)


車に乗っていて交通事故に遭いました。相手の車が無灯火だった場合は、過失割合にどんな影響がありますか?

2019年01月08日
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車に乗っていて交通事故に遭いました。相手の車が無灯火だった場合は、過失割合にどんな影響がありますか?


この場合、相手に著しい過失があるとして、相手の過失割合が5〜15%程度加算される可能性が高いです。


交通事故 : 過失割合


◆過失割合とその修正要素


交通事故が発生したときには、事故当事者それぞれの過失割合を決定する必要があります。


これは、交通事故の損害賠償金を計算するためです。
過失割合が認められると、過失相殺によって相手に請求できる賠償金額が減ってしまうので、過失割合がどの程度になるのかは当事者にとって非常に重要です。

そして過失割合を算定するときには、「基本の過失割合」と「修正要素」が重要です。


基本の過失割合とは、事故の状況ごとの基本となる過失割合の基準です。
たとえば追突事故なら前歩車両が0%で後方車両が100%など、事故の状況や当事者の種類(車やバイク、自転車や歩行者など)によって細かく定められています。


修正要素とは、個々の事故の状況に応じて基本の過失割合を変更すべき事情です。

たとえば一方当事者が無免許運転や飲酒運転をしていた場合、一方当事者が著しいスピード違反をしていた場合、被害者が子どもや高齢者だった場合、事故現場が幹線道路だった場合や住宅街・商店街だった場合など、さまざまな事情を元に、基本の過失割合が修正されます。




◆著しい過失とは


過失割合の修正要素の1つとして、「著しい過失」があります。これは、事故態様ごとに通常想定されている程度を越える高い過失です。著しい過失があると、その当事者には基本の過失割合よりも高い過失割合が割り当てられます。


つまり、通常では考えられないような不注意をして交通事故を起こした場合には、その当事者にはより高い過失割合を適用されるということです。


夜間の無灯火は「著しい過失」に位置づけられているので、相手の車が無灯火だった場合にも著しい過失が認められて、過失割合が加算されます。


著しい過失によって加算される過失割合は、ケースによっても異なりますが、だいたい5〜15%程度です。たとえば基本の過失割合が50%(あなた):50%(相手)の事案の場合、相手が無灯火ならば、35%:65%〜45%:55%程度に変更される可能性があります。


交通事故で過失割合を決定するときには、「基本の過失割合」ばかりに注目してしまいがちですが、実際には修正要素を適用して過失割合を調整すべきケースも多々あります。


保険会社の提示する過失割合に納得できず、適切な過失割合を知りたい方は、一度弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

交通事故の評価損害が認められやすい車種とかはあるのですか?

2019年01月07日
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交通事故の評価損害が認められやすい車種とかはあるのですか?


あります。高級外車の場合には国産車より評価損が認められやすくなっています。同じ国産車でも「大衆車」より「高級車」の方が評価損を認められやすいです。また走行距離が短く登録年度の新しい車は評価損が認められやすい傾向にあります。


交通事故 : 評価損害


◆評価損害とは


評価損害とは、事故に遭ったことによって低下する車の価値に相当する損害です。
交通事故で車が破損すると、修理しても完全には元通りにならないことも多々ありますし、「事故車」となったことによる価値の低下も発生します。


そこで、そういった価値の低下分を「評価損」として損害賠償請求できる可能性があります。




◆評価損害が認められやすい車種


ただし、評価損害はどのような場合でも認められるわけではありません。

まず評価損害が認められやすい車種があります。


それは「高級外車」です。


たとえばベンツやポルシェ、BMWなどの外車が被害車両となった場合、国産車より評価損害が認められやすい傾向があります。これらの外車はもともと高額であり、ブランド的な価値もあることが影響しています。


国産車の中では、大衆的なコンパクトカーなどよりも高級車の場合に、評価損が認められやすいです。




◆その他の評価損害が認められやすい要件


車種以外にも、評価損害が認められやすい要件があります。


それは「登録年数」です。評価損害を認めてもらうには、登録年数が比較的新しいことが必要です。


高級外車の場合には登録後5年以上経過していても評価損を認めてもらえることがありますが、国産車の場合には少なくとも登録後3年以内でないと認めてもらいにくくなります。また走行距離もできるだけ短い方が望ましいです。




◆評価損害を請求する方法


車両の評価損害を請求するときには、「訴訟」が必須になると考えましょう。保険会社は示談交渉によって評価損害を認めることがほぼないからです。高級外車のケースでも同じです。


示談の際に保険会社に評価損害を支払ってほしいと言っても、「評価損は支払えない」と言われて終わってしまいます。


物損事故に遭ってお気に入りの車が破損すると、納得できない思いを抱えるものです。一度弁護士までご相談下さい。


▼参考記事

(よつば総合法律事務所 弁護士 松本達也)

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プロフィール
よつば総合法律事務所
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