交通事故に遭いました。症状固定までしか治療費は出ないと聞きました。例外的に出る場合はないのですか?

2018年11月13日
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交通事故に遭いました。症状固定までしか治療費は出ないと聞きました。例外的に出る場合はないのですか?

症状固定後も治療費を払ってもらえるケースはあります。たとえば症状固定後も現状を維持するためにリハビリを受ける必要がある場合や将来の再手術を予定している場合などです。




 交通事故 : 症状固定 




◆治療費が出るのは,原則として症状固定まで




交通事故に遭って受傷すると,病院に入通院して治療を受ける必要があります。そうすると当然治療費が発生しますが,この治療費は全額加害者に請求できます。

交通事故がなければ治療を受ける必要はなかったので,治療費は交通事故によって発生した損害と言えるからです。



ただし,治療費を請求できるのは「症状固定時」までです。
症状固定とは,それ以上治療を受けても改善の見込みがなくなった時点です。

症状固定時以降は治療を施しても意味がないので,治療を打ち切ります。被害者が自分の意思で病院に通うことは可能ですが,症状固定後の治療費は交通事故との因果関係を否定されるので,原則的に賠償の対象にはなりません。









◆症状固定後に治療費を請求できるケース



ただし,例外的に症状固定後も治療費を請求できるケースがあります。
それは,以下のような場合です。


【現状を維持するために治療を受け続ける必要がある場合】

これ以上状態が改善する見込みがないとして症状固定しても,「何もしなければ状態が悪化する」人はいます。

リハビリ等を継続しないと身体が固まってしまう場合や,てんかん発作防止のために継続的な服薬が必要な場合,植物状態で継続的な医師や看護師による回診・訪問が必要なケースなどです。

このような場合には,症状固定をしても治療を受け続ける必要性が高いので,症状固定後の治療費が認められます。

一生リハビリや服薬が必要な場合などには,平均余命に対応した生涯にわたる治療費を請求することが可能です。





【将来の手術が必要な場合】

もう1つは,症状固定後に手術が必要なケースです。

けがの内容によっては,いったん改善の見込みがないとして症状固定しても,器具の入れかえなどのために将来手術が必要なケースがあります。

たとえば将来人工関節の埋め込みが必要となる場合,将来の顔面形成手術が必要となる場合などにおいて,将来の手術費用が認められた事例があります。









◆付添看護費用などの諸費用も請求可能




将来の治療費を請求できる場合には,その際に発生する付添看護費用や入院雑費,通院交通費などの治療関係費用も合わせて請求できます。


交通事故で重症となった場合,症状固定後にも治療を要することがあります。保険会社との示談交渉に不安があるならば,弁護士までご相談ください。





▼参考記事
・交通事故によりけがをしました。そのために勤務先を退職したり解雇されたりしたとき,休業損害や逸失利益はどうなりますか?
・交通事故ブログ〜治療費〜
・交通事故と治療Q&A

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(よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)

高次脳機能障害では,交通事故後に意識障害があると聞きました。JCS,GCSとは何ですか?

2018年11月12日
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高次脳機能障害では,交通事故後に意識障害があると聞きました。JCS,GCSとは何ですか?

JCSもGCSも,意識障害を測るための評価方法です。JCSはジャパン・コーマ・スケールという日本の評価方法,GCSは,グラスゴー・コーマ・スケールという,世界に通用する意識障害評価方法です。




 交通事故 : 高次脳機能障害 




◆高次脳機能障害と意識障害




高次脳機能障害で後遺障害認定を受けるためには,「交通事故直後に意識障害が発生したこと」が必要です。

具体的には,事故直後から混濁や半混濁の状態が6時間以上続いたことか,健忘状態が1週間以上続いたことが必要とされます。

意識障害が認められない場合,そもそも高次脳機能障害と認められないので,後遺障害認定を受けることが難しくなってしまいます。

この意識障害を測るスケールとなるのが,JCSやGCSです。









◆JCSとは




JCSは,ジャパン・コーマ・スケール(Japan Coma Scale)の略です。
JCSは,比較的簡単に意識レベルを評価できて,脳や延髄損傷の程度を判定しやすい評価方法です。
具体的な基準は,以下の通りです。


T 覚醒状態 

(1桁の点数によって評価します)

1(T-1)見当識は保たれているが意識清明ではない
2(T-2)見当識障害がある
3(T-3)自分の名前・生年月日を言えない




U 刺激に応じて一時的に覚醒する状態 

(2桁の点数によって評価します)

10(U-1)普通の呼びかけで開眼
20(U-2)大声で呼びかける,強く揺するなどで開眼
30(U-3)痛刺激を加えつつ,呼びかけを続けると辛うじて開眼




V 刺激しても覚醒しない状態

(3桁の点数によって評価します)

100(V-1)痛みに対し払いのけるなどの動作をする
200(V-2)痛刺激で手足を動かす,顔をしかめたりする
300(V-3)痛刺激に対して全く反応しない


数字が大きくなるほど意識障害の程度が重くなります。









◆GCSとは



GCSは,グラスゴー・コーマ・スケール(Glasgow Coma Scale)の略で,世界に通用する意識障害評価方法です。「開眼」「最良言語反応」「最良運動反応」の3つの指標の合計点によって評価します。
正常は15点満点で点数が下がるほど重症となり,3点は深昏睡です。



E 開眼機能 (Eye opening)

4 自発的に,または普通の呼びかけで開眼
3 強く呼びかけると開眼
2 痛刺激で開眼
1 痛刺激でも開眼しない



V 言語機能 (Verbal response)

5 見当識が保たれている
4 会話は成立するが見当識派が混乱
3 発語は見られるが会話は成立しない
2 意味のない発声
1 発語みられず




運動機能 (Motor response)M

6 命令に従って四肢を動かす
5 痛刺激に対して手で払いのける
4 指への痛刺激に対して四肢を引っ込める
3 痛刺激に対して緩徐な屈曲運動
2 痛刺激に対して緩徐な伸展運動
1 運動みられず




交通事故で高次脳機能障害となり,後遺障害認定を受けるには上記の意識障害評価方法を始めとして,各種の専門知識が必要です。

対応に迷われたときには,お気軽に弁護士までご相談下さい。







▼参考記事
・交通事故ブログ〜高次脳機能障害〜
・頭(脳)に怪我を負われた方の解決事例
・神経系統の機能又は精神の障害

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交通事故に遭い,後遺障害診断書をつくってもらったのですが内容が不十分だと思います。医者に言って修正はしてもらえますか?

2018年11月09日
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交通事故に遭い,後遺障害診断書をつくってもらったのですが内容が不十分だと思います。医者に言って修正はしてもらえますか?

失礼にならない範囲で相談してみることは可能ですが,患者の意向通りに作り直してもらえるわけではありません。




 交通事故 : 後遺障害診断書 




◆後遺障害診断書は,医師の判断で作成する書類




後遺障害診断書は,後遺障害の内容や程度の証明のため,医師が作成する書類です。

診断書は,医師による医学的な見地からの診断結果にもとづいて作成されます。

患者が診断書の内容に対して注文をつけたりクレームを言ったりできるものではないので,基本的に「気に入らないので,書き直してほしい」ということはできません。

また,医師は医学の専門家として専門的な見地から診断書を作成しているので,患者が文句を言うと,医師に対して失礼になってしまいます。

むやみに診断書の内容についてクレームを言うと,医師との関係が悪化してしまう可能性もあるので,安易に訂正を求めるべきではありません。









◆後遺障害診断書の修正を依頼できる場合と依頼する方法




しかし,後遺障害診断書は,後遺障害認定のために非常に重要な資料です。内容に間違いがあると,認定されるべき後遺障害も認められなくなったり,等級を下げられたりする可能性もあります。

また,医師によっては交通事故の後遺障害認定制度についての知識が少なく,不十分な後遺障害診断書を作成されてしまうケースも実際に存在します。

明らかな間違いがある場合や,疑問点がある場合などには,医師に対して失礼にならないように「ここはどういう意味ですか?」「もしかして,〇〇ではないでしょうか?」と質問や相談を持ちかけてみましょう。
その場合でも無理矢理訂正を求めるべきではなく,医師の機嫌を損ねそうであれば,いったん保留しておいた方が良いでしょう。

弁護士に依頼すると,弁護士から医師に後遺障害診断書の意味や書き方を説明できるので,このような場合でも適切な後遺障害診断書を入手しやすいです。









◆後遺障害診断書は,交通事故に詳しい医師に依頼すべき



医師の中にも,交通事故の後遺障害に詳しい人とそうでない人がいます。

適切に後遺障害認定を受けるためには,治療開始時から後遺障害に詳しい医師に担当してもらうことが望ましいですし,後遺障害診断書の作成を依頼するときには,できればこれまでに作成経験のある医師にかかるとスムーズに進みます。

担当医師が交通事故患者に非協力的な場合には,転院した方が有利になるケースもあります。



交通事故で適切に後遺障害認定を受けるためには,後遺障害診断書の記載内容が非常に重要です。

病院選びなどを含めて事故対応に迷いがある場合には,お気軽に弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故ブログ〜後遺障害〜
・交通事故による後遺障害の解説
・後遺障害等級について

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タクシーに乗っているときに自動車事故に遭いました。タクシーにも過失がある場合私の治療費を相手の保険会社は出してくれないのでしょうか?

2018年11月08日
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タクシーに乗っているときに自動車事故に遭いました。タクシーにも過失がある場合私の治療費を相手の保険会社は出してくれないのでしょうか?

いいえ,相手の保険会社にも賠償金を請求できます。タクシー乗車中に事故に遭ったときには,事故の相手方にもタクシー運転手にもタクシー会社にも,全額の損害賠償請求が可能です。ただし,乗客が危険を引き起こした場合などには,賠償金が減額される可能性があります。




 交通事故 : タクシー乗車中の事故 




◆共同不法行為について




【タクシー運転手と事故の相手方は共同不法行為者となる】

タクシーに乗車中に交通事故に遭った場合,事故の相手車両だけではなく,タクシー運転手にも過失があるケースが多いです。

その場合には,事故の相手のみならず,タクシーの運転手にも不法行為が成立します。

交通事故は,事故の相手とタクシーの運転手の2人が起こしたものだからです。また,タクシー会社にも使用者責任が発生します。

このように,2人以上の人が共同して不法行為を行い,他人に損害を発生させるケースのことを「共同不法行為」と言います。









◆どちらにも全額の請求が可能




共同不法行為が行われたとき,共同不法行為者の責任は「連帯責任」となります。

連帯責任とは,債務者が全員,債務全額についての責任を負うものです。
この場合,各債務者は債権者に対し,自分の負担割合を主張することはできません。

そこでタクシー乗車中に交通事故に遭い,タクシー運転手,タクシー会社,事故の相手方に共同不法行為が成立する場合には,被害者は3者に対し,全額の賠償金を請求できます。

事故の相手が自動車保険に加入している場合,事故の相手に対して賠償金を請求することが可能です。

相手の保険会社は,「先にタクシー運転手に請求をするように」などと主張することはできません。









◆どちらかから全額の支払いを受けると,他方には請求できない




ただし,連帯責任の場合であっても,債務全額の支払いを受けると債務は消滅します。

そこで,タクシー運転手やタクシー会社から損害賠償金の支払いを受けたら,それ以上に事故の相手方の保険会社に請求することはできません。









◆「同乗者」として減額されるケース




タクシーに乗車中に事故に遭ったとき,被害者が事故発生に寄与していた場合には,被害者自身に過失があるので賠償金を減額される可能性があります。

たとえばタクシー乗車中に乗客が運転手に対して暴行を振るったり大声を出してわめいたりして,危険を引き起こした場合などです。

そうではなく普通に乗車していただけであれば,減額はされません。



タクシー乗車中に事故に遭ったときには,一般の車両の事故とは異なるさまざまな問題が発生します。お困りの際には,弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故と慰謝料のすべて
・交通事故の過失相殺とは
・よつばの交通事故への「想い」と「こだわり」

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交通事故の休業損害はなぜ,症状固定までしか支払われないのですか?

2018年11月07日
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交通事故の休業損害はなぜ,症状固定までしか支払われないのですか?

休業損害は,入通院治療や自宅療養のために仕事ができなくなったことによる減収です。
症状固定するまでは治療の必要がありますが,症状固定すると治療の必要がなくなるので,休業損害は発生しなくなります。ただし後遺障害が残った場合には,労働能力が低下するので将来の減収分を「逸失利益」として請求できます。





 交通事故 : 休業損害 




◆休業損害の基本的な考え方




休業損害とは,交通事故で受傷して治療が必要になったために働けなくなり,得られなくなった収入に相当する損害です。

有職者の方が交通事故に遭うと,入通院治療や自宅療養が必要になって,その間仕事ができなくなります。すると,本来なら働いて得られたはずの収入を得られなくなります。

このような減収は交通事故によって発生したと言えるので,加害者に請求することができます。これが休業損害です。









◆症状固定すると休業損害は発生しない




症状固定とは,それ以上治療を続けても症状が改善しなくなった状態です。

症状固定すると,治療を継続しても意味がないので,一般的に治療を終了します。
すると,被害者は治療のために仕事を休む必要がなくなるので,休業損害は発生しなくなります。


症状固定した後に仕事を休んだとしても,その分の休業損害を相手に求めることはできません。









◆後遺障害が残ったら逸失利益が認められる




そうはいっても,症状固定したときに後遺障害が残っていたら,以前と同じようには働けなくなるケースが多いです。

身体が不自由になるので,これまでできたことでも上手くこなせなくなってしまうことがありますし,場合によっては仕事を辞めざるを得ないケースもあるでしょう。
そのようなときには,後遺障害による減収分を「逸失利益」として加害者に請求できます。

逸失利益とは,交通事故で後遺障害が残ったことにより,労働能力が低下して得られなくなってしまった収入(減収分)のことです。

交通事故がなかったら減収は発生しなかったと言えるので,後遺障害が残ったときには認定された等級に応じて加害者に逸失利益を請求できます。


つまり,交通事故による減収に関する損害賠償金は,症状固定時までは休業損害として,症状固定後は逸失利益として,加害者に請求することとなります。




以上のように,交通事故では,「症状固定時」を境目として,発生する賠償金の種類(費目)が大きく変わります。
適正な金額の賠償金を受け取るためには,賠償金の計算方法についての法律知識が必要です。
お困りの際には,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故によりけがをしました。そのために勤務先を退職したり解雇されたりしたとき,休業損害や逸失利益はどうなりますか?
・交通事故における損害賠償の項目について
・交通事故の逸失利益

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交通事故に遭いました。人身事故扱いにしないでくれと頼まれました。どんなデメリットがあるのですか?

2018年11月06日
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交通事故に遭いました。人身事故扱いにしないでくれと頼まれました。どんなデメリットがあるのですか?

人身事故扱いにしないと,慰謝料や休業損害,後遺障害関係などの人身損害についての補償を受けられません。治療費なども自己負担になってしまいますし,人身傷害補償保険などの自分の保険会社からの支払いも受けられなくなります。




 交通事故 : 人身事故 




◆人身事故にしないデメリット



交通事故で軽傷の場合などには,事故現場で加害者から「人身事故扱いにしないで物損にしておきましょう」と頼まれることがあります。

物損にすると運転免許の点数も引かれませんし,刑事裁判にもならず,加害者にとってメリットが大きいからです。

しかし被害者側からすると,人身事故にしないのはデメリットしかありません。

具体的には,以下の2つの問題があります。

・相手の保険会社から人身損害が補償されない
・自分の保険会社からも保険金が支払われない


以下でそれぞれがどのようなことか,みていきましょう。









◆相手の保険会社から人身損害が補償されない




まず,人身事故扱いにしないと,「人身損害」の支払を受けられません。

たとえば,以下のような費用や損害はすべて人身損害です。

・治療費
・付添看護費
・入院雑費
・通院交通費
・休業損害
・介護費用
・器具や装具の費用
・入通院慰謝料
・後遺障害慰謝料
・後遺障害逸失利益



事故現場では怪我をしていないと思っても,実は受傷していて病院に行かないといけないケースもありますが,その場合,物損事故扱いにしていると治療費は自腹になります。

むちうちなどで不快な首や肩の痛みが消えずに後遺症が残ってしまっても,物損扱いなら慰謝料や逸失利益が支払われません。

仕事を休んでも休業損害を支払ってもらえないので,大きな不利益があります。

物損事故で相手から支払われるのは,車の修理費用や代車費用,買い換え費用,その他の壊れた物の時価による補償程度です。









◆自分の保険会社から保険金が支払われない




人身事故の場合,人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険など,自分の保険会社からも支払いを受けられます。

物損扱いにしていると,そうした保険金も支払われなくなるので,被害者の受取金は大きく下がります。









◆人身事故に切り替える方法




本当は人身事故なのに物損事故として届け出てしまった場合,物損事故から人身事故へ切り替えることができます。

切り替えをするためには,交通事故後早急に病院に行って受診し,医師に診断書を作成してもらって警察へ届け出る必要があります。

交通事故後,遅くとも10日以内くらいには警察に届出をしないと,切り替えてもらえなくなるので注意が必要です。

警察での切り替えが間に合わなかった場合,保険会社に「人身事故証明書入手不能理由書」という書類を提出することで,人身事故扱いにしてもらうことも可能です。



交通事故について疑問があれば弁護士がお応えいたしますので,お気軽にご相談下さい。





▼参考記事
・事故後の補償について(治療費・休業損害・慰謝料等)
・慰謝料増額
・早期相談のススメ

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そもそも交通事故の後遺障害はすべての事故のうち,どのくらい認定されるものですか?

2018年11月01日
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そもそも交通事故の後遺障害はすべての事故のうち,どのくらい認定されるものですか?

後遺障害が認定されるのは,交通事故の全体件数の4.6%程度です。2016年に保険金が支払われた交通事故の件数は120万9075件でしたが,そのうち後遺障害認定されたのは5万5911件でした。後遺障害が認定される割合は,年々減少しています。




 交通事故 : 後遺障害認定件数 




◆全交通事故における後遺障害認定件数の割合




交通事故で後遺症が残ったら,「後遺障害等級認定」を受ける必要があります。

正式に後遺障害として認定されることにより,初めて後遺障害慰謝料や逸失利益の支払いを受けられるからです。



交通事故の全体件数のうち,後遺障害認定されているのはどのくらいの割合なのでしょうか?

後遺障害等級認定を行っているのは加害者の自賠責保険が依頼する「損害保険料率算出機構」という機関です。

損害保険料率算出機構は毎年「自動車保険の概況」という統計資料を出しており,その中で後遺障害認定した件数や交通事故全体の保険金支払件数を発表しています。

平成29年(2017年)の自動車保険の概況によると,2016年に自賠責保険や共済が保険金を支払った交通事故の件数は,120万9075件でした。そのうち,後遺障害認定された件数は5万5911件です。

これを割合に直すと,全体の交通事故のうち,後遺障害認定を受けられた件数は全体の4.62%となります。









◆後遺障害認定件数の推移




近年における後遺障害認定される件数の推移をみてみましょう。

・2016年 5万5911件
・2015年 5万9077件
・2014年 5万9593件
・2013年 6万1961件
・2012年 6万2820件

このように,後遺障害の認定件数は,近年減少傾向にあります。




一方,交通事故全体の件数の推移は以下の通りです。

・2016年 120万9075件
・2015年 123万0710件
・2014年 122万9390件
・2013年 126万1061件
・2012年 122万8871件

交通事故の全体件数は,2016年には多少減少していますが,減少傾向が続いているというわけではありません。

このように,交通事故全体件数は減少していないのに後遺障害認定件数が減少しているので,交通事故が起こったときに後遺障害認定される「割合」は減少しています。

2016年に後遺障害認定された件数の割合は4.62%でしたが,2012年には後遺障害認定件数の割合は5.11%でした。

単純に「割合」だけを根拠にして,近年後遺障害認定されにくくなっていると断定はできませんが,少なくとも数字上は後遺障害認定が難しくなっている傾向を読み取れます。

自賠責保険における後遺障害の審査内容がシビアになってきている可能性もあります。




このような中で後遺障害認定を受けるには,専門家である弁護士によるサポートを受ける必要性が高いです。交通事故に遭われて後遺症が残ったなら,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・自動車保険の概況
・交通事故に遭った直後は,痛いところがありませんでしたが,翌日以降に首が痛くなってきました。このような場合にも,後遺障害が認定される可能性はあるのでしょうか?
・交通事故の後遺障害認定手続きの事前認定と被害者請求の違いは何ですか?

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交通事故の被害者請求では,等級が認定されたら先に自賠責からお金をもらえると聞きました,それはなぜですか?

2018年10月30日
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交通事故の被害者請求では,等級が認定されたら先に自賠責からお金をもらえると聞きました,それはなぜですか?

被害者請求の場合,被害者が直接自賠責保険に保険金を請求するので,自賠責保険で決定が下りたらすぐに保険金が支払われます。
自賠責保険との直接のやり取りなので,任意保険会社との示談交渉が成立するかどうかは無関係だから,先にお金を受け取れるのです。





 交通事故 : 被害者請求 




◆被害者請求と事前認定において,保険金を受け取れるタイミング




交通事故で後遺障害の等級認定請求を行うときには
被害者請求と事前認定の2種類の方法があります。

被害者請求は,被害者が加害者の自賠責保険へと保険金を直接請求する方法で,事前認定は,任意保険会社に後遺障害認定を依頼する方法です。

被害者請求の場合には,等級認定の結果が出たらすぐに後遺障害についての自賠責保険金を受け取れます。

これに対し事前認定の場合,示談が成立するまで後遺障害についての保険金を受け取ることはできません。









◆被害者請求で保険金を先に受け取れる理由




被害者請求の場合,なぜ先に保険金を受け取ることができるのでしょうか?

それは,被害者請求は被害者と自賠責保険の直接のやり取りだからです。

被害者請求の場合,任意保険会社を介さずに被害者が直接自賠責保険へと請求を行い,自賠責保険が保険金の決定をしたら,その金額を被害者に支払うだけの単純な構図です。

ここに加害者の任意保険会社は関与しないので,任意保険会社との示談成立を待つ必要はありません。


これに対し事前認定の場合,任意保険会社が後遺障害等級認定の手続きを代行します。

決まった後遺障害についての保険金は,示談成立時に任意保険会社が被害者に立て替え払いして,後に自賠責保険へと請求します。

そこで,事前認定の場合には,後遺障害認定が下りてもすぐには保険金を受け取ることができず,示談成立を待つ必要があります。









◆被害者請求のメリット




被害者請求をすると,後遺障害分の自賠責保険金を先に受け取ることができます。

後遺障害が残った被害者は失業することもありますし,さまざまな物品購入や自宅,車の改造,生活のためなどにお金が必要になるケースが多いので,このように先にお金を受け取れるメリットは大きいです。

また被害者請求の場合,後遺障害が認められるかどうか判断が微妙な案件においても,提出する書類を選別できるなど被害者側の裁量の範囲が大きいため,適切な等級認定手続きにつながりやすいというメリットがあります。


後遺障害等級認定で被害者請求をするときには,最低限の医学的知識や専門のノウハウが必要です。

被害者お一人で対応するより弁護士に任せた方が,認定を受けられる確実性が高まりますので,交通事故で後遺障害が残った場合,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故に遭い治療を続け,後遺障害診断書を任意保険会社に送りました。
しばらくして,任意保険会社から審査結果が送られてきました。後遺障害に当たらないなどと書いてあります。どういうことでしょうか?

・交通事故で相手方が任意保険無保険の場合の対応を教えてください。
・後遺障害等級について

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交通事故の後遺障害の等級に納得がいかない場合は,どういう手続きをすればいいですか?

2018年10月29日
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交通事故の後遺障害の等級に納得がいかない場合は,どういう手続きをすればいいですか?

交通事故の後遺障害の認定決結果に納得できない場合,自賠責に対して異議申立てをする方法,自賠責保険・共済紛争処理機構を利用する方法,裁判で争う方法があります。




 交通事故 : 後遺障害等級 




◆自賠責への異議申立て




交通事故で後遺障害が残った場合には,加害者の自賠責保険や共済に対して後遺障害認定の請求を行う必要があります。

しかし思ったようには認定を受けられず,非該当になったり等級が低くなってしまったりすることも多いです。

その場合,まずは自賠責保険や共済に対する異議申立てができます。

異議申立ての際,適切な資料を揃え直して後遺障害の存在や因果関係を立証できれば,後遺障害の等級を変更してもらえる可能性があります。

ただし,異議申立ての申立先は,1回目に申請をしたのと同じ自賠責保険・共済です。同じ資料しかなければ認定が変わることはありませんし,異なる資料を揃えても判断を変更してもらうことは簡単ではありません。









◆自賠責保険・共済紛争処理機構




自賠責への異議申立てによっても等級が変わらなかった場合「自賠責保険・共済紛争処理機構」に調停の申立をする方法があります。

この機関は,国土交通大臣と金融庁長官の指定を受けて,自賠責保険の決定内容や保険金支払いについての紛争を解決するために設立された,ADR(裁判外紛争処理機関)です。

後遺障害等級認定は自賠責保険・共済による決定なので,自賠責保険・共済紛争処理機構を利用して解決をはかることが可能です。
調停の申立てをすると,自賠責保険・共済紛争処理機構において後遺障害への該当性や等級の判断が行われます。

自賠責保険や共済は機構の決定内容に従うので,機構によって後遺障害認定の判断内容が覆されたら変更された等級が適用されて,新たに認定された等級にもとづく保険金が支払われます。









◆裁判




自賠責保険・共済紛争処理機構を使っても判断が変更されなかった場合には,裁判によって後遺障害認定結果を争うことが可能です。

裁判所は,被害者と保険会社による主張と提出された証拠によって,他の機関から独立して判断を行います。

自賠責や自賠責保険・共済紛争処理機構で後遺障害が認められなかった場合にも,裁判できちんと証明ができれば後遺障害として認定されますし,等級が変更される可能性もあります。


自賠責で後遺障害認定の結果が出たとき,異議申立てや自賠責保険・共済紛争処理機構への申立てをせずに,いきなり裁判で後遺障害等級について争うこともできます。

ただし,裁判で後遺障害を認めてもらうためには,後遺障害の症状の存在や交通事故との因果関係を綿密に立証する必要があります。




被害者お一人の力で裁判に勝つことは困難ですから,後遺障害認定に不服がある場合には,お早めに弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・交通事故により,手と腕を怪我しました。怪我がきれいに治らず,傷痕が残ってしましました。このような場合,何か後遺障害が認定される可能性はありますか?
・交通事故ブログ〜後遺障害その他〜
・交通事故による後遺障害の解説

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交通事故の物損事故の場合,査定協会の査定をしてもらえると聞きました。査定協会の査定があれば,その金額を保険会社に支払ってもらえるのですか?

2018年10月26日
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交通事故の物損事故の場合,査定協会の査定をしてもらえると聞きました。査定協会の査定があれば,その金額を保険会社に支払ってもらえるのですか?

査定協会は,国の許可を受けて作られた機関で,公正中立の立場から車の査定を行っています。物損事故の評価損の算定のために査定協会を利用することは可能ですが,保険会社は査定協会の査定内容に拘束されません。
減価証明書は裁判でも有効な資料となりますが,必ずしも査定協会の査定通りにはなりません。





 交通事故 : 査定協会 




◆日本自動車査定協会とは




物損事故では「自動車の評価損」が発生することが多いです。

評価損とは,事故車になったことにより,車の市場価値が下がってしまったことによる損害です。

ただ,事故によって評価損が発生しているとしても,どのくらい価値が減少しているのかが問題となります。

そこで登場するのが,日本自動車査定協会です。
これは,経済産業省と国土交通省の指導の下に作られ,公正中立な立場からさまざまな目的で車の価値を査定している機関です。


交通事故で評価の下がってしまった車の査定を依頼すると,「減価証明書」という書類を発行してもらえます。減価証明書は保険会社との示談交渉だけではなく,裁判するときにも証拠として利用できます。

査定協会で自動車の査定を受けるには,軽自動車の場合には5400円,普通乗用自動車の場合には7020円または9720円の費用がかかります。自動車の排気量や重量によって料金が異なります。









◆減価証明書は保険会社を拘束しない



減価証明書は評価損発生や価額についての有力な資料にはなりますが,保険会社を拘束しません。

そこで,保険会社に減価証明書を提示しても,保険会社が「評価損は支払わない」と主張するならば,査定内容に従った支払いを受けることはできません。

現実の示談交渉の場面では,保険会社が任意で評価損の支払いに応じることは少ないので,評価損を払ってもらうためには裁判によって決着をつける必要性が高いです。









◆裁判における査定協会の証明書の取扱い




査定協会の減価証明書は,裁判でも有力な証拠となりますが,裁判所も証明書通りの評価損を認定するとは限りません。

現実には評価損を認める場合,修理費用の10〜30%などとするケースが多いです。

また裁判をしても,すべての事案で評価損が認められるわけではありません。

評価損が認められやすいのは,登録年数が新しい車や高級車,外車などです。





物損事故で評価損が発生したとき,保険会社が評価損を支払わないので争いが起こるケースが多々あります。

自分の場合に評価損を請求できるかどうか知りたい場合,お気軽に弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
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