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神経線維損傷と高次脳機能障害

神経線維損傷と高次脳機能障害

最終更新日:2023年6月27日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q神経線維の損傷は高次脳機能障害の原因ですか?
A神経繊維の損傷は高次脳機能障害の原因です。MRI画像で診断することが多いです。
神経線維

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

神経線維とは

神経線維とは、神経細胞の構成要素で、細胞体から出ている突起のうち、最も長い突起です。

神経線維の種類

脳の中枢から体の末端の末梢神経に情報を伝えるのが、遠心性線維(えんしんせいせんい)です。

反対に、抹消神経から中枢に情報を運ぶのが、求心性繊維(きゅうしんんせいせんい)です。

左脳と右脳に分かれている大脳をつないでいるのが、交連線維(こうれんせんい)です。

同じ側の脳の大脳皮質間で情報をやりとりする際に用いられるのが、連合線維(れんごうせんい)です。

神経線維は、何本も束になっています。隣り合った神経線維が違う情報を伝えるときに互いの情報が混線しないように、神経線維は、髄鞘(ずいしょう)という絶縁物質で取り巻かれています。

神経線維の情報伝達方法

では、神経線維はどうやって情報を伝達しているのでしょうか?

神経線維は、プラスかマイナスの電子であるイオンが細胞膜を通過することで情報を伝えます。つまり、電気信号によって情報を伝えています。

神経線維の役割

いくつも分かれている脳と脳をつないで、情報を伝達するのが神経線維です。

たとえば、大脳は前頭葉、側頭葉、前頂葉、後頭葉の4つに分かれます。溝(こう)と呼ばれる深くて細いすき間で隔てられています。

別れ別れの大脳同士の情報を相手に伝えるのが、神経線維です。

大脳が4つに分かれていても、人がまとまりのある思考や行動を取ることができるのは、神経線維を通じて情報を共有しあっているからです。

神経線維損傷のメカニズム

回転が伝わる外力で頭部外傷を受けたときに、神経線維の断裂が生じることが多いです。

頭部を直接強打しなくても神経線維の断裂は生じることがあります。たとえば、子供をゆさぶったときに起こることもあります。

広範囲にわたり神経線維が傷ついた状態を、びまん性軸索損傷と言います。軸索とは、神経細胞から突起し長く伸びた神経線維のことです。

神経線維損傷の検査方法

見た目の外傷や出血もないのに受傷後6時間以上にわたり意識が回復しないと、びまん性軸索損傷を疑います。

受傷当日の画像診断では、損傷がはっきりしないこともあります。もっとも、3日から1週間ほどすると明瞭になります。CTでは異常がないときも多いです。MRI検査が重要です。小さな病変が広範囲にわたり多数存在するときもあります。

神経繊維の損傷と高次脳機能障害

神経線維はきわめて重要な役割を持っています。傷つけば脳の働きに影響が現れます。高次脳機能障害は、大脳皮質などの脳細胞が傷付いたときばかりでなく、神経線維の障害でも発生します。

まとめ:神経線維損傷と高次脳機能障害

神経繊維の損傷は高次脳機能障害の原因です。MRI画像で診断することが多いです。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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