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交通事故に遭い,療養や通院のため有給休暇を取得したとき,休業損害になることがあると聞きました。療養や通院のために病気休暇を取得したときも休業損害として賠償の対象となりますか?

2018年05月29日
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交通事故に遭い,療養や通院のため有給休暇を取得したとき,休業損害になることがあると聞きました。療養や通院のために病気休暇を取得したときも休業損害として賠償の対象となりますか?

この場合,休業損害として認める裁判例と,認めない裁判例に分かれています。理論的に考察すると,難しいと考えられます。




 交通事故 : 休業損害 




◆有給休暇が休業損害として扱われる理由




労働者が交通事故に遭って治療を受けるとき「有給休暇」を取得して通院することがあります。

有給休暇は,労働者が仕事をしなくてもお金を受け取ることができる日であり,有給休暇の取得権は,労働基準法によって認められている労働者の権利です。

そこで,有給休暇の取得権には,財産的価値が認められると考えられます。

交通事故のために有給休暇を消化してしまったということは,その財産的価値を費消してしまったということですから,労働者に損害が発生していると言えます。分かりやすくいえば,ほかの機会に使えたのに治療や症状のために有給休暇を使ったという点を捉えて,休業損害として考えることになります。


このような考え方で,一般的に「有給休暇」を消化して治療を受けた場合には,有給休暇分にも休業損害が認められています。







◆病気休暇とは



病気休暇とは,公務員に取得することが認められている休暇の1つです。導入している民間会社もあります。
公務員には,病気休暇,特別休暇,介護休暇という休暇が認められており,介護休暇の場合には給与が支給されませんが,病気休暇と特別休暇の場合には,給与が支給されます。

病気休暇の場合,裁判例では,休業損害として補償の対象になるとするものもありますが,休業損害として認めないというものもあり,判断が分かれています。

有給休暇は,原則として労働者が自分の好きなときに(時季を指定して)取得することができます。一方,病気休暇は,負傷や病気のために療養する必要がある場合にのみ取得することができます。

したがいまして,病気休暇はほかの機会に使えるということはありません。このことから,病気休暇分を休業損害として評価するのは難しいと考えられます。



とはいえ,有給休暇分についても,休業損害であることを否定しつつ,慰謝料算定の場面で考慮するという考え方がありました。病気休暇についても,休業損害として認められないとしても,病気休暇を使ったことを慰謝料の算定の一事情として考慮する余地もあります。

以上より,交通事故後,加害者の保険会社と示談交渉を進めるときには,相手から「特別休暇,病気休暇は休業損害の計算対象にならない」と言われることがありますが,そのような場合でも,諦める必要はありません。



サラリーマンや公務員の場合,休業損害の計算方法は比較的容易であると考えられていることがありますが,実際にはこういった法的問題がたくさんあるものです。お困りの際には,弁護士までご相談下さい。





▼参考記事
・サラリーマンが交通事故に遭って休業した場合,どのような補償をしてもらえますか?
・損害賠償額の基準に注意!
・弁護士が入ると損害賠償額が上がる!

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