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幼児が交通事故の被害に遭いました。幼稚園の先生が引率していた最中で,幼児の親はその場にいませんでした。この場合の過失相殺はどうなるのでしょうか?

 
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幼児が交通事故の被害に遭いました。幼稚園の先生が引率していた最中で,幼児の親はその場にいませんでした。この場合の過失相殺はどうなるのでしょうか?

この場合,被害者側の過失とはいえないので,基本的に過失相殺は行われません。幼稚園や幼稚園の先生が,別途損害賠償請求を受ける可能性はあります。




 園児の交通事故 



◆被害者側の過失とは




交通事故の過失には「被害者側の過失」という考え方があります。

これは,被害者本人に過失がなくても,被害者側の人に過失があると,被害者が請求できる賠償金を減額しようとするものです。

通常の過失相殺は,被害者自身の行動をもとに検討し,適用されるものです。
被害者が,損害発生や拡大につながる行為をしたからこそ,賠償金を減額できる根拠があると言えます。




しかし,被害者本人だけではなく,被害者と一体となるような近しい人が過失行為により損害を拡大させた場合にも,被害者側に責任を負担させないと不公平となります。

そこで,被害者の過失があると,民法722条2項が適用されて,過失相殺が行われます。
これが,被害者側の過失です。







◆被害者側の過失の範囲




被害者側の過失が適用されるのは,どのようなケースなのでしょうか?

その範囲を確認しましょう。



判例では,「被害者と身分上・生活関係上,一体をなす関係にあるもの」とされています(最判昭和42年6月27日)。

たとえば,幼児の飛び出し事故で幼児が被害者となる場合には,近くにいた父母が「被害者側」に該当します。父母だけではなく,幼児の監護のために雇っている家事使用人なども「被害者側」とされます。

また,夫婦で自動車に乗っていて交通事故に遭ったケースでは,被害者となった妻が助手席に乗っていたとき,運転をしていた夫が妻の「被害者側」と評価されます。

これらに対し,幼稚園の先生は,幼児と「身分上生活関係上一体性を有する」とはいえないので,「被害者側」の人には当たりません。






本件では,引率していたのは幼稚園の先生なので,被害者側の過失の考え方は適用されず,過失相殺は行われません。また,親も近くにいなかったということですから,親を「被害者側」として過失相殺が行われることもないでしょう。







◆幼稚園の先生が損害賠償を受ける可能性




ただし,本件のように,幼稚園の先生が引率していて交通事故に遭った場合,幼稚園の先生自身やその使用者である幼稚園が過失にもとづく損害賠償責任を負う可能性があります。




以上のように,交通事故の過失相殺は,必ずしも被害者自身の過失にもとづくものとは限らず,被害者側の過失が問題となるケースがあります。

ご自身では正確な判断が難しい場合には,ぜひよつば総合法律事務所にご相談ください。




▼参考記事
・交通事故の過失相殺とは
・困ったらすぐ相談
・学生・幼児の交通事故の解決事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤寿康)
プロフィール
弁護士法人よつば総合法律事務所
地域最大級の弁護士14名が所属しております。事務所名の「よつば」は事務所に関わる人が皆幸せになるようにとの思いから名付けました。お気軽にご相談ください。
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