HOME > 慰謝料 > 交通事故の被害に遭い,遷延性意識障害で別表第一の介護を要する後遺障害に認定されました。示談交渉をしていましたが,示談前に事故とは別の原因で被害者が死亡してしまいました。将来治療費や将来介護費についても交渉していたのですが,これらはどうなりますか?

交通事故の被害に遭い,遷延性意識障害で別表第一の介護を要する後遺障害に認定されました。示談交渉をしていましたが,示談前に事故とは別の原因で被害者が死亡してしまいました。将来治療費や将来介護費についても交渉していたのですが,これらはどうなりますか?

 
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交通事故の被害に遭い,遷延性意識障害で別表第一の介護を要する後遺障害に認定されました。

示談交渉をしていましたが,示談前に事故とは別の原因で被害者が死亡してしまいました。将来治療費や将来介護費についても交渉していたのですが,これらはどうなりますか?




将来治療費や将来介護費用については,死亡時までの分に限定されることになります。




 将来治療費・将来介護費 



◆将来治療費が認められる場合


後遺障害が残った場合,そもそも症状固定後の治療費(将来治療費)を請求できるのかが問題となります。


交通事故が原因でかかった治療費は,症状固定までの分が認められるのが通例です。原則として,症状固定後の将来治療費については,賠償の対象となりません。




ただし,例外もあります。
症状固定後も症状の悪化の防止のために治療やリハビリの継続の必要性が認められるときは,その医療費は賠償の対象となります。治療を継続しないと症状が悪化してしまうケースなどで,将来治療費が認められます。

遷延性意識障害の場合にも,こうした必要性が認められたら将来治療費は損害として認められます。







◆将来介護費用の原則的な算定方法


遷延性意識障害になると,自分では日常生活に必要な行動をすることができなくなるので,介護が必要となります。示談成立後もずっと介護が必要ですから,将来介護費用は賠償の対象となります。

このとき,基本的には症状固定時の年齢を基準として,平均余命までの将来介護費の計算をするのが通例です。







◆示談前に死亡した場合の将来治療費と将来介護費用


それでは,示談前に被害者が死亡した場合,将来の治療費や将来介護費用はどのように考えるのでしょうか?

これらについては,死亡時までの分しか認められなくなります。




まず将来介護費用について述べますと,死亡時までの分しか認められないとした最高裁判所の判決があります(平成11年12月20日)。

将来介護費用は,被害者を介護することによって実際に発生する費用(積極損害といいます。)です。
被害者が死亡すると,支払が不要になるものだからです。実際に支払をしない費用を被害者や被害者の相続人に支払うと,被害者やその遺族に根拠のない利得を与えることになることが指摘されています。


次に将来治療費ですが,やはり積極損害です。将来介護費と同様の考え方になります。




以上のように,将来治療費や将来介護費用は,実際に支払が必要になる積極損害なので,死亡時までの分しか認められません。消極損害である後遺障害逸失利益が就労可能年齢の分まで認められるのと取扱いが異なっています。




▼参考記事
・将来の介護費について
・症状固定後の治療費について
・交通事故で重度の障害を負われた方の将来介護費について,弁護士2名体制でサポートし,裁判を行わず高水準で解決できた事例




(弁護士法人よつば総合法律事務所 弁護士 佐藤 寿康)
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