6:加害者の保険会社から治療費打ち切りを言われていますが,どうしたらよいでしょうか。
主治医の判断を仰ぎ,治療の必要性があれば健康保険を使って治療を継続しましょう。
保険会社からの打ち切りって?

「保険会社から治療の途中で治療費を打ち切られたので,どうしたらいいですか」,というご相談をお受けすることが多くあります。
事故当初は,保険会社が直接病院に治療費を支払っていたのに,保険会社から「保険会社としては,これ以上治療の必要がないと判断したので,治療費はもう支払いません。」という一方的な通告がなされて,治療が支払われなくなるのが,「治療費の打ち切り」と言われているものです。
治療費を打ち切られそうになった場合,どうすれば良いのでしょうか。
治療継続の必要性についてお医者さんの判断を仰ぎましょう。
保険会社は医師ではないし,被害者の症状を診察していないため,どういった治療が必要か,いつまで治療が必要かについて医学的に判断することはできません。したがって,
治療費の打ち切りについても,一律に事故から3カ月経ったからとか,6カ月経ったからという理由で打ち切ってくる場合が多いです。
しかし,上述のとおり,保険会社は医師でもないですし被害者の症状を実際に診察して見ているわけでもないので,あくまでも治療の必要性については主治医が判断すべき事項です。
そのため,加害者の保険会社が治療費の打ち切りを宣告してきた場合には,まず,主治医の判断を仰ぎ,治療継続の必要性があるのかを聞きましょう。
そして,継続の必要性がある場合には,それを診断書に記載してもらい加害者の保険会社に提出しましょう。
それでも打ち切ってきたら・・・?
主治医が治療の必要性があると言っているにもかかわらず,加害者の保険会社が一方的に治療費を打ち切ってくることがあります。その場合には,
健康保険を使って,ご自身で治療費を支払って治療を継続しましょう。
保険会社が治療費を支払っている場合,一般的には,自由診療といって健康保険を使わない診療になっています。自由診療の場合,健康保険を使う場合と比較して,治療費がかなり高額になっている場合が多いです。
保険会社が治療費の打ち切りをした後,ご自身で自由診療による高額の治療費を負担し続けるのは,経済的な負担が過度に重くなってしまうので,お勧めできません。
保険会社が治療費を打ち切ってきたら,迷わず健康保険での通院に切り替えましょう。
まれに,病院の窓口において「交通事故では健康保険での治療ができない」と言われることがありますが,交通事故であっても健康保険での治療はできますので,きちんと病院にも伝えることが重要です。
健康保険でいつまで治療すればいいの?
治療費打ち切り後,健康保険で通院する場合には,主治医がこれ以上通院しても症状が改善しないと判断するまで,継続的に通院しましょう。
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