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交通事故知識ガイド損害賠償の知識

損害賠償額の計算方法

最終更新日:2024年7月25日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎

損害賠償額の計算方法
「保険会社からきた示談案の見方がわからない」
「漏れている請求がないか示談前に確認したい」
「増額を要請できないか検討したい」

この記事では交通事故の被害者に向けて、適切な賠償金を受け取るための損害賠償の計算方法について基本的なルールを解説します。

なお、交通事故の賠償金の計算ルールは複雑です。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

1. 治療関係費用

① 治療費

  • 必要かつ相当な実費全額について認められます。
  • 必要性と相当性がないときは、過剰診療や高額診療として否定されることがあります。
  • 過剰診療とは、診療行為の医学的必要性または合理性が否定されるものをいいます。
  • 高額診療とは、診療行為に対する報酬額が特段の事情がないにもかかわらず社会一般の治療費水準に比して著しく高額な場合をいいます。

② 整骨院の施術費

  • 症状により有効かつ相当な場合、特に医師の指示がある場合などは認められる傾向にあります。

③ 通院交通費

  • 症状などによりタクシー利用が相当とされる場合以外は電車、バスの料金が認められます。
  • 自家用車を利用した場合には実費相当額が認められます。
  • 看護のための近親者の交通費も被害者本人の損害として認められます。

④ 入院雑費

  • 1日につき1500円が認められることが多いです。

⑤ 差額ベッド代

  • 医師の指示ないし特別の事情(症状が重篤、空室がなかった等)があれば認められます。

⑥ 温泉治療費

  • 医師の指示があるなど治療上有効かつ必要がある場合に限り認められますが、その場合でも額が制限されます。

2. 付添関係の費用

① 入院付添費

  • 医師の指示又は受傷の程度・被害者の年齢等により必要があれば職業付添人の部分には実費全額、近親者付添人は1日につき6500円が被害者本人の損害として認められることがあります。
  • ただし、症状の程度により、また、被害者が幼児、児童である場合には1割から3割の範囲で増額が考慮されることがあります。

② 通院付添費

  • 症状または幼児等必要と認められる場合には被害者本人の損害として肯定されます。
  • この場合1日につき3300円が認められる可能性があります。
  • ただし、事情に応じて増額が考慮されます。

③ 症状固定前の自宅付添費

  • 事案によって認められる可能性があります。

3. 実際に発生する費用

① 装具や器具の購入費

  • 事案によって必要があれば認められます。

② 家屋や自動車の改造費

  • 被害者の受傷の内容、後遺症の程度・内容を具体的に検討し、必要性が認められれば相当額が認められます。
  • 転居費用及び家賃差額が認められることもあります。

③ 学習費や保育費

  • 被害者の被害の程度、内容、子供の年齢、家庭の状況を具体的に検討し、学習、通学付添の必要性が認められれば妥当な範囲で認められます。

④ 医師への謝礼

  • 社会通念上相当なものであれば、損害として認められることがあります。
  • 見舞客に対する接待費、快気祝等は道義上の出費であるから認められません。

⑤ 葬儀関係費用

  • 葬儀費用は原則として150万円まで認められます。
  • 150万円を下回る場合には実際に支出した額が認められます。
  • 香典や香典返しは無視をして計算します。

⑥ 損害賠償請求関係費用

  • 診断書等の文書料、成年後見開始の審判手続費用、保険金請求手続き費用など必要かつ相当な範囲で認められます。

⑦ 帰国費用やその他費用

  • 必要かつ相当であれば、海外からの帰国費用などが認められています。

4. 将来の費用

① 症状固定後の治療費

  • 一般に否定的に解される場合が多いですが、その支出が相当なときは認められる可能性があります。
  • リハビリテーションの費用は症状の内容・程度によります。

② 将来介護費

  • 医師の指示又は症状の程度により必要があれば、被害者本人の損害として認められます。
  • 職業付添人は実費全額、近親者付添人は1日につき8000円が認められる可能性があります。

③ 将来の雑費

  • 事案によって認められる可能性があります。

5. その他(弁護士費用や遅延損害金など)

① 弁護士費用の賠償請求

  • 裁判の判決の場合、認容額の10%程度が事故と相当因果関係のある損害として認められます。

② 遅延損害金

  • 裁判の判決の場合、事故日から起算して認められます。

6. 休業損害

  • 会社員、自営業者、会社役員、主婦、無職者、学生等の属性により個別に認められます。

7. 慰謝料

  • 入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料が個別に認められます。

8. 逸失利益

  • 労働能力の喪失の程度、収入の変化、将来の昇進・転職・失業の不利益の可能性、日常生活上の不便等を考慮して個別に認められます。

9. まとめ:損害賠償の詳細解説もあわせて確認

  • 交通事故の賠償金の計算ルールは複雑です。以下の損害賠償の詳細解説の記事もあわせてご覧ください。

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