人身事故のメリットとデメリット

1. 人身事故と物件事故

人身事故と物件事故とは警察における交通事故の扱いです。物件事故は物損事故ともいいます。

人身事故は怪我のある事故、物件事故は怪我のない事故です。実際には怪我をしていても、人身事故ではなく物件事故として警察に届出することは可能です。

2. 人身事故のメリット

では、人身事故のメリットは何でしょうか？

人身事故は次のようなメリットがあります。

1. 人身事故を前提とした加害者の刑事処分がある
2. 人身事故を前提とした加害者の行政処分がある
3. 実況見分調書を警察が作成する
4. 治療費が打ち切りされにくい
5. 後遺障害が認定されやすい

① 人身事故を前提とした加害者の刑事処分がある

人身事故と物件事故では加害者の刑事処分が異なります。人身事故はより重い刑事処分です。

警察が人身事故として扱うと、人身事故を前提とした加害者の刑事処分があります。

② 人身事故を前提とした加害者の行政処分がある

人身事故と物件事故では加害者の行政処分が異なります。人身事故はより重い行政処分です。

警察が人身事故として扱うと、人身事故を前提とした加害者の行政処分があります。

③ 実況見分調書を警察が作成する

人身事故の場合、実況見分調書を警察が作成します。

実況見分調書とは、交通事故の現場で警察官が事故の当事者や参考人の立会いのもとで現場の状況や事故の発生状況の調査を行い、その調査結果をまとめた書類です。

実況見分調書があると、事故状況を正確に把握できます。

他方、物件事故でも警察は物件事故報告書という書類を作成します。もっとも、物件事故報告書は大まかな図面しか記載がないことが多いです。

警察が人身事故として扱うと、正確な事故状況が記載された実況見分調書を警察が作成します。過失割合の交渉で適正な主張がしやすくなります。

④ 治療費が打ち切りされにくい

事故から一定期間が経過すると、保険会社が治療費を打ち切ります。経験上、人身事故の方が治療費を打ち切られにくいです。

警察が人身事故として扱うと、治療費が打ち切りされにくいです。

⑤ 後遺障害が認定されやすい

治療をしても怪我が完治しないとき、後遺障害を申請します。経験上、人身事故の方が後遺障害が認定されやすいです。

警察が人身事故として扱うと、後遺障害が認定されやすくなります。

3. 人身事故のデメリット

では、人身事故のデメリットは何でしょうか？

人身事故は次のようなデメリットがあります。

1. 被害者にも過失があるとき、被害者も刑事処分の可能性がある
2. 被害者にも過失があるとき、被害者も行政処分の可能性がある
3. 実況見分調書などの作成のため、何度も警察に行く必要がある
4. 診断書を警察に提出する必要がある

① 被害者にも過失があるとき、被害者も刑事処分の可能性がある

交通事故では被害者にも過失があるときがあります。被害者にも過失があると、被害者も刑事処分となることがあります。

特に人身事故の場合、被害者が刑事処分を受ける可能性が高まります。

② 被害者にも過失があるとき、被害者も行政処分の可能性がある

交通事故では被害者にも過失があるときがあります。被害者にも過失があると、被害者も行政処分となることがあります。

特に人身事故の場合、被害者が行政処分を受ける可能性が高まります。

③ 実況見分調書などの作成のため、何度も警察に行く必要がある

人身事故は手続きが複雑です。実況見分調書の作成や他の書類作成のため、何度も警察に行く必要があることがあります。

④ 診断書を警察に提出する必要がある

人身事故の扱いにするには、警察に診断書を提出することが必要です。診断書の作成や提出のための手間や費用がかかります。

4. 物件事故から人身事故への変更の注意点

では、物件事故から人身事故への変更はできるでしょうか？

事故後早い段階であれば、物件事故から人身事故への変更は可能です。他方、事故から1カ月以上経過していると、スムーズに人身事故への変更が進まないことが経験上多いです。

人身事故へ変更を希望するときは、早急に警察に診断書を提出しましょう。

5. まとめ：人身事故のメリットとデメリット

人身事故のメリットは次の通りです。

1. 人身事故を前提とした加害者の刑事処分がある
2. 人身事故を前提とした加害者の行政処分がある
3. 実況見分調書を警察が作成する
4. 治療費が打ち切りされにくい
5. 後遺障害が認定されやすい

人身事故のデメリットは次の通りです。

1. 被害者にも過失があるとき、被害者も刑事処分の可能性がある
2. 被害者にも過失があるとき、被害者も行政処分の可能性がある
3. 実況見分調書などの作成のため、何度も警察に行く必要がある
4. 診断書を警察に提出する必要がある