交通事故で弁護士に依頼して後悔するケース|7つの失敗例と対処法
最終更新日:2025年04月22日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
- Q交通事故で弁護士に依頼して後悔しないよう、どのような点に気を付ければよいですか?
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弁護士に依頼して後悔するケースには、①詳しいとは言えない②対応が遅い③連絡が取りにくい④説明がわかりにくい⑤相性が合わない⑥方針や解決内容に納得できない⑦費用倒れになってしまう、というようなケースがあります。
弁護士選びで後悔しないよう、次のような点に気を付けましょう。- 交通事故に強そうな弁護士を探す。
- 初回相談で相性を確認する。
- 費用や方針の説明に納得してから契約する。

目次

弁護士に依頼して後悔するケース
交通事故にあい、弁護士に依頼すれば安心できると思っていたのに、「思ったような結果にならなかった」「もっと経験豊富な弁護士を選べばよかった」と後悔するケースは少なくありません。
弁護士の選び方を誤ると、示談交渉や後遺障害の等級認定で適切な補償を受けられなかったり、費用ばかりがかかって損をすることもありえます。
ここでは、実際に弁護士に依頼して後悔した人が直面した問題を、7つの代表的なケースとして紹介します。
① 詳しいとは言えない
弁護士は法律の専門家ですが、それぞれ得意分野が異なります。たとえば、相続や離婚、企業法務を主に扱っている弁護士も多く、すべての弁護士が交通事故案件に詳しいわけではありません。
交通事故に関する法律は、損害賠償額の計算方法、後遺障害等級認定の仕組み、保険会社との交渉の進め方など、特殊な知識が必要です。経験の浅い弁護士に依頼すると、次のような問題が発生することがあります。
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後遺障害等級認定のサポートが不十分
交通事故で後遺障害が残った場合、適切な等級認定を受けることで賠償額が大きく変わります。しかし、経験の少ない弁護士は、医師への意見書作成依頼や診断書の精査を適切に行えず、本来受けられるべき等級認定が得られないことがあります。
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示談交渉で賠償額が十分に増額されない
交通事故に強い弁護士なら、保険会社との交渉に慣れており、適切な賠償額を得るための戦略を持っています。しかし、経験が少ない弁護士では、保険会社の提示額をそのまま受け入れてしまい、本来より低い賠償額で示談が成立してしまうことがあります。
また、知人や親族の弁護士に依頼して後悔するケースも少なくありません。弁護士の専門分野をしっかり確認することが大切です。
② 対応が遅い
弁護士に依頼したのに、なかなか連絡が来ないと「後回しにされているのでは?」と不安になることがあります。特に、示談交渉や後遺障害等級認定の手続きが進んでいないと感じると、「費用を払っているのに、きちんと対応してくれているのか?」と疑問に思うかもしれません。実際、「弁護士の対応が遅い」と感じて後悔するケースは少なくありません。
しかし、対応が遅くなる原因が弁護士にあるとは限りません。交通事故の案件では、手続きの進行上「待ち」の状態になることがあり、その間は弁護士も動きたくても動けないケースがあります。
対応が遅いと感じる主な理由
担当弁護士が原因でない場合の、対応が遅いと感じる主な理由は、次の2点です。
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治療中または後遺障害等級認定の審査中
示談交渉を進めるには、治療が完了してからでないと正確な損害額を算出できません。そのため、けがが完治するか、後遺障害等級認定の結果が出るまで待つことになります。
また、後遺障害の認定には、申請してから数カ月かかることが多く、その間は弁護士も進捗を待つしかない状況になります。
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加害者側の保険会社の対応待ち
示談交渉では、加害者側の保険会社と話し合いを行いますが、保険会社の社内手続きや調査が長引くと、回答が遅れることがあります。弁護士は督促することはできますが、保険会社がすぐに動かなければ、それ以上の対応は難しい場合があります。
そのため、弁護士からの連絡が減り、依頼者が「放置されているのでは?」と感じることもあります。
弁護士が原因で対応が遅いと感じる場合は?
上記のような事情がなく、弁護士が単に後回しにしている場合や、連絡をしても対応が遅いまま改善しない場合は、注意が必要です。
- 連絡をしても返答が来ない
- こちらから催促しないと動かない
- 示談交渉の戦略や見通しについて説明がない
このような状況が続く場合は、その弁護士に問題があるケースも少なくありません。
③ 連絡が取りにくい
弁護士に依頼したものの、なかなか連絡が取れず、不安や不満を感じてしまうケースがあります。「電話をしてもつながらない」「メールの返信が遅い」「事務員としか話せない」などの状況が続くと、「ちゃんと対応してくれているのか?」と疑問に思ってしまうでしょう。
弁護士は、複数の案件を同時に抱えているため、事務所に不在のことも多く、すぐに対応できないことがあります。また、裁判や交渉で外出が多く、連絡を後回しにせざるを得ない場合もあります。とはいえ、依頼者としては「費用を支払っているのに、直接話ができない」「折り返しの連絡がこない」といった状況が続くと、不信感を抱くのは当然です。
特に、書類を送ったのに到着の確認がない、進捗について何の報告もないといった場合は、弁護士の対応に問題がある可能性もあります。依頼者にとっては、自分の案件がきちんと進んでいるのか、適切な対応をしてもらえているのかが分からないため、大きなストレスになります。
④ 説明がわかりにくい
弁護士に依頼したものの、説明が専門用語ばかりで理解できず、不安を感じるケースがあります。法律の手続きは複雑なため、どうしても専門的な言葉が出てくることはありますが、それを分かりやすく説明しようとしない弁護士には注意が必要です。
依頼者としては、自分の案件がどのように進んでいるのか、どんな手続きを取るのかを正しく理解した上で進めたいはずです。しかし、弁護士が一方的に専門用語を使って話したり、詳しい説明を省いてしまったりすると、「何を言っているのか分からない」「勝手に手続きを進められている気がする」と不安になってしまいます。
特に、示談交渉や裁判の方針を理解しないまま進めてしまうと、後で「こんな結果になるとは思わなかった」「もっと有利な条件で交渉できたのでは?」と後悔する可能性があります。
⑤ 相性が合わない
弁護士に依頼したものの、話しづらさや違和感を感じ、後悔してしまうケースもあります。弁護士も人間なので、依頼者との相性が合わないこともあります。
たとえば、「会話のテンポが合わない」「自分の意見をじっくり聞いてくれない」「考え方が合わず、話していてモヤモヤする」と感じると、相談しづらくなってしまうことがあります。特に、弁護士が威圧的だったり、冷たい態度を取ったりすると、依頼者は遠慮してしまい、聞きたいことを聞けずに終わってしまうこともあるでしょう。
しかし、弁護士とのコミュニケーションが不足すると、案件の進捗が分からなくなったり、希望する解決に向けたすり合わせができなくなったりします。その結果、「もっと早く相談していれば、違う解決方法があったのではないか」「この弁護士で本当に良かったのか」と後悔することになりかねません。
⑥ 方針や解決内容に納得できない
弁護士に依頼したものの、解決の方向性が自分の希望と合わず、後悔してしまうケースもあります。弁護士は依頼者のために活動しますが、法的な知識や過去の事例を踏まえ、適切と考える解決策を提案します。しかし、それが依頼者の意向と異なることもあります。
たとえば、「裁判をしてでも慰謝料を増額させたい」と考えている依頼者に対し、弁護士が「裁判には時間と労力がかかるわりに、得られる利益が少ないため、示談交渉で早期解決を目指した方がよい」と提案することがあります。依頼者としては、納得のいく結果を求めていたのに、思っていたよりも低い金額で示談を進められそうになり、不満を感じることもあるでしょう。
⑦ 費用倒れになってしまう
弁護士に依頼したものの、結果的に費用がかさみ、受け取れる金額が少なくなってしまう「費用倒れ」に陥るケースもあります。これは、弁護士費用が賠償額の増額分を上回ってしまい、依頼者の負担が大きくなる状態を指します。
たとえば、加害者側の保険会社が当初提示した慰謝料が20万円だったとします。弁護士に依頼し交渉した結果、慰謝料が40万円に増額されたとしても、弁護士費用が30万円かかれば、最終的な手取りは10万円となり、弁護士に依頼せずに受け取った方が良かったという結果になってしまいます。このように、弁護士に依頼することで増額が見込める場合でも、費用とのバランスを考えなければ、かえって損をしてしまうことがあります。
項目 | 弁護士なし | 弁護士あり |
---|---|---|
慰謝料 (保険会社提示額) |
20万円 | 20万円 |
交渉後の慰謝料 | 20万円 (増額なし) |
40万円 (+20万円) |
弁護士費用 | 0円 | ▲30万円 |
最終的な手取り | 20万円 | 10万円 (▲10万円の損) |
後悔しそうなときの対処法
交通事故の弁護士に依頼したものの、「この弁護士で本当に大丈夫なのか?」「思ったより対応が悪い…」と不安になっている場合、すぐに解約や変更を決断するのではなく、適切な手順を踏んで問題を解決することが大切です。
ここでは、弁護士に依頼して後悔しそうなときの具体的な対処法を3つ紹介します。
① 直接会って話をしてみる
弁護士とのコミュニケーションに不安を感じたり、「対応が遅い」「説明がわかりにくい」と思ったりした場合は、まずは直接会って話すことが重要です。
電話やメールだけでは伝わらないことも、対面で話すことで誤解が解けたり、進め方が明確になったりすることがあります。
現状を確認する
まずは、自分の案件がどこまで進んでいるのかを確認しましょう。弁護士がどのような作業を行ったのか、今後の流れはどうなるのかを整理すると、次の行動を決めやすくなります。
特に、次の点について整理すると、話し合いがスムーズになります。
- 示談交渉はどの段階か?
- 保険会社からの回答は来ているのか?
- 後遺障害等級認定の審査状況はどうなっているのか?
- 裁判を視野に入れる必要があるのか?
- 弁護士に求めている対応と、実際の進捗にギャップがあるか?
これらを把握してから弁護士と話すことで、的確な質問ができ、解決への道筋が見えてきます。
弁護士との意思のすり合わせをする
弁護士の方針や進め方に納得できないと感じたら、一度じっくりと話し合うことが大切です。特に、次のような点について弁護士と方向性をすり合わせましょう。
- 示談で早期解決を目指したいのか、裁判を視野に入れてでも納得のいく賠償額を求めるのか?
- 多少の妥協をしても早めに解決したいのか、それとも時間がかかっても賠償額にこだわりたいのか?
もし方針が合わないと感じたら、具体的な希望を伝えることが重要です。
たとえば、「可能な限り示談で解決したいが、相手が低い金額しか提示しない場合は裁判も視野に入れたい」といった形で、希望する方針を明確に伝えましょう。
連絡の取り方や頻度を決めておく
「なかなか連絡がこない」と感じると、不安やストレスを感じるものです。これは、弁護士が必要だと思う連絡頻度と、依頼者が望む連絡頻度が異なることが原因であることも多いです。
事前に、次のような点について話し合い、合意しておくとよいでしょう。
- どのくらいの頻度で進捗報告をしてくれるのか?
- どのような方法(電話・メール・面談)で連絡を取るのか?
- 連絡が減る可能性のある期間(治療中や後遺障害等級認定の審査中など)があるか?
たとえば、後遺障害等級認定の審査中や示談交渉の進行中は、弁護士からの連絡が減ることがあります。「この期間は連絡が少なくなります」といった説明を事前に受けておくことで、「放置されているのでは?」と感じることを防げます。
不明点はその場で質問する
弁護士の説明がわかりにくいと感じたら、そのままにせず質問しましょう。法律や交通事故の手続きでは、専門用語が多く、一般の人には理解しづらいこともあります。
「この部分がよく分からない」「具体的にどのような影響があるのか」と質問すると、弁護士も説明を工夫してくれるでしょう。
また、弁護士によっては専門用語を使いすぎてしまうこともあります。その場合は、「もっと簡単な言葉で説明してください」と伝えることも重要です。
弁護士との相性が合わないと感じたら
弁護士と依頼者の相性が合わないと、相談しづらくなり、結果的にストレスが溜まってしまいます。
もし「話しにくい」「信頼できない」と感じたら、正直にその旨を伝えてみるのも一つの方法です。
「もう少し進捗を報告してほしい」「もう少し自分の意見を聞いてほしい」と希望を伝えれば、弁護士も対応を改善してくれる可能性があります。
② 今後の流れや方針について弁護士に質問する
弁護士と直接話をする際に、「今後どのように進むのか」をしっかり確認しておくことも重要です。
交通事故の手続きは時間がかかることが多く、依頼者側からすると「なかなか進まない」「対応が遅い」と感じることがあります。しかし、実際には手続き上やむを得ない待機期間である場合も少なくありません。納得のいく解決を得るためには、弁護士と認識をすり合わせることが大切です。
弁護士に現在の進捗状況を確認したうえで、今後の見通しについても質問しておくと、安心感を得られます。次のような点について尋ねてみるとよいでしょう。
- 示談交渉はどのくらいの期間がかかるのか?
- 後遺障害の等級認定の申請にどのくらいの時間がかかるのか?
- もし裁判になった場合、解決までの目安はどのくらいか?
- 今後、どのような手続きが必要になるのか?
- 途中でこちらがやるべきことはあるのか?
- 保険会社や相手方と交渉する際のポイントは何か?
- 次回の報告予定はいつか?
これらの情報を整理しておけば、弁護士がきちんと対応してくれているのかどうかを冷静に判断しやすくなります。
こういった質問に弁護士が明確な説明をせず、「とりあえず待ちましょう」「詳細は後程お知らせします」などといった回答が続く場合、その弁護士には問題があるかもしれません。
そこで、次のステップとしてほかの弁護士に相談することを検討するのも一つの方法です。
③ 違う弁護士に相談や依頼をする
弁護士に依頼したものの、「対応に不満がある」「説明がわかりにくい」「進展が遅い」などの理由で後悔している場合、別の弁護士に相談してみるのも1つの選択肢です。セカンドオピニオンを求めることで、新たな視点からアドバイスを受けられる可能性があります。
弁護士を変更する前にセカンドオピニオンを活用する
今の弁護士に不安がある場合、すぐに解約するのではなく、まず別の弁護士に相談してみるのがおすすめです。
セカンドオピニオンを受けることで、次のようなメリットがあります。
- 現在の弁護士の対応が妥当か判断できる
- 別の解決策があるかもしれない
- 他の弁護士の方が相性が良いと感じるかもしれない
- 依頼し直すことで示談金や慰謝料の増額につながる可能性がある
セカンドオピニオンは、現在の弁護士に伝える必要はなく、弁護士には守秘義務があるため、相談内容が外部に漏れることもありません。セカンドオピニオンには費用はかかることが多いですが、初回相談無料の弁護士もいるため、費用を抑えて相談できる場合もあります。
よつば総合法律事務所では、交通事故の初回相談を無料で受け付けています。現在の弁護士の対応に不安を感じている場合、セカンドオピニオンとしてご相談いただくことも可能です。お困りの際は、お気軽にご相談ください。
弁護士を変更する場合の手続き
セカンドオピニオンを受けた結果、今の弁護士ではなく、別の弁護士に依頼したいと思った場合は、次の手順で進める必要があります。
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手順1 依頼中の弁護士に解約の意思を伝える
弁護士との契約は「委任契約」であり、依頼者の意思で解約することが可能です。ただし、解約の際は弁護士に口頭または書面で解約の意思を伝える必要があります。正式な解約をしないまま別の弁護士に依頼すると、二重契約となりトラブルになる可能性があるため注意しましょう。
ほとんどの弁護士は、適切に連絡すれば問題なく契約解除に応じます。
また、単に契約解除を伝えるだけでなく、新しく依頼する弁護士の情報も共有しておくと、案件の引き継ぎがスムーズになります。
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手順2 弁護士費用の精算を行う
解約する際は、それまでに発生した弁護士費用の精算が必要になります。具体的には、次の費用を請求されることがあります。
- 実費(郵便代、印紙代、交通費など)
- 着手金(契約時に支払ったもの)
- すでに行った業務に対する報酬
ただし、弁護士費用特約を利用している場合は、保険会社が費用を負担するケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
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手順3 新しい弁護士に依頼する
新しい弁護士に依頼する際は、スムーズな引き継ぎを行うために旧弁護士からの資料の受け渡しが必要です。
また、スムーズに手続きを進めるため、新しい弁護士に「どこまで進んでいるか」を伝えられるように、これまでのやりとりや重要な書類を整理しておくことが大切です。
後悔しないための弁護士の選び方
弁護士に依頼した後に「思っていたのと違った」「もっと適任の弁護士を探せばよかった」と後悔しないためには、事前に慎重に弁護士を選ぶことが重要です。
交通事故の弁護士を選ぶ際には、専門性・経験・相性・費用などのポイントをしっかり確認し、納得した上で契約することが後悔を防ぐポイントです。
ここでは、交通事故に強い弁護士の探し方、初回相談のポイント、契約前に確認すべきことについて解説します。
① 交通事故に強そうな弁護士を探す
弁護士には、それぞれ得意分野があります。交通事故案件を専門的に扱っている弁護士を選ぶことが、納得のいく解決への第一歩です。
交通事故において、適正な後遺障害等級の認定を受け、示談交渉・訴訟で適正な賠償金を獲得するためには、交通事故特有の知識とノウハウが求められます。
経験豊富な弁護士に依頼すれば、保険会社との交渉や裁判で有利に進められる可能性が高まります。
交通事故に強い弁護士の特徴
交通通事故に強い弁護士は、次のような特徴をもっています。
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ポイント1 交通事故案件の解決実績が豊富
- WEBサイトに「交通事故に強い」や「年間○○件の解決実績」などの表記があるか?
- 過去の示談交渉や訴訟の成功事例を公表しているか?
- 弁護士自身が交通事故問題に関するコラムを執筆しているか?
実績が豊富な弁護士ほど、過去の判例や保険会社の対応パターンを熟知しており、適切な戦略を立てることができます。
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ポイント2 後遺障害等級認定のサポート経験がある
- 後遺障害等級認定の申請実績が多いか?
- 医師と連携し、診断書の作成や意見書の準備をサポートできるか?
- 異議申立ての経験があるか?
後遺障害等級の認定を適切に受けることで、賠償金額が大きく変わります。そのため、後遺障害認定に詳しい弁護士を選ぶことが、適正な賠償を受けるための重要なポイントです。
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ポイント3 保険会社との交渉経験が豊富
- 保険会社の低い示談金提示に対し、どのくらいの増額実績があるか?
- 保険会社の対応パターンを理解し、適切な交渉術を持っているか?
- 「保険会社からの提示額の〇〇%増額に成功」などの実績があるか?
保険会社はなるべく支払いを抑えようとするため、交渉次第で賠償額が大きく変わることがあります。経験豊富な弁護士であれば、保険会社の戦略を見抜き、適正な示談金を獲得するための交渉が可能です。
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ポイント4 裁判も視野に入れた対応ができる
- 示談交渉で解決できない場合、裁判も選択肢に入れているか?
- 過去に裁判で勝訴した実績があるか?
- 示談交渉が難航した場合、訴訟を視野に入れて提案してくれるか?
保険会社との示談交渉が決裂した場合、訴訟を起こすことで賠償金が増額されることもあります。しかし、裁判の経験が少ない弁護士の場合、保険会社のいいなりになったり、安易に示談交渉で妥協してしまうこともあるため、裁判対応に強いかどうかも重要な判断基準になります。
交通事故に強い弁護士の探し方
交通事故に強い弁護士を探す際には、次の方法が有効です。
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ポイント1 法律事務所のWEBサイトをチェックする
弁護士事務所のWEBサイトには、その事務所がどの分野を得意としているのかが記載されています。特に次のポイントをチェックしましょう。
- 「交通事故に詳しい」「年間○○件以上の解決実績」の表記があるか?
- 過去の示談交渉・訴訟の成功事例が掲載されているか?
- 後遺障害等級認定や示談交渉について詳しく説明しているか?
- 交通事故関連のコラムや解説記事が充実しているか?
交通事故に強い弁護士ほど、WEBサイトに具体的な成功事例や解決実績を掲載していることが多いため、しっかり確認しましょう。
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ポイント2 口コミ・評判を確認する
実際にその弁護士に依頼した人の口コミや評判を調べることで、信頼できる弁護士かどうかを判断できます。
チェックすべきポイントは、次のとおりです。
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Googleのレビューを確認する★の評価が高いか?
「対応が早い」「親身になってくれる」といったポジティブな意見が多いか?
「連絡が取りづらい」「説明が不十分」といったネガティブな意見が多くないか? -
法律相談サイトや口コミサイトを活用する交通事故に特化した弁護士が掲載されているか?
他の依頼者の体験談はどのようなものか?
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② 初回相談で相性を確認する
弁護士との相性は非常に重要です。いくら実績があっても、「話しづらい」「こちらの話をあまり聞いてくれない」など、コミュニケーションがうまくいかないと、結果に納得しづらくなります。
初回相談でチェックすべきポイントは、次の通りです。
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ポイント1 弁護士が親身になって話を聞いてくれるか?
- 一方的に話す弁護士ではなく、依頼者の悩みに耳を傾けてくれるか?
- 依頼者の状況や要望を理解しようとする姿勢があるか?
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ポイント2 説明がわかりやすいか?
- 専門用語ばかりを並べるのではなく、わかりやすい言葉で説明してくれるか?
- 賠償金の計算方法や手続きの流れを丁寧に説明してくれるか?
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ポイント3 方針を明確に示してくれるか?
- 「示談交渉を優先する」「後遺障害等級認定の申請をサポートする」など、具体的な方針を示してくれるか?
- 依頼者の希望に沿った進め方を考えてくれるか?
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ポイント4 対応がスピーディーか?
- 初回相談の予約がスムーズに取れるか?
- 相談後の対応が迅速で、メールや電話の返信が遅くないか?
また、初回相談のときに「こんなこと聞いてもいいのかな?」と遠慮する必要はありません。依頼する前にしっかり質問し、自分に合った弁護士かを見極めることが大切です。
初回相談では、次のことを質問しておくと安心できるでしょう。
- どのような手続きが必要か?
- 解決までの目安はどのくらいか?
- 示談交渉の進め方は?
- 後遺障害等級認定のサポートは?
- 弁護士費用はどのくらいかかるのか?
初回相談無料の弁護士も多いので、複数の弁護士と話して比較するのもおすすめです。
③ 費用や方針の説明に納得してから契約する
弁護士費用は事務所によって異なるため、契約前にしっかり確認することが重要です。
弁護士費用の主な種類は、次の通りです。
費用の種類 | 内容 |
---|---|
相談料 | 弁護士に相談する際にかかる費用 (無料の場合もあり) |
着手金 | 依頼時に支払う費用 (成功・不成功に関わらず発生) |
報酬金 | 交渉や裁判が成功した場合に支払う成功報酬 |
実費 | 交通費・郵便費・印紙代などの実際にかかる費用 |
よつば総合法律事務所は、初回相談料無料、着手金無料となっており、安心してご依頼いただける環境が整っています。
契約前には、次のことを確認しておくとよいでしょう。
- 費用の総額(トータルでいくらかかるのか?)
- 増額報酬の有無(増額分の〇%が成功報酬になることが多い)
- 弁護士費用特約の利用可否(自動車保険で費用をまかなえるか?)
ちなみに、自動車保険に「弁護士費用特約」がついている場合、 弁護士費用を保険会社が負担してくれるため、自己負担なしで弁護士に依頼できます。契約前に、自分の加入している保険を確認しておきましょう。
まとめ:後悔しない解決を目指す
交通事故の示談交渉や後遺障害等級認定では、弁護士の知識・経験・交渉力が結果に大きな影響を与えます。そのため、「この弁護士なら信頼できる」と思える人を見つけ、十分にコミュニケーションを取りながら進めることが重要です。
「こんなはずじゃなかった」と後悔することのないように、弁護士選びから依頼後の対応まで慎重に進めましょう。そして、もし不安や疑問が生じたら、遠慮せずに弁護士と話し合い、必要なら別の弁護士に相談することも検討しましょう。
後悔せず、納得のいく解決を目指すために、正しい知識を持ち、慎重に行動することが大切です。

- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博