整骨院通院を認めないと言われた場合

Q整骨院への通院は認めないと保険会社から言われました。どうすればよいですか？

A医師の指示をもらいましょう。整骨院に相談すると、連携している整形外科を紹介してもらえることがあります。

病院と整骨院の違い

病院と整骨院は異なります。
病院では医師の診療を受けます。整骨院では柔道整復師による施術を受けます。

整骨院費用が認められる場合

では、どのような場合に整骨院の費用が認められるでしょうか？
整骨院の費用が認められるためには次の条件が必要です。

• 医師の指示同意があること
• 施術に必要性があること
• 施術に有効性があること
• 施術内容に合理性があること
• 施術期間が相当であること
• 施術費が相当であること

整骨院の費用が認められるハードルは以外と高いです。

医師の指示・同意があること

医師の指示・同意があることが必要です。「整骨院への通院を認める」と診断書に書いてあれば理想です。しかし、現実的には難しいです。
そのため「少なくとも医師が反対していない」という程度の同意は取得しましょう。

たとえば、次のような方法で同意があることを説明できるようにしましょう。

• 整骨院へ通院することを診察で医師に説明しましょう。医師が明確に反対しなければ、医師の同意があると判断することが多いです。
• 整骨院が紹介する医師の診察を受けましょう。整骨院が紹介する医師は整骨院での施術に同意することが多いです。

施術に必要性があること

「施術に必要性があること」とは、「施術を行うことが必要な身体状態にあったこと」です。
要するに、怪我をしていたということです。

施術に有効性があること

「施術に有効性があること」とは、「施術を行った結果として具体的な症状の緩和がみられること」です。
要するに、施術により治ってきているということです。

施術内容に合理性があること

「施術内容に合理性があること」とは、「施術が受傷内容と症状に照らし、濃厚・過剰に行われておらず、症状と一致した部位につき、適正な内容として行われていること」です。
要するに、けがの状況からして普通の施術ということです。

施術期間が相当であること

「施術期間が相当であること」とは、「受領の内容、治療経過、疼痛の内容、施術の内容及びその効果の程度等から、施術を継続する期間が相当であること」です。
要するに、けがの状況からして普通の期間ということです。

施術費が相当であること

「施術費が相当であること」とは、「報酬金額が社会一般の水準と比較して妥当なものであること」です。
要するに、費用が普通の費用ということです。

実際には、厳密な検討なしに保険会社が整骨院治療を認めているときもあります。
しかし、整骨院の施術費が認められるハードルは意外と高いです。
医師の同意は取得しておきましょう。

交通事故の治療は病院と整骨院のどちらに行けばよいですか？

保険会社に主張するポイント

では、整骨院の費用を保険会社に支払わせるにはどうすればよいでしょうか？
保険会社に支払わせるためのポイントは次の通りです。

医師の指示・同意を明確にすること

整骨院での施術には医師の指示・同意が必要です。
医師に診断書を発行してもらい医師の指示・同意があることを明確にしましょう。
整骨院に相談すると、連携している整形外科を紹介してくれることもあります。連携する医師であれば明確な指示・同意を得られるかもしれません。

治療終了の時期を保険会社に伝えること

治療終了の時期が明確になっていると、保険会社が施術費を支払う確率が上がります。
たとえば、次のように説明すると保険会社が施術費を支払う可能性があります。

• 「整形外科の通院はもうしばらく続けますが、整骨院の通院は1カ月で終わらせます。」
• 「〇月〇日までで整骨院は終わりにします。」

治ってきていることを保険会社に伝えること

怪我が治ってきていることを保険会社に伝えると、保険会社が施術費を支払う確率が上がります。
たとえば、次のように説明すると保険会社が施術費を支払う可能性があります。

• 「最初は首・腰の２か所に症状があったが、今は首だけになった」
• 「最初は週に５回通っていたが、今は週に２回になった」

失敗する前にお読みいただきたいＱ＆Ａ

Q整骨院だけの通院でよいですか？

A病院と整骨院の両方に通院しましょう。医師の同意がないと整骨院の施術費が支払われないことがあります。

Q保険会社に事前に相談しないで整骨院に通院してよいですか？

A事前に保険会社に相談しましょう。保険会社の同意がないと整骨院の施術費が支払われないことがあります。

まとめ：整骨院通院を認めないと言われた場合

整骨院での施術には医師の指示・同意が必要です。整骨院に相談すると、連携している整形外科を紹介してくれることもあります。
保険会社に治療終了見込み時期を明確に伝えたり、治ってきていることを伝えたりすると、保険会社が施術費を支払う確率が上がります。

（監修者　弁護士　大澤 一郎）

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