事故後数日して痛みが出た場合
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
- Q事故直後は痛くなかったですが数日して痛みが出ました。どうすればよいですか?
- Aすぐに病院に行きましょう。
―――― 目次 ――――
痛くなったらすぐ病院
-
事故直後は緊張や興奮で痛みを感じなくても、事故翌日などに痛みを感じるときあります。
- 「事故当日は通院する時間がなかった。そのため翌日に通院した」
- 「土日祝日で病院がやっていなかった」
- 「保険会社からの連絡がなかったのでどうやって通院すればよいかわからなかった」
- 「事故当日はどうしても外せない予定があり通院できなかった」
- 「当日はがまんしたが、結局がまんできずに仕事を早退した」
- 「当日は家にある痛み止めの薬を飲んでいた。翌日朝一番に通院した」
- 「〇〇の理由で通院できなかった」
- 「医師の診断書によれば、事故による怪我と診断している」
- 「車両損傷状況の写真や見積書からすれば、怪我をするくらいの大きな事故である」
- 「最初の診察のときに医師に申告はしていた」
- 「最初の診察のときは医師に伝えなかったものの、2回目の診察のときは医師に伝えた」
- 「(特に重症の場合)医師の診断書によれば、後日〇〇に症状が出ることがあると診断している」
- Q忙しいので数回しか通院しませんでした。適正な補償はもらえますか?
- A適正な補償はもらえないでしょう。通院期間や通院回数で慰謝料などの補償額は決まるからです。
- Q整骨院だけの通院でよいですか?
- A病院と整骨院の両方に通院しましょう。整骨院だけの通院だと整骨院費用を保険会社が支払わないことがあります。
事故による痛みの症状を感じたときはすぐ病院に行きましょう。
通院開始日が遅いと適切な補償をもらえない確率が上がります。
1日でも早く通院を開始することが適切な補償につながります。
通院開始日までの日数と治療費支払基準
通院開始日が遅いほど保険会社が治療費を支払わない確率が上がります。事故状況や負傷状況によりますが、おおむね基準は次の通りです。
通院開始日 までの日数 |
保険会社による 治療費支払い |
---|---|
事故当日 | ◎あり |
翌日 | 〇通常あり |
翌日~1週間 | △あることが多い |
1週間~2週間 | △あるときも ないときもある |
2週間~30日 | △ないことが多い |
30日超 | ×なし |
注 上記は一般論です。事故状況や負傷状況により異なります。
別の場所の痛みが発生したとき
最初に病院を受診したときには医師に痛みの場所を伝えます。
しかし、医師に伝えていない痛みが後日発生することがあります。別の場所の痛みが発生したときは、すぐに医師に伝えましょう。
医師に伝えるのが遅いと「事故と関係ない痛み」と保険会社が判断する確率が上がります。
「事故と関係ない痛み」と保険会社に判断されてしまうと、保険会社は治療費を支払いません。
別の場所の痛みが発生したときは、すぐに医師に伝えましょう。
保険会社のよくある主張と被害者の反論
通院開始日が遅い場合、治療費を支払わないと保険会社が主張することがあります。被害者は適切に反論しましょう。
保険会社の主張①事故当日に通院していないのは不自然
「事故当日に通院していないのは不自然である」と保険会社が主張することがあります。
しかし、保険会社の主張に対しては次のような反論がありえます。
保険会社の主張②事故翌日から通院開始なので症状は軽い
「事故当日ではなく翌日に通院開始なので症状は軽い」と保険会社が主張することがあります。
しかし、保険会社の主張に対しては次のような反論がありえます。
保険会社の主張③事故1週間後の通院開始で事故による怪我ではない
「事故当日ではなく1週間後の通院開始なので、事故による怪我ではない」と保険会社が主張することがあります。
しかし、保険会社の主張に対しては次のような反論がありえます。
保険会社の主張④事故当初にはない症状が後日発生するのはおかしい
「事故当初に医師に申告していない症状が後日発生するのはおかしい」と保険会社が主張することがあります。
しかし、保険会社の主張に対しては次のような反論がありえます。
通院開始日や症状申告日が遅いという保険会社の主張に対して、被害者は適切に反論しましょう。
失敗する前にお読みいただきたいQ&A
まとめ:事故後数日して痛みが出た場合
事故による痛みの症状を感じたときはすぐ病院に通院しましょう。通院開始日が遅いほど保険会社は治療費を支払わない確率が上がります。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)