高次脳機能障害の就労支援機関
監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎
- Q高次脳機能障害の就労支援機関にはどのようなものがありますか?
- A次のような就労支援機関があります。
- ①ハローワーク
- ②独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
- ③障害者就業・生活支援センター
- ④障がい者雇用支援センター
現在の状況に応じて利用可能なサービスを検討しましょう。
―――― 目次 ――――
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
あわせて読みたい
ハローワーク
高次脳機能障害など障害のある人を対象とした障害者訓練も実施しています。
公的機関に相談したいとき、まずはハローワークに相談するのがよいでしょう。状況に応じてハローワークが適切な公的機関を紹介することもあります。
関連情報
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
日本全国に地域障害者職業センター があります。
高次脳機能障害の就労で困っているときは相談してみてもよいでしょう。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携の下、障害者の身近な地域において就業面及び生活面における一体的な支援を行っています。全国にセンターがあり、個々のセンターは民間の法人が運営しています。
高次脳機能障害の就労で困っているときは相談してみてもよいでしょう。
障がい者雇用支援センター
障がい者雇用支援センターは次のような事業を行っています。
- ①障がい者雇用における情報収集・整理・分析・発信
- ②障がい者雇用に関する相談会、講演会(シンポジウム)及び研究会の開催
- ③障がい者雇用に関する仕組みの企画、立案及び運営
- ④障がい者雇用に関する諸問題についての研修、相談、助言
- ⑤障がい者雇用に関する専門家の育成
- ⑥障がい者雇用に関するインターネットによる情報提供システムの企画、立案及び制作
- ⑦障がい者雇用に関する出版物の企画、発行及び販売
障がい者雇用支援センターは、一般社団法人日本職業教育振興会が主催しています。
病院やリハビリ施設の紹介からスタート
どの機関に最初に相談するかは被害者の怪我や資産収入の状況によります。まずは病院やリハビリ施設に相談してみましょう。悩んだ場合にはまずは地域のハローワークに相談してみましょう。
就労と損害賠償の関係
就労すると保険会社から受け取る損害賠償金は減るでしょうか?
示談前後で結論は異なります。示談後の就労のときは減りません。示談前の終了のときは減ることがあります。
示談後の就労開始のとき
一度示談をした場合、示談金額で損害額は確定します。そのため、示談後に就労を開始したとしても、保険会社が保険金の返金を求めることは通常ありません。
示談前の就労開始のとき
示談前に就労を開始したとき、就労の事実が損害賠償額に影響を与えることがあります。たとえば次のような影響です。
ただし、損害賠償額の問題よりも今後の仕事の問題の方が重要であることが多いです。個別の状況によりますが、仕事が可能であれば仕事を開始するのが望ましいことが多いでしょう。
等級 | 認定基準 |
---|---|
1級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
2級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
3級3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
5級2号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
7級4号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
まとめ:高次脳機能障害の就労支援機関
高次脳機能障害の就労支援機関には次のような機関があります。
- ①ハローワーク
- ②独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
- ③障害者就業・生活支援センター
- ④障がい者雇用支援センター
どの機関に最初に相談するかは被害者の怪我や資産収入の状況によります。まずは病院やリハビリ施設に相談をしてみましょう。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)