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脳の壊れやすさ

脳の壊れやすさ

最終更新日:2023年7月3日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q高次脳機能障害になりました。脳は壊れやすいですか?
A神経の集合体である脳は、頭蓋骨や硬膜、クモ膜、軟膜で保護されています。しかし、交通事故の衝撃が強いときは、高次脳機能障害となることがあります。
脳は壊れやすい

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

脳の構造とは

脳は非常にもろく壊れやすいです。もっとも、脳は人間の活動の根幹にかかわる器官です。簡単に壊れては大変です。そのため、壊れやすいデリケートな脳を保護する何重もの仕掛けがあります。

まず、一番外側は骨で保護します。
頭を触って、頭皮の向こう側に感じる硬いものが頭蓋骨です。

頭蓋骨の下には髄膜(ずいまく)があります。
髄膜は3つの層でできています。硬膜、クモ膜、軟膜です。

頭蓋骨のすぐ下には、第1の層である硬膜(こうまく)があります。
硬膜はその名の通り硬い組織です。頭蓋骨とくっついています。

硬膜の下には第2の層であるクモ膜があります。クモ膜下腔(くもまくかくう)をはさんで第3の層である軟膜(なんまく)と接しています。軟膜は脳の表面と密着しています。脳の組織の一部は軟膜に入り込んで一体化しています。

クモ膜下腔は脳脊髄液という液体で満たされています。脳と軟膜は、クモ膜下腔の脳脊髄液により、ゆらゆらと揺れ動いている状態です。

脳脊髄液は、クモ膜・硬膜・頭蓋骨に守られています。脳脊髄液が漏れ出すことはありません。頑丈な入れ物に入っている液体の中に満たされている個体は、入れ物が衝撃を受けても、液体のなかでゆらゆら動きます。ゆらゆら動くことで個体は衝撃を回避します。

脳の組織は、3層の髄膜により物理的な衝撃から脳の組織を守っているのです。

脳脊髄液とは

脳を衝撃から守るクッション材の役割をもつ脳脊髄液は、絶えず生産され、リフレッシュされています。

脳のクモ膜下腔には、約110ミリリットルの脳脊髄液があります。脳脊髄液は1日に約500ミリリットル作られます。生産されたばかりの新鮮な脳脊髄液は脳を守っています。

脳脊髄液は、脳室(のうしつ)と呼ばれる脳と脳の間のすき間で作っています。
各部を循環した脳脊髄液は、最終的に静脈に吸収され、新しい脳脊髄液が間隙を満たします。

脳損傷の理由

厳重な保護があるにもかかわらず、頭を何かにぶつけた結果、内部の組織が壊れて高次脳機能障害となることがあります。

外傷は見受けられないのに、内部で脳損傷が起きていたため、怪我の発見が遅れるということもあります。

交通事故は、通常では考えられないような角度から強い力で衝撃が加わります。そのため、脳を保護する組織の強さの限界を超えてしまうことがあります。

物理的な衝撃によって脳と脳の間のすき間である脳室の形が変化した結果、さまざまな症状を引き起こすこともあります。

まとめ:脳の壊れやすさ

神経の集合体である脳は、頭蓋骨や硬膜、クモ膜、軟膜で保護されています。しかし、交通事故の衝撃が強いときは、高次脳機能障害となることがあります。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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