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高次脳機能障害の言語障害

高次脳機能障害の言語障害

最終更新日:2023年6月27日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q高次脳機能障害の言語障害とは何ですか?
A言語障害とは、言語の適切な理解と表現が困難な状態です。音声機能と言語機能の障害があります。

音声機能の障害とは、音声や発音、話し方の障害です。言語機能の障害とは、言葉の理解や表現の障害です。

頭部外傷で損傷した部位により、異なる言語障害が発生します。

高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。

言語障害とは

言語障害とは、言語の適切な理解と表現が困難な状態です。音声機能と言語機能の障害があります。

音声機能の障害とは、音声や発音、話し方の障害です。言語機能の障害とは、言葉の理解や表現の障害です。

脳の損傷部位と障害内容

言語に関する脳の領域は次のような領域があります。各領域が損傷すると各領域の言語障害が発生することがあります。

  • ブローカ野(や)
  • ウェルニッケ野(や)
  • 聴覚野(ちょうかくや)
  • 角回(かくかい)
  • 一次視覚野(いちじしかくや)

ブローカ野

ブローカ野は言葉をはっきり発音する機能と関係があります。
ブローカ―野を損傷すると、発話が困難になるブローカ野失語症になることがあります。次のような症状が発生します。

  • 片言の程度しか話せなない
  • 適切な言葉を見つけられない
  • 目の前の物の名前を質問されるが、よく知っているものでも名称をうまく言えない

ウェルニッケ野

ウェルニッケ野は、他人の言語を理解する働きをします。

ウェルニッケ野を損傷すると、ウェルニッケ失語症になることがあります。次のような症状が発生します。

  • よどみなく話すことができるが、内容に乏しかったり、相手の会話とかみ合わず、ちぐはぐな会話しか話せない
  • 意味のないことを話し続ける

聴覚野

聴覚野は音を聞き取る働きをします。音声に関する情報は、内耳を通して聴覚野に届き、周波数の解析などが行われます。

聴覚野を損傷すると、音を聞き取ることができなくなることがあります。

角回

角回は文字情報の意味を処理する働きをします。

角回を損傷すると次のような症状が発生することがあります。

  • 計算ができなくなる
  • 字が書けなくなる
  • 親指か小指かの区別ができなくなる
  • どちらが右か左かわからなくなる

一次視覚野

一次視覚野は、静止したり運動する対象に関する情報を処理する働きをします。一次視覚野に文字情報が届き、視覚刺激を解析します。

一次視覚野を損傷すると物が見えなくなることがあります。

まとめ:高次脳機能障害の言語障害

言語障害とは、言語の適切な理解と表現が困難な状態です。音声機能と言語機能の障害があります。

音声機能の障害とは、音声や発音、話し方の障害です。言語機能の障害とは、言葉の理解や表現の障害です。

頭部外傷で損傷した部位により、異なる言語障害が発生します。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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