高次脳機能障害の注意障害のリハビリ
監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎
- Q高次脳機能障害の注意障害のリハビリはどのようにしますか?
- A注意障害とは注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、1つのことに集中できなくなる障害です。
注意障害のリハビリは間違いさがしやパズル、トランプなどのゲーム、電卓を使った計算などがあります。難しいリハビリは、電話帳を調べる、郵便番号を調べる、交通路線を調べるなどもあります。簡単なリハビリから複雑なリハビリへと進めます。
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高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
関連情報
注意障害とは
注意障害とは注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、1つのことに集中できなくなる障害です。次のような症状があります。
- ぼんやりしている
- 集中力がない
- 落ち着きがない
- 指示が頭に入らない
- 作業がすぐに中断する
- 何かをするとミスばかりする
- 2つのことを同時にしようとするとできない
- 自分が置かれている状況を判断しないで行動するので、周囲に驚かれたり迷惑がかかる
- 他の人に興味を持ってつきまとう
- 横になったまま動かないなど、活動性が低下してぼうっとしている時間が長い
注意障害の検査は標準注意検査法 (CAT)やトレイルメーキング検査 (TMT)で行います。
注意障害のリハビリの内容
注意障害の患者に行うリハビリは、間違いさがしやパズル、トランプなどのゲーム、電卓を使った計算などがあります。
高度な認知を伴う作業としては、電話帳を調べる、郵便番号を調べる、交通路線を調べるなどの訓練もあります。
意識障害が回復したらリハビリを開始
高次脳機能障害のリハビリは、可能な限り早期に始めるのが望ましいです。しかし、高次脳機能障害になった直後は、意識障害を起こしていることが多いです。
そのため、意識障害があり注意障害も疑われるときは、意識障害の回復を待ちます。意識障害が回復してから、注意障害のリハビリを検討します。
徐々に難しいリハビリに移行
訓練の初期は個室でリハビリを行います。最初はあまり強い刺激を与えない方がよいです。そのため、特定の担当スタッフが行い、短期間で無理なくこなせる簡単な課題を中心に行います。
与えられた課題をクリアできると、より大きな負荷のリハビリを導入します。特定のスタッフではなく複数のスタッフによるリハビリをしたり、グループによるリハビリをしたりします。
①リハビリの時間ごとに違う担当者がくる、②複数の人と一緒にリハビリをするという環境はより多くの負荷を与えます。しかし、注意が維持できれば、注意障害が改善していることを意味します。
まとめ:高次脳機能障害の注意障害のリハビリ
注意障害とは注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、1つのことに集中できなくなる障害です。
注意障害のリハビリは間違いさがしやパズル、トランプなどのゲーム、電卓を使った計算などがあります。難しいリハビリは、電話帳を調べる、郵便番号を調べる、交通路線を調べるなどもあります。簡単なリハビリから複雑なリハビリへと進めます。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)