高次脳機能障害の医学的リハビリテーション
最終更新日:2025年01月23日
- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
- Q高次脳機能障害の医学的リハビリテーションとは何ですか?
- 医学的リハビリテーションとは主として病院で行うリハビリです。注意障害、記憶障害、遂行機能障害、コミュニケーション障害、病識欠落、社会的行動障害、身体機能障害などの個々の障害に対して行います。
1. 高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
2. 高次脳機能障害の訓練プログラム
高次脳機能障害の訓練プログラムは、①医学的リハビリテーションプログラム②生活訓練プログラム③職能訓練プログラムの3つがあります。
医学的リハビリテーションプログラム
医学的リハビリテーションプログラムは主として病院で行うリハビリです。
注意障害、記憶障害、遂行機能障害、コミュニケーション障害、病識欠落、社会的行動障害、身体機能障害などの個々の障害に対して行います。
生活訓練プログラム
生活訓練プログラムとは、日常生活能力や社会活動能力を高め、日々の生活の安定や積極的な社会参加を目的とする訓練です。
職能訓練プログラム
職能訓練プログラムとは、職業に就くために必要な訓練です。
3. 医学的リハビリテーションの内容
医学的リハビリテーションは、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、コミュニケーション障害、病識欠落、社会的行動障害、身体機能障害などの個々の障害に対して行います。
注意障害のリハビリ
注意障害とは、注意散漫で他の刺激に気が移りやすく、1つのことに集中できなくなる障害です。
注意障害のリハビリは、次のような内容を行います。
- 比較的簡単な公文式教材の利用
- パズル
- かるた
- 電卓計算
- 辞書調べ
- 郵便番号調べ
- 電話帳調べ
- 交通路線調べ
- 校正作業
- 集計作業
- パソコン
記憶障害のリハビリ
様々な記憶の方法を試してみます。本人にあった記憶の方法を探します。
遂行機能障害のリハビリ
遂行機能障害とは、目標の設定、プロセスを計画、効果的に行動などができなくなる障害です。
遂行機能障害のリハビリは、次のような内容を行います。
- 遂行に必要な行為や動作を練習します。
- 解決法や計画の立て方を一緒に考えます。
- マニュアルを利用して手順通りに自分で作業を遂行します。
- 行動をパターン化します。
コミュニケーション障害のリハビリ
次のような内容を行います。
- グループでの訓練
- 自己紹介や近況説明
- ニュース紹介
病識欠落のリハビリ
病識欠如とは自分が病気だという認識がない状態です。
病識欠如には次のようなリハビリを行います。
- 本人のプライドに配慮しながら、不適切な行動や間違いを指摘修正します。
- 病識が出てきたときは、自信をなくさないよう配慮します。
- テスト結果を自分で採点してもらいます。
- テスト結果を本人に示します。
- グループ活動の中で、他人の失敗をみて自らの障害を理解してもらいます。
社会的行動障害のリハビリ
社会的行動障害とは行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールできない障害です。
社会的行動障害のリハビリは、何が問題になっていて、どのように対応するかを一緒に考えます。ほめたり励ましたりすると効果的です。
身体的機能障害のリハビリ
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士による訓練を行います。
4. まとめ:高次脳機能障害の医学的リハビリテーション
高次脳機能障害の医学的リハビリテーションとは、主として病院で行うリハビリです。注意障害、記憶障害、遂行機能障害、コミュニケーション障害、病識欠落、社会的行動障害、身体機能障害などの個々の障害に対して行います。
- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎