高次脳機能障害と感じたときのチェック方法
最終更新日:2025年01月23日
- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
- Q交通事故の被害にあいました。高次脳機能障害かもしれません。どのようにチェックすればよいですか?
- 高次脳機能障害と感じたときは、CTやMRI画像の検査や神経心理学的検査を行いましょう。症状を否定するのが高次脳機能障害の特徴です。自分で障害のチェックも行いましょう。
1. 高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは脳損傷による認知障害全般です。様々な認知障害だけではなく、行動障害や人格変化を伴うことが多いです。症状には記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。
2. CTやMRI検査を依頼
何か調子がおかしいと感じたときは、まずは病院で脳のCTやMRI検査を受けましょう。異常があるときは高次脳機能障害の可能性が高いです。
3. 神経心理学的検査を依頼
神経心理学的検査とは知能・記憶・言語などの機能障害を数値化して評価するための検査です。
知能検査、記憶検査、言語検査、注意力検査、前頭葉検査、遂行機能検査などがあります。
神経心理学的検査を病院で行った結果、異常があるときは高次脳機能障害の可能性が高いです。
4. 症状を否定するのが高次脳機能障害の特徴
症状を否定するのが高次脳機能障害の特徴です。
とても重要なことですのでもう一度言います。
症状を否定するのが高次脳機能障害の特徴です。
医師や家族に病気だと言われているのに、あなただけが病気ではないと思っていませんか?
医師や家族の意見が正しいことがほとんどです。特に、画像所見や神経心理学的検査の異常がある場合、医師や家族の意見が正しいです。
5. 自分でチェック
では、高次脳機能障害かどうか自分でチェックしてみましょう。
失語症
なめらかに話せない、何を話しているかわからないなどの症状が現れます。
次のような症状はありませんか?
- とっさに言葉が出てこない。
- よく言い間違えをする。
- 「信号で止まってね」と言われても意味が理解できずに赤信号を渡ってしまう。
失認症
見たり聞いたり触ったりした物の名前を言ったり、物の意味を思い出すことができなくなったりという症状が現れます。
次のような症状はありませんか?
- ハサミを見ても、それが何なのか分からない。
- 手足の一部が自分のものではないように思う。
- お皿の片側半分しか食べない。
- 化粧の仕方が左右で異なる。
失行症
手や指の感覚や動作、記憶にも問題はないのに、日常の簡単な動作ができなくなったりという症状が現れます。
次のような症状はありませんか?
- 今まで使えていた仕事道具を使うことができなくなった。
- お箸の使い方が分からない。
- ハサミの使い方を説明できない。
記憶障害
記憶ができなくなる症状が現れます。
次のような症状はありませんか?
- 物の置き場所を忘れる。
- 新しい出来事を覚えていられない。
- 何度も同じことを繰り返し質問する。
社会的行動障害
感情のコントロールができなくなる症状などが現れます。
次のような症状はありませんか?
- 場違いの発言やふるまいをするようになった。
- すぐ他人を頼るようになった。
- 子供っぽくなった。すぐ怒ったり笑ったりするようになった。
- 無制限に食べたり、お金を使ったりするようになった。
- 感情を爆発させるようになった。乱暴になった。
- 相手の立場や気持ちを思いやることができず、よい人間関係が作れないようになった。
- 1つのことにこだわって他のことができないようになった。
- 気分が落ち込んで何にも意欲が湧かなくなった。
遂行機能障害
物事を行うには、判断力と思考力が必要です。しかし、目標を立てる、計画を立てる、計画に従って行動することなどができないなどの症状が現れます。
次のような症状はありませんか?
- 何かにとりかかるときに、結果の予測を立てずに、手当たり次第に進めてしまう。
- 具体的な段取りや締め切り設定できない。
- 計画を立ててもいざ始めると気が向いた順で作業を行ってしまう。
6. まとめ:高次脳機能障害と感じたときのチェック方法
高次脳機能障害と感じたときは、CTやMRI画像の検査や神経心理学的検査を行いましょう。症状を否定するのが高次脳機能障害の特徴です。自分で障害のチェックも行いましょう。
- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎