後遺障害の事前認定ができない場合

最終更新日:2025年01月23日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也
Q後遺障害の事前認定ができない場合はどのようなときですか?

後遺障害の事前認定とは、加害者の任意保険会社経由で後遺障害の認定手続きを行う方法です。

①加害者が任意保険に加入していないときや、②加害者の任意保険会社が事前認定の手続きを事実上拒否したときなどは事前認定ができません。

1. 後遺障害とは

事故による治療を一定期間続けて、状況が一進一退になると事故による治療は終了します。

事故による怪我が残っていても、必ず後遺障害となるわけではありません。正式な後遺障害認定を受けた場合だけが「後遺障害」です。

2. 後遺障害の事前認定とは

後遺障害の事前認定とは、加害者の任意保険会社経由で後遺障害の認定手続きを行う方法です。

後遺障害の申請手続きには事前認定被害者請求があります。

事前認定と被害者請求のメリットとデメリットは次の通りです。

スクロールできます
事前認定 被害者請求
書類の準備 主に加害者の任意保険会社 被害者
メリット 手続が簡単で負担が少ない
  • 資料を取捨選択できる
  • 有利になることもある
デメリット
  • 資料を取捨選択できない
  • 不利になることもある
手続が複雑で負担が大きい

3. 後遺障害の事前認定ができないとき

では、後遺障害の事前認定ができないのはどのようなときでしょうか?

次のようなときは事前認定はできません。

  1. 加害者が任意保険に加入していないとき
  2. 加害者の任意保険会社が事前認定の手続きを事実上拒否したとき

① 加害者が任意保険に加入していないとき

事前認定は加害者の任意保険会社が行う手続きです。そのため、加害者が任意保険に加入していないとき、事前認定の手続きは行えません。

② 加害者の任意保険会社が事前認定の手続きを事実上拒否したとき

加害者の任意保険会社が事前認定の手続きを事実上拒否するときがあります。たとえば、弁護士が代理したとき、労災保険人身傷害保険などを利用して治療をしていたときなどです。

4. 事前認定ができないときの対応

では、事前認定ができないときは、どのように対応すればよいでしょうか?

事前認定ができないときは被害者請求を行います。必要な書類は自賠責保険会社から取り寄せできます。次のような書類が必要です。

  1. 自動車損害賠償責任保険の支払請求書兼支払指図書
  2. 交通事故証明書
  3. 事故発生状況報告書
  4. 診断書
  5. 診療報酬明細書
  6. 通院交通費明細書
  7. 休業損害証明書
  8. 後遺障害診断書

5. まとめ:後遺障害の事前認定ができない場合

後遺障害の事前認定とは、加害者の任意保険会社経由で後遺障害の認定手続きを行う方法です。

① 加害者が任意保険に加入していないときや、② 加害者の任意保険会社が事前認定の手続きを事実上拒否したときなどは事前認定ができません。

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也

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