労災指定病院以外での労災の使用
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也
- Q労災指定病院以外でも労災保険は使えますか?
- A使えます。労災指定病院とは、指定を希望する病院や診療所などの医療機関からの申請により、都道府県労働局長が指定した医療機関です。
労災指定病院以外でも労災による治療は可能です。ただし、労災指定病院は手続きが簡単です。
―――― 目次 ――――
労災とは
労災とは、労働者が業務中や通勤中に事故が発生し、けがや病気が生じる事故です。
労災事故は労災保険が使えます。
関連情報
労災指定病院とは
労災指定病院とは、指定を希望する病院や診療所などの医療機関からの申請により都道府県労働局長が指定した医療機関です。労災保険指定医療機関ともいいます。
労働者が仕事や通勤が原因で負傷したり病気になったりした場合、原則として労災指定病院で無償での治療が可能です。
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治療費の支払方法の違い
労災指定病院と労災指定病院以外では、治療費の支払方法が違います。
労災指定病院の治療費の流れ
労災指定病院で治療を受ける場合、労災保険が労災指定病院へ直接治療費を支払います。
被災者は病院の窓口で治療費を自己負担する必要がありません。この場合の労災保険からの支給金を「療養の給付」といいます。
労災指定病院以外の治療費の流れ
労災指定病院以外の病院で治療を受ける場合、労災保険は病院に直接治療費を支払いません。
被災者が窓口でいったん治療費を立て替え払いします。その後、労働基準監督署に被災者が費用を請求します。この場合の労災保険からの支給金を「療養の費用」といいます。
提出書類の違い
労災指定病院と労災指定病院以外では、提出書類が違います。
労災指定病院の提出書類
労災指定病院を利用する「療養の給付」の場合、次の書類を労災指定病院に提出します。
- 療養補償給付たる療養の給付請求書・業務災害用(様式第5号)(業務災害の場合)
- 療養給付たる療養の給付請求書・通勤災害用(様式第16号の3)(通勤災害の場合)
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労災指定病院以外の提出書類
労災指定病院以外の病院を利用する「療養の費用」の場合、次の書類を労働基準監督署に提出します。立て替えした病院の領収書も提出します。
- 療養補償給付たる療養の費用請求書・業務災害用(様式第7号)(業務災害の場合)
- 療養給付たる療養の費用請求書・通勤災害用(様式第16号の5)(通勤災害の場合)
まとめ:労災指定病院以外での労災の使用
労災指定病院とは、指定を希望する病院や診療所などの医療機関からの申請により都道府県労働局長が指定した医療機関です。
労災指定病院以外でも労災による治療は可能です。ただし、労災指定病院は手続きが簡単です。
(監修者 弁護士 松本 達也)