車両保管料
最終更新日:2023年7月31日
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
- Q事故車両の保管料を請求できますか?
- A事故車両の保管料とは、事故を起こした車を修理業者に預けていた期間の保管費用です。
保管費用は有料と無料のいずれもあります。有料の場合、1日1,000~3,000円が多いです。必要かつ相当な範囲で加害者に請求できます。
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事故車両の保管料とは
事故車両の保管料とは、事故を起こした車を修理業者に預けていた期間の保管費用です。
保管費用は有料と無料のいずれもあります。有料の場合、1日1,000~3,000円が多いです。
事故車両の保管料を請求できるとき
では、事故車両の保管料は請求できるでしょうか?
事故車両の保管料を請求することは可能です。ただし、必要かつ相当な範囲に限られます。全ての車両保管費用が請求できるわけではありません。
事故車両の保管料請求の具体例
では、事故車両の保管料請求の具体例をみてみましょう。
半月分の保管費用17,500円が賠償対象となった事例
- 修理代よりも時価が低い車両の事故
- 廃車にするかどうか否かを考慮するのに必要な期間は半月が相当
- 半月分の保管費用は17,500円
(大阪地方裁判所平成10年2月20日判決)
70日間合計186,375円が賠償対象となった事例
- 保険会社から修理費用の調査結果が出たのが事故から53日後
- 70日間の保管料を認めるのが相当
- 70日間の保管料は186,375円
(神戸地方裁判所平成30年4月19日判決)
3カ月分の車両保管費用179,200円が賠償対象となった事例
- 修理代よりも時価が低い車両の事故
- 長期間保険会社が交渉を放置
- 修理または廃車の買替の判断のために必要な期間は3カ月
- 3カ月間の車両保管費用は179,200円
(東京地方裁判所平成13年5月29日判決)
102日間の車両保管費用306,000円が賠償対象となった事例
- 初度登録から20年以上経過したポルシェ・カレラ4S
- 修理代よりも時価が低い車両の事故
- 部品の手配や見積作成に相応の時間
- 高級車両でありセキュリティの確保された場所での保管が必要
- 修理費用の見積書作成まで3カ月弱
- 見積書作成から修理の有無を決めるまで2週間
- 合計102日間の保管料は306,000円
(名古屋地方裁判所令和3年6月2日判決)
17カ月分合計119,000円が賠償対象となった事例
- 大型の自動二輪車
- 設備や技術のない自宅での保管は困難
- 17カ月の保管料は119,000円
(広島地方裁判所平成11年2月25日判決)
まとめ:車両保管料
事故車両の保管料とは、事故を起こした車を修理業者に預けていた期間の保管費用です。
保管費用は有料と無料のいずれもあります。有料の場合、1日1,000~3,000円が多いです。必要かつ相当な範囲で加害者に請求できます。
(監修者 弁護士 粟津 正博)