会社に黙って車通勤中の事故

Q会社に黙って車通勤中に事故にあいました。労災は使えますか？

A会社に黙って車通勤中でも労災保険は使えます。ただし、車の利用が合理的な経路及び方法でないとき、労災保険は使えません。

労災とは

労災とは、労働者が業務中や通勤中に事故が発生し、けがや病気が生じる事故です。
労災事故は労災保険が使えます。

交通事故でも労災を使える

交通事故でも労災保険は使えます。「交通事故は労災が使えない」と職場などが勘違いしていることがあります。注意しましょう。

会社に黙って車通勤中でも労災は使える

では、会社に黙って車通勤中でも労災は使えるでしょうか？

使える可能性が高いです。通勤中の災害であれば労災保険の利用は可能です。そのため、会社に黙って車通勤中でも労災は使えます。車での通勤を会社が禁止していても労災が使える確率は高いでしょう。

労災認定とならない可能性が高いとき

では、会社に黙って車通勤中の事故で労災が使えないのはどのような場合でしょうか？

通勤災害といえないとき、労災は使えません。合理的な経路及び方法の通勤でないときは、通勤災害になりません。たとえば次のようなときです。

• 通勤中に著しい寄り道をして経路を大きく外れたとき
• 途中で家族と待ち合わせて遊びに行ったとき
• 自宅と会社が徒歩圏内のとき
• 会社と自宅の間の道幅が狭いなど、車では通いにくいとき

会社に黙って車通勤のリスク

では、会社に黙って車通勤をしていた場合、どのようなリスクがあるのでしょうか？

懲戒処分や交通費返還請求のリスクがあります。会社での自らの立場が悪くなる可能性もあります。

懲戒処分の可能性

車の通勤が許可制の会社は多いです。にもかかわらず、会社に黙って車通勤をする場合、会社の規定に違反します。

会社の規定に違反している場合、懲戒処分を受ける可能性があります。

交通費返還請求の可能性

電車やバスでの交通費を会社から受領しつつ車で通勤する場合、交通費を不正に受給していることになりかねません。そのため、会社が交通費の返還を求める可能性があります。

まとめ：会社に黙って車通勤のリスク

会社に黙って車通勤をすると、懲戒処分や交通費返還請求の可能性があります。また、職場での立場が悪くなる可能性もあります。会社に黙っての車通勤は止めましょう。

労災保険以外の保険を使う方法

会社に無断での車通勤の場合、労災保険以外の方法で治療費などを準備する方法もあります。
加害者の任意保険を利用したり、人身傷害保険を利用したりすることも選択肢の1つです。

まとめ：会社に黙って車通勤中の事故

会社に黙って車通勤中でも労災保険は使えます。ただし、車の利用が合理的な経路及び方法でないとき、労災保険は使えません。

（監修者　弁護士　松本 達也）