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無償同乗

無償同乗

最終更新日:2023年7月31日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也

Q無償同乗とは何ですか?
A無償同乗とは、無償で他人を自動車に同乗させることです。

①危険な運転状態を容認していたときや②危険な運転を助長や誘発したときは、無償同乗を理由に損害額が減額となることがあります。

無償同乗

無償同乗とは

無償同乗とは、無償で他人を自動車に同乗させることです。 好意同乗ともいいます。無償同乗で交通事故が発生したとき、同乗者の賠償額が減額となることがあります。

たとえば、友人の車に乗せてもらったとします。友人が運転を誤り事故となり、同乗者が怪我をしました。同乗者は友人に損害賠償を請求できます。

損害賠償請求のときに、無償で乗っていたことを考慮して賠償額が減額となるかという問題が無償同乗の問題です。

無償同乗を理由とした減額は原則しない

では、無償同乗だと損害額が減額となるのでしょうか?

無償同乗を理由とした減額は原則としてありません。同乗していたことだけでは減額する根拠が弱いためです。

無償同乗で損害額が減額となる場合

では、無償同乗で損害額が減額となるのはどのようなときでしょうか?

次のようなときは損害額が減額となることがあります。
①危険な運転状態を容認していたとき
②危険な運転を助長、誘発したとき

たとえば、次のような場合は損害額が減額となる可能性があります。

  • 運転者の無免許運転を認識していた
  • 運転者の飲酒運転を認識していた
  • 運転者の暴走行為を容認していた
  • サイドブレーキと急ハンドルによる危険なサイドターンでの事故であった
  • 車の運転が未熟であることが明らかである運転者の車両に同乗した
  • パトカーから逃走中の危険な運転中の事故であった
  • 助手席の窓枠に腰を掛けて身を乗り出す危険な箱乗りでの事故であった

ただし、個別事案により減額の有無は異なります。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

無償同乗による減額の方法

では、無償同乗で損害額が減額となる場合、減額の方法はどのようになるでしょうか?

減額の方法は次の2つの方法があります。
①損害額全額の○%を減額する方法
②慰謝料を減額する方法

①損害額全額の○%を減額する方法のとき、次のように計算します。

  • 損害額合計が1,000万円
  • 無償同乗による減額は20%
  • 最終的な受領額は800万円
【計算式】1,000万円×80%=800万

②慰謝料を減額する方法のとき、次のように計算します。

  • 損害額合計が1,000万円(内訳は慰謝料400万円、慰謝料以外600万円)
  • 無償同乗により慰謝料を20%減額
  • 最終的な受領額は920万円
【計算式】600万円+400万円×80%=920万円

どちらになるかは個別の事案により異なります。また減額のパーセントも個別の事案により異なります。無償同乗による減額が問題となっているときは、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

まとめ:無償同乗

無償同乗とは、無償で他人を自動車に同乗させることです。

①危険な運転状態を容認していたときや②危険な運転を助長や誘発したときは、無償同乗を理由に損害額が減額となることがあります。

(監修者 弁護士 松本 達也

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