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傷跡の後遺障害の逸失利益と後遺障害慰謝料

傷跡の後遺障害の逸失利益と後遺障害慰謝料

最終更新日:2023年8月22日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q傷跡の後遺障害です。逸失利益と後遺障害慰謝料はどうなりますか?
A傷跡の後遺障害とは、頭や顔、首や腕、足など日常の生活で目に見える部分へ一定程度以上の傷跡が残ってしまった後遺障害です。

傷跡の後遺障害の場合、逸失利益がゼロとなることもあります。逸失利益がゼロになるような場合、代わりに慰謝料を裁判基準より増額することがあります。

傷跡の後遺障害とは

傷跡の後遺障害 とは、頭や顔、首や腕、足など日常の生活で目に見える部分へ一定程度以上の傷跡が残ってしまった後遺障害です。醜状障害(しゅうじょうしょうがい)ともいいます。

傷跡の後遺障害認定基準は次の通りです。

傷跡の後遺障害

外貌
7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの
9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの
12級14号 外貌に醜状を残すもの
上肢・下肢
14級4号 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
14級5号 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
その他
12級相当 胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の2分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの
14級相当 胸部及び腹部、又は背部及び臀部の全面積の4分の1程度以上の範囲に瘢痕を残すもの

外貌とは、頭部や顔面部、頸部のような、上肢・下肢以外の日常露出する部分です。上肢の露出面とは肩関節以下から指先までです。下肢の露出面とは股関節以下から足先までです。

傷跡の後遺障害の逸失利益

では、傷跡の後遺障害の逸失利益はどうなるでしょうか?

逸失利益とは、事故によって今後減少するであろう収入のことです。後遺障害になると、通常は逸失利益が発生します。

しかし、傷跡は収入に影響しないことも多いです。傷跡が収入に影響しない場合、傷跡の後遺障害は逸失利益がゼロとなることもあります。

ただし、次のようなときは傷跡の後遺障害でも逸失利益が賠償の対象となることがあります。

  • モデルなど外見が重要なとき
  • 営業職などで傷跡が仕事に大きな影響を与えるとき
  • その他、傷跡が仕事に影響を与えるとき

傷跡の後遺障害の逸失利益は専門的な判断が必要です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

傷跡の後遺障害の慰謝料

では、傷跡の後遺障害の慰謝料はどうなるでしょうか?

後遺障害慰謝料とは、後遺障害の認定に伴う慰謝料です。後遺障害の等級ごとに金額がある程度決まっています。

たとえば、裁判基準だと後遺障害慰謝料は次の通りです。

後遺障害等級 慰謝料
7級12号 1000万円
9級16号 690万円
12級14号 290万円
14級4号 110万円
14級5号 110万円
14級5号 110万円
14級相当 110万円

しかし、傷跡の後遺障害の場合、逸失利益がゼロになることもあります。逸失利益がゼロになるような場合、後遺障害の認定に伴う賠償額は少ないです。そのようなとき、代わりに慰謝料を裁判基準より増額することがあります。

傷跡の後遺障害の慰謝料は専門的な判断が必要です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

まとめ:傷跡の後遺障害の逸失利益と後遺障害慰謝料

傷跡の後遺障害とは、頭や顔、首や腕、足など日常の生活で目に見える部分へ一定程度以上の傷跡が残ってしまった後遺障害です。

傷跡の後遺障害の場合、逸失利益がゼロとなることもあります。逸失利益がゼロになるような場合、代わりに慰謝料を裁判基準より増額することがあります。

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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