交通事故の加害者の責任
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
- Q交通事故の加害者の責任はどうなりますか?
- A刑事上、行政上、民事上の責任があります。
交通事故の加害者の3つの責任
交通事故の加害者は3つの責任を負います。刑事上の責任、行政上の責任、民事上の責任です。
刑事上の責任とは、懲役刑で刑務所へ行くことや罰金を支払うこと等です。
行政上の責任とは、免許停止や免許取消です。今後の欠格期間があることもあります。欠格期間とは、運転免許の取消処分を受けた者が、運転免許を再度取得することができない期間です。
民事上の責任とは損害賠償義務です。
加害者の刑事上の責任
では、加害者の刑事上の責任はどのようなものでしょうか?
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金となります。(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)
その他、次のような犯罪等の可能性があります。
- 危険運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条、第3条)
- 救護義務違反及び報告義務違反の罪(道路交通法第117条)
- 過失建造物損壊罪(道路交通法第116条)
加害者の行政上の責任
では、加害者の行政上の責任はどのようなものでしょうか?
加害者は免許停止や免許取消の処分となる可能性があります。
交通事故の免許には点数制度があります。点数制度とは、自動車等の運転者の交通違反や交通事故に一定の点数を付けて、その過去3年間の累積点数等に応じて免許の停止や取消等の処分を行う制度です。
事故状況や違反類型により、違反点数を加算します。違反点数が一定点数以上になる免許停止や免許取消となります。
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加害者の民事上の責任
では、加害者の民事上の責任はどのようなものでしょうか?
加害者は被害者に損害賠償をする必要があります。保険に加入している場合、保険会社が代わりに支払います。保険に加入していない場合、自らの負担で損害賠償をする必要があります。
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飲酒運転のときはより責任が重い
飲酒運転のときは、より加害者の責任が重くなります。刑事上の責任、行政上の責任はより重いものとなります。
飲酒運転でも民事上の責任は保険が使えることが多いです。ただし、飲酒運転だと一部保険が利用できないことがあります。
まとめ:交通事故の加害者の責任
交通事故の加害者の責任は刑事上、行政上、民事上の責任があります。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)