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死亡事故の相続人に対立がある場合

死亡事故の相続人に対立がある場合

最終更新日:2023年7月21日

監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎

Q父が交通事故で死亡し、相続人は子供3人です。3人の内部で意見対立があります。どうすればよいですか?
A相続人で意見が一致しないとき、次のような方法があります。
①保険会社との交渉は一致して行い、保険金受領後に分配額を協議する
②各相続人が単独で裁判を起こす
相続人

交通事故による死亡と相続

死亡事故の場合、故人の相続手続きを行います。

交通事故による損害賠償請求権も故人の財産です。そのため、故人の損害賠償請求権を家族が相続します。息子3人のときは、3人で損害賠償請求権を相続します。

具体的には、各相続人が3分の1の割合で損害賠償請求権を相続します。たとえば、死亡に伴う損害賠償の合計額が3,000万円だったとき、各相続人は1,000万円を相続します。

相続の手続き

相続手続きの基本は相続人間の話し合いです。相続人全員で協議がまとまれば、遺産分割協議書を作成します。

たとえば、故人の損害賠償請求権を1人の家族に相続させる遺産分割協議書を作成した場合、相続人が単独で保険会社と交渉や示談ができます。

相続人の意見が一致しないとき

では、相続人の意見が一致しないときはどうすればよいでしょうか?

相続人の意見が一致しないときは、示談交渉が進みにくいです。「代表者1人を決めてくれないと交渉が進められない」と保険会社が指摘する確率が高いです。

相続人の意見が一致しないときの解決方法

では、相続人の意見が一致しないとき、どのように解決すればよいでしょうか?

次のような解決方法があります。
①保険会社との交渉は一致して行い、保険金受領後に分配額を協議する
②各相続人が単独で請求する

①保険会社との交渉は一致して行い、保険金受領後に分配額を協議する

相続人の意見が一致しない理由は色々です。

保険会社との交渉方法の意見が一致しないときもあります。しかし、遺産や保険金の取り分をめぐる意見が一致しないときが圧倒的に多いです。

保険金が増えれば相続人全員にメリットがあります。交渉方法に意見の不一致がなければ、保険会社との交渉は一致団結して行いましょう。

②各相続人が単独で請求する

各相続人が単独で保険会社に請求する方法もあります。

たとえば、子供3人で3分の1の相続分の場合、3分の1の金額を請求する方法です。

ただし、保険会社は、相続人単独での請求には応じない確率が高いです。法律の理屈上はおかしい部分もありますが、保険会社が交渉を事実上拒否することが経験上多いです。そのため、各相続人が単独で保険会社から保険金を取得することは難しいです。

各相続人単独で請求する方法

自賠責保険の場合

自賠責保険会社は、相続人単独での請求には応じないことが経験上多いです。ただし、請求した相続人の取得分のみ先行して支払いがあることもあります。

任意保険の場合

任意保険会社は、相続人単独での請求には応じない確率が高いです。例外は裁判です。

3分の1の支払を求めて裁判を起こし、裁判の判決が出た場合、保険会社は3分の1の金額を支払います。裁判は1~2年かかることが多いです。
裁判の流れ

まとめ:死亡事故の相続人に対立がある場合

死亡事故の相続人で意見が一致しないとき、次のような方法があります。
①保険会社との交渉は一致して行い、保険金受領後に分配額を協議する
②各相続人が単独で請求する

(監修者 弁護士 大澤 一郎

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