頚椎捻挫の後遺障害申請で不利になりやすいポイント
監修者:よつば総合法律事務所
代表弁護士 大澤 一郎
- Q頚椎捻挫の後遺障害申請で不利になりやすいポイントは何ですか?
- A次のような点があると不利になりやすいです。
①後遺障害診断書の自覚症状欄が常時痛ではない
②後遺障害診断書の障害内容の憎悪・緩解の見通しの欄が改善や治癒見込
③事故から6カ月未満で症状固定
④診断書や施術証明書の最終月の記載が治癒
⑤事故月の診断書や施術証明書に症状がない
⑥事故後1週間以内に病院への通院を開始していない
⑦症状が一貫しない
⑧整形外科への通院回数が極端に少ない
⑨車両の損傷が軽微
―――― 目次 ――――
頚椎捻挫とは
頚椎捻挫とは骨折や脱臼のない頚部や脊柱の軟部組織の損傷です。むちうちともいいます。頚部挫傷、外傷性頚部症候群、外傷性神経根症などの診断名が付くこともあります。
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後遺障害とは
事故による治療を一定期間続けて、状況が一進一退になると事故による治療は終了します。
事故による怪我が残っていても、必ず後遺障害となるわけではありません。正式な後遺障害認定を受けた場合だけが「後遺障害」です。
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頚椎捻挫の後遺障害申請で不利になりやすいポイント
では、頚椎捻挫の後遺障害申請で不利になりやすいポイントはどのような点でしょうか?
次のような点があると不利になりやすいです。
- ①後遺障害診断書の自覚症状欄が常時痛ではない
- ②後遺障害診断書の障害内容の憎悪・緩解の見通しの欄が改善や治癒見込
- ③事故から6カ月未満で症状固定
- ④診断書 や施術証明書の最終月の記載が治癒
- ⑤事故月の診断書や施術証明書に症状がない
- ⑥事故後1週間以内に病院への通院を開始していない
- ⑦症状が一貫しない
- ⑧整形外科への通院回数が極端に少ない
- ⑨車両の損傷が軽微
①後遺障害診断書 の自覚症状欄が常時痛ではない
後遺障害の申請は、医師が作成する後遺障害診断書が必要です。
後遺障害診断書 には自覚症状を記載する欄があります。後遺障害の認定は常時痛が原則必要です。自覚症状の欄に「寒い時に違和感がある」「首を回すと痛い」などの条件付の表現があると、後遺障害認定されにくいです。
②後遺障害診断書の障害内容の憎悪・緩解の見通しの欄が改善や治癒見込
後遺障害は治らないのが原則です。そのため、障害内容の憎悪・緩解の見通しなどについての欄に、「治っている」「改善している」等の記載があると、後遺障害認定されにくいです。
③事故から6カ月未満で症状固定
頚椎捻挫での後遺障害認定は、事故から6カ月以上の通院期間が必要です。そのため、事故から6カ月未満で症状固定とすると、後遺障害認定は原則されません。
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④診断書や施術証明書の最終月の記載が治癒
診断書や施術証明書は、治癒、継続、転医、中止など、今後の見込みを記載する欄があります。
後遺障害は治っていないことが当然の前提です。そのため、診断書や施術証明書が治癒となっていると、後遺障害認定されにくいです。
⑤事故月の診断書や施術証明書に症状がない
事故月の診断書や施術証明書に症状がないと、大した症状がなかったと判断されやすいです。
そのため、事故月の診断書や施術証明書に症状がないと、後遺障害認定されにくいです。
⑥事故後1週間以内に病院への通院を開始していない
事故後1週間以内に病院への通院を開始していないと、大した怪我でないと判断されやすいです。
そのため、事故後1週間以内に病院への通院を開始していないと、後遺障害認定されにくいです。
⑦症状が一貫しない
後遺障害となるには症状が一貫していることが必要です。あるときは右側が痛い、あるときは左側が痛いというような状況だと、後遺障害認定されにくいです。
⑧整形外科への通院回数が極端に少ない
整形外科への通院回数が極端に少ないと、大した怪我でないと判断されやすいです。たとえば、月に1回程度の通院だと大した怪我でないと判断されやすいです。
そのため、整形外科への通院回数が極端に少ないと、後遺障害認定されにくいです。
⑨車両の損傷が軽微
後遺障害となるには衝撃の状況がある程度強いことが必要です。そのため、車両の損傷が軽微だと後遺障害認定されにくいです。
まとめ:頚椎捻挫の後遺障害申請で不利になりやすいポイント
頚椎捻挫の後遺障害申請で不利になりやすいポイントは次の通りです。
- ①後遺障害診断書 の自覚症状欄が常時痛ではない
- ②後遺障害診断書の障害内容の憎悪・緩解の見通しの欄が改善や治癒見込
- ③事故から6カ月未満で症状固定
- ④診断書や施術証明書の最終月の記載が治癒
- ⑤事故月の診断書や施術証明書に症状がない
- ⑥事故後1週間以内に病院への通院を開始していない
- ⑦症状が一貫しない
- ⑧整形外科への通院回数が極端に少ない
- ⑨車両の損傷が軽微
後遺障害のルールは複雑です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)