同意書
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也
- Q交通事故の被害者ですが、保険会社から同意書が届きました。同意書とは何ですか?
- A同意書とは、加害者側の保険会社から届く書類で、被害者に一定の同意を求める文書です。個人情報取得や一括対応の同意書があります。同意書の作成拒否は望ましくないことが多いでしょう。
―――― 目次 ――――
同意書とは
同意書とは、加害者側の保険会社から届く書類で、被害者に一定の同意を求める文書です。
たとえば、次のような同意書があります。
- ①個人情報取得の同意書
- ②一括対応の同意書
①個人情報取得の同意書
個人情報取得の同意書とは、病院にある被害者情報の開示を保険会社が求めることに同意する、被害者作成の書類です。
被害者が通院するとき、任意保険会社が医療機関に問い合わせをすることがあります。たとえば、治療状況や後遺障害に関する問い合わせです。
しかし、医療機関の資料や情報は被害者の個人情報です。医療機関は本人の同意がない限り、保険会社に個人情報を開示しません。
そのため、保険会社はあらかじめ被害者から個人情報取得の同意書を受け取ります。医療機関に同意書を示すと、医療機関は被害者の診療情報を保険会社に開示します。
②一括対応の同意書
一括対応の同意書とは、一括対応を行うことに同意する被害者作成の書類です。
交通事故で怪我をすると病院で治療やリハビリを行います。
治療費は、加害者の任意保険会社が病院に直接支払うことが多いです。一括対応といいます。
一括対応をするためには被害者の同意書が必要です。一括対応の同意書があると、保険会社は医療機関に直接治療費を支払います。被害者は病院窓口でお金を支払う必要がなくなります。
一括対応の流れ
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同意書の作成を拒否した場合
では、同意書の作成を拒否するとどうなるでしょうか?
個人情報取得の同意書を拒否した場合、保険会社は医療機関から情報取得ができません。そのため、治療費や休業損害を保険会社は支払わないでしょう。
一括対応の同意書を拒否した場合、保険会社は一括対応を行いません。同じく治療費を保険会社は支払わないでしょう。
また、同意書の作成を拒否すると、手続きが一切進まなくなってしまうことがあります。最終的な示談に至らない可能性があります。
そのため、同意書の作成拒否は望ましくないことが多いです。
何度も同意書作成依頼がある理由
一度作成したのに何度も同意書の作成依頼がくることがあります。
病院や保険会社により同意書の有効期限があるときがあります。有効期限を過ぎると再度依頼がきます。
面倒ですがトラブルにならない対応を心掛けましょう。
治療費打ち切りへの対応策
同意書は治療費打ち切りの少し前に届くことがあります。保険会社が治療費を打ち切る前段階として、主治医に症状を確認するためです。
治療費打ち切りには様々な対応策があります。たとえば次の方法です。
- ①健康保険での治療を継続する
- ②後遺障害の申請を行う
- ③示談交渉に進む
治療費打ち切りへの対応は難しいです。悩んだら交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう。
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まとめ:同意書
同意書とは、加害者側の保険会社から届く書類で、被害者に一定の同意を求める文書です。個人情報取得や一括対応の同意書があります。同意書の作成拒否は望ましくないことが多いでしょう。
(監修者 弁護士 松本 達也)