承諾書と示談書の違い
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 松本 達也
- Q承諾書と示談書の違いは何ですか?
- A承諾書と示談書の大きな違いは署名押印する人数です。承諾書は1人が多く、示談書は当事者全員が多いです。
承諾書のメリットは簡単なことです。示談書のメリットは確実なことです。個別の交渉状況に応じて適切な方法を選び、慎重に作成しましょう。
承諾書とは
承諾書は、署名押印した人が書面の内容を受け入れたことを明らかにする書類です。事故の当事者双方ではなく事故の当事者一方が署名押印することが多いです。
特に交通事故の場合、被害者が保険金に納得したことを証明するため承諾書に署名押印することが多いです。
示談書とは
示談書とは、署名した当事者全員が示談の内容に納得していることを明らかにする書類です。
交通事故の場合、賠償の方法に納得した被害者と加害者の双方が署名押印することが多いです。
承諾書や示談書と類似の書類
承諾書や示談書と類似の書類には、免責証書、合意書、和解書、確認書、覚書などがあります。
①単独の署名押印、②複数人の署名押印のいずれかにより分類するのがわかりやすいです。書類の名称による違いはそれほどありません。
承諾書や免責証書は単独の署名押印が多いです。
示談書や合意書、和解書は複数人の署名押印が通常です。
確認書や覚書は単独・複数人のいずれの署名押印もあります。
書類名称 | 署名押印の人数 |
---|---|
承諾書 免責証書 |
単独が多い |
示談書 合意書 和解書 |
複数 |
確認書 覚書 |
単独・複数両方あり |
承諾書と示談書の比較
承諾書と示談書の大きな違いは署名押印する人数です。承諾書は1人であり、示談書は当事者全員であることが多いです。
最終的な合意は示談書で取り交わす方が、より確実な合意となります。他方、承諾書は一方当事者のみの署名押印で解決できるので簡単です。
過失相殺がある場合や大きな争いがあったりする場合、示談書での解決が望ましいことが多いです。
過失相殺がない場合や大きな争いはない場合、承諾書での解決が望ましいことが多いです。
承諾書や示談書作成の注意点
では、承諾書や示談書作成の注意点は何でしょうか?
承諾書や示談書等の書類は最終的な合意であることが多いです。そのため、合意後の追加請求はできないのが原則です。書類の内容をよく確認し、本当に書類を作成してよいか検討しましょう。
承諾書や示談書など書類の形式が気になるときは、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
署名押印する書類を作成しない場合の注意点
怪我をしていない事故などの場合、署名押印する書類を作成しないこともあります。簡単に手続きを進めるためです。
しかし、最終的な合意内容を示す署名押印した書類がない場合、後日トラブルが発生することもあります。トラブルの可能性があるときは、最終的な合意内容を示す署名押印した書類を作成しましょう。
書類作成の必要性の有無は専門的な判断が必要です。気になるときは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
まとめ:承諾書と示談書の違い
承諾書と示談書の大きな違いは署名押印する人数です。承諾書は1人が多く、示談書は当事者全員が多いです。
承諾書のメリットは簡単なことです。示談書のメリットは確実なことです。個別の交渉状況に応じて適切な方法を選び、慎重に作成しましょう。
(監修者 弁護士 松本 達也)