最終更新日:2023年5月22日
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
示談交渉・裁判
―――― 目次 ――――
示談交渉・裁判の流れ
保険会社から示談案が届いたら示談交渉が始まります。電話や書面で協議を行い、合意した場合は合意書を作成して解決です。
他方、合意できない場合、公益財団法人交通事故紛争処理センター や裁判所への申立により最終的に解決します。
紛争処理センターでは相談担当委員が中立な立場であっせんを試みます。合意できない場合には裁定という強制的な決定が行われます。
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裁判では裁判官が間に入り和解を試みます。合意できない場合には判決という強制的な決定が行われます。
注 裁判期日は複数回開かれます。
注 証人尋問とは当事者が裁判所で話す手続です。行われる場合と行われない場合があります。
示談交渉・裁判の注意点
各方法のメリット・デメリットを検討しましょう
通常の示談交渉、紛争処理センター、裁判にはメリット・デメリットがあります。
特に紛争処理センターや裁判所を利用する場合には、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をお勧めします。
通常の示談交渉のメリット・デメリット
メリット
- 早期解決が可能です。
- 手続きが簡単です。
- 証拠が不十分でもある程度の水準での解決が可能です。
デメリット
- 保険会社の対応が遅い場合など、話し合いが進まないことがあります。
- 合意できない場合には永遠に解決ができません
- 弁護士が代理しないと金額が低くなりがちです。
紛争処理センターのメリット・デメリット
メリット
- 交渉に比べて高額の解決水準となることが多いです。
- 裁判に比べて手続きが簡単です。
- 最終的には裁定(決定)により、保険会社と合意をしないでも解決可能です。
デメリット
- 交渉と比べて手続きが複雑です。
- 裁判と比べて低額の解決水準となってしまうことがあります。
- 保険会社が裁判を希望して手続きが進まないことがあります。
裁判のメリット・デメリット
メリット
- 証拠がある場合、交渉と比べて高額な解決が可能です。
- 個別の事実関係を一番反映した解決が可能です。
- 最終的には裁判所の判決により、合意をしないでも強制的な解決が可能です。
デメリット
- 手続きが複雑です。
- 時間が1年から2年かかることが多いです。
- 証拠が不十分の場合、金額が低くなることがあります。
事故発生時からの対応が補償額を決めます
交通事故発生から解決までにはたくさんのステップがあります。事故発生時からの1つ1つの対応が最終的な補償額を決めます。必要に応じて弁護士にも相談しながら適切な補償を受けましょう。
示談交渉・裁判のよくある勘違い
- Q裁判申立をすれば補償額は必ず増えますか?
- 必ず補償額が増えるとは限りません。交渉段階の提示額は裁判では一度白紙になります。そのため裁判申立をした結果として補償額が減ってしまうこともあります。
- Q紛争処理センター申立をすれば補償額は必ず増えますか?
- 必ず補償額が増えることは限りません。ただし紛争処理センターでは保険会社の提示額は白紙とならないことが多いです。そのため紛争処理センター申立をした結果として補償額が減ってしまうことは少ないでしょう。
- Q保険会社側が裁判を起こしてきました。そんなことができるのですか?
- 加害者側が裁判を起こすことも可能です。被害者からも裁判を起こし、裁判所で決着を付けましょう。
- Q保険会社の提示には納得できませんが、絶対に交渉で解決したいです。何とかなりませんか?
- 交渉で合意できないときに利用するのが裁判です。絶対に交渉で解決したい場合にはある程度の譲歩がお互い必要となります。
示談交渉・裁判のまとめ
- 保険会社から示談案が届いたあと示談交渉がスタートします。電話・書面で協議を行い、合意した場合は合意書を作成して解決です。
- 合意できない場合、紛争処理センターや裁判所への申立により最終的に解決します。
- 通常の示談交渉、紛争処理センター、裁判にはにはメリット・デメリットがあります。方針の選択は交通事故に詳しい弁護士へのご相談をお勧めします。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)
交通事故問題解決の流れの関連情報
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- STEP6 保険会社からの示談案の提示
- STEP7 示談交渉・裁判