最終更新日:2023年5月22日
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
治療費打ち切り
―――― 目次 ――――
治療費打ち切りの流れ
交通事故では、加害者の任意保険会社が治療費を病院に直接支払うことが多いです。
数カ月程度が過ぎると、担当者から連絡があり「そろそろ治療費を打ち切りたい」と打診してくることがあります。
保険会社と交渉して治療期間を延ばせることもあります。
他方、交渉の余地なく保険会社が治療費を打ち切ることもあります。
治療費が打ち切りとなった場合には①治療継続、②示談交渉や後遺障害申請を選択します。
治療費打ち切りの注意点
治療中の治療費支払は保険会社の義務ではないこと
交通事故の治療費は、加害者の任意保険会社が支払うことが多いです。これを「任意一括対応」と言います。
任意一括対応(治療費支払い)の流れ
任意一括対応は保険会社の義務ではありません。
そのため、病院への治療費支払を保険会社が打ち切ることを強制的に止めることはできません。
治療費打ち切り時期の目安の検証
適切な通院期間は怪我の状況により異なります。例えば、打撲・挫傷では1~3カ月、頚椎捻挫・腰椎捻挫では3~6カ月、骨折などの重症では6カ月以上の治療期間が多いです。目安の期間を踏まえて打ち切りが早すぎる場合は保険会社と交渉しましょう。
怪我の種類 | 治療期間の目安 |
---|---|
打撲・挫傷 | 1~3カ月 |
捻挫 | 3~6カ月 |
骨折 | 6カ月以上 |
注 個別の負傷状況により異なります。
治療費打ち切りへの対抗策
保険会社と交渉する方法、健康保険での通院を続ける方法、示談交渉や後遺障害認定に進む方法などがあります。専門的な判断が必要ですので交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう。
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治療費打ち切りのよくある勘違い
- Q保険会社が一方的に治療費を打ち切るのはおかしくないですか?
- 一方的に治療費を打ち切るのはおかしく感じるかもしれません。しかし、病院に保険会社が治療費を直接支払う「任意一括対応」は保険会社の義務ではありません。保険会社と打ち切り延長の交渉をするのが現実的でしょう。
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- Q主治医が治療を必要と言っていても保険会社が一方的に治療費を打ち切ることができますか?
- 保険会社が一方的に打ち切ることはできます。ただし主治医の意見を保険会社が尊重することも多いです。
- Q治療費打ち切り後は通院できないのですか?
- 通院できます。健康保険を利用することが多いです。
- Q治療費打ち切り後の通院で発生した費用は補償されないのですか?
- 事故による損害として補償されるかどうかは交渉によります。交渉で決着できないと最終的には裁判で決着します。
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- Q治療費打ち切り後も治療を続けた方が得ですか?
- 個別の状況によりますので何とも言えないところです。
お金の損得よりも治療効果の有無で決めるのが納得できる解決になることが多いです。
治療費打ち切りのまとめ
- 加害者の任意保険会社が病院に直接治療費を支払うことが多いです。
- 数カ月過ぎると保険会社から連絡があり、「そろそろ治療費を打ち切りたい」と打診してくることがあります。
- 保険会社と交渉して治療期間を延ばせることもあります。他方、交渉の余地なく保険会社が治療費を打ち切ることもあります。
- 治療費が打ち切りとなった場合には①治療継続、②示談交渉や後遺障害申請を選択します。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)
交通事故問題解決の流れの関連情報
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- STEP1 交通事故発生時の対応
- STEP2 警察や加害者への対応
- STEP3 治療やリハビリ
- STEP4 治療費打ち切り
- STEP5 症状固定・後遺障害の等級認定
- STEP6 保険会社からの示談案の提示
- STEP7 示談交渉・裁判