最終更新日:2023年5月22日
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
交通事故発生時の対応
―――― 目次 ――――
交通事故発生時の流れ
安全な場所にまずは移動しましょう。怪我人を確認し、怪我人がいる場合は必要に応じて救急車を呼びましょう。また、警察に110番通報しましょう。
警察がくると警察官から事情を聞かれます。事故状況や怪我の有無を正確に説明しましょう。
交通事故発生時の注意点
- 警察へ110番通報しないと事故の事実を証明できません。通報は必須です。また、警察に話した事故状況や負傷状況を後日変更することは簡単ではありません。正確に警察に説明しましょう。
- 加害者がわからないと補償がもらえない確率が上がります。加害者の住所、名前、電話番号を聞いておきましょう。
- 怪我をしている場合には当日中に病院に行きましょう。当日病院に行けない場合でも翌日には病院に行きましょう。病院へ行くのが遅いと「事故による治療ではない」とされる確率が上がります。
- 目撃者がいれば住所、名前、電話番号を聞いておきましょう。事故状況が争いになったときに役に立ちます。
- 自らが契約する保険会社にも連絡しましょう。自らの保険会社で利用可能な保険があることがあります。弁護士費用の支払がある弁護士費用特約や、相手無保険の場合に使える人身傷害保険などがあります。
交通事故発生時の対応のよくある勘違い
- Q加害者が逃げました。すぐ警察が見つけてくれますか?
- 死亡事故など重大事故の場合、加害者を警察がみつけてくれることが多いです。他方、怪我のない事故などの場合には、探してはくれるものの最終的には見つからないということもあります。
ナンバープレートを覚えておくと加害者がみつかる確率が高まります。 - Q加害者が逮捕されません。おかしくないですか?
- 死亡事故などの重大事故や飲酒運転では加害者が逮捕されることは多いです。他方、通常の交通事故では加害者が逮捕されることは少ないです。
逮捕の有無は逃亡や証拠隠滅のおそれがあるかどうかで決まります。 - Q警察の対応がひどいです。何とかなりませんか?
- 警察官の話をまずはよく聞いてみましょう。警察官が何かを誤解していることもあります。
ドライブレコーダー、防犯カメラ画像などの客観的な資料を前提に話をすると、話がスムーズに進むことが多いです。 - Q私が怪我をしているのになぜ私が加害者なのですか?
- 被害者と加害者は事故状況で決まります。民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(判例タイムズ社) に過去の裁判の事例を元にした標準的な過失割合があります。
そのため、怪我をしていても加害者となることもあります。他方、怪我をしていなくても被害者となることがあります。あわせて読みたい
- Q自分の保険会社に連絡しましたが「今回は100%の被害事故で対応できません」と言われました。本当ですか?
- 自らが加害者になったとき、自分の保険会社は対応してくれます。しかし自らが100%の被害者になったとき、自分の保険会社は原則対応してくれません。
そのため、自分に一切の落ち度のない場合、自分で交渉するか弁護士に交渉を依頼する必要があります。
弁護士費用を保険会社が出す特約に入っている場合、実質的な費用負担なしで弁護士に相談・依頼できます。
交通事故発生時の対応のまとめ
- 安全な場所にまずは移動しましょう。
- 怪我人の有無を確認し、怪我人がいる場合は状況によって救急車を呼びましょう。
- 警察へ110番通報をしましょう。警察へ事故状況や怪我の状況を正しく伝えましょう。
- 加害者の住所、名前、電話番号を聞いておきましょう。
- 怪我をしている場合には当日中に病院に行きましょう。当日病院に行けない場合でも翌日には病院に行きましょう。
- 目撃者がいれば住所、名前、電話番号を聞いておきましょう。
- 自らが契約する保険会社にも連絡しましょう。利用できる保険があることがあります。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)
交通事故問題解決の流れの関連情報
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- STEP1 交通事故発生時の対応
- STEP2 警察や加害者への対応
- STEP3 治療やリハビリ
- STEP4 治療費打ち切り
- STEP5 症状固定・後遺障害の等級認定
- STEP6 保険会社からの示談案の提示
- STEP7 示談交渉・裁判