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1カ月未満の慰謝料の計算

1カ月未満の慰謝料の計算

最終更新日:2023年4月26日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 佐藤 寿康

Q通院期間が1カ月ではなく20日の場合、どのように計算しますか?
A早見表(赤い本別表)を使って日割計算をします。たとえば、むちうちで20日の通院期間では126,667円が請求できる慰謝料です。
1か月以内の通院

1. 3つの慰謝料算定基準

交通事故で怪我をした被害者は慰謝料を請求できます。
慰謝料算定基準には自賠責基準や任意保険基準、裁判基準があります。
多くの場合、自賠責基準が一番低額となり、裁判基準が一番高額となります。

実際には裁判基準で合意することもありますし、少し低めの金額で合意することもあります。請求は裁判基準で行いましょう。

2. 裁判基準の入通院慰謝料早見表

裁判基準の慰謝料は次の早見表を用います。
縦の通院期間と横の入院期間を合わせたところが慰謝料額です。
通常の場合(赤い本別表Ⅰ)とむち打ち症で他覚所見がない等の場合(赤い本別表Ⅱ)の2種類の早見表があります。
注 他覚所見とは検査で確認できる異常な所見のことです

通常の場合(別表Ⅰ)

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286

むち打ち症で他覚所見がない場合や、軽い打撲や軽い挫創などの軽傷の場合(別表Ⅱ)

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183

3. 通院期間とは

では基準表の通院期間とは何でしょうか?

通院期間とは、治療開始日から治療終了日までの期間です。
たとえば事故日から通院し6か月後に治療を終了すると、通院期間は6カ月です。事故日から通院し40日後に治療を終了すると、通院期間は40日です。

4. 例① 1カ月未満の通院期間がないとき

それでは具体例で慰謝料を計算しましょう。

まずは1カ月未満の通院期間がないときです。
たとえば、むちうちで事故日から通院し1カ月後(30日後)に治療を終了したとします。入院はしていません。

むちうちのため早見表はⅡを使います。
通院1カ月のところの19万円が請求できる慰謝料です。

5. 例② 通院期間が20日のとき

では通院期間が1カ月未満で20日だとどうなるでしょうか?
たとえば、むちうちで事故日から通院し20日後に治療終了したとします。入院はしていません。

むちうちのため早見表はⅡを使います。
通院20日のところは早見表にありません。
そのため通院1カ月(30日)の19万円を使います。

通院30日で慰謝料が19万円ですので、通院20日では126,667円です。

【計算式】190,000円÷30日×20日≒126,667円

通院20日では126,667円が請求できる慰謝料です。

6. 例③ 通院期間が40日のとき

では通院期間が40日だとどうなるでしょうか?
たとえば、むちうちで事故日から通院し40日後に治療終了したとします。入院はしていません。
むちうちのため早見表はⅡを使います。

通院40日の慰謝料の計算方法

通院40日の場合、通院1カ月(30日)と通院10日と分けて計算します。
具体的には次の通り計算します。

  • 通院1カ月(30日)分の慰謝料 190,000円
  • 通院10日分の慰謝料 56,660円
  • 合計 246,660円

10日分の56,660円の計算方法

10日分として56,660円の慰謝料を出しました。
この計算は次の通りです。

  • 表の2カ月の慰謝料36万円から1カ月の慰謝料19万円を引く…17万円
  • 差額の17万円を30日で割る…5,666円
  • 日額5,666×10日で計算する…56,660円

注 わかりやすくするため1円未満の端数は切捨しています。

7. まとめ:1カ月未満の慰謝料の計算

1カ月未満の慰謝料は早見表(赤い本別表)を使って日割計算をします。
たとえば、むちうちで20日の通院期間では126,667円が請求できる慰謝料です。

(監修者 弁護士 佐藤 寿康

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