打撲の慰謝料の相場
最終更新日:2023年9月11日
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 加藤 貴紀
- Q打撲の場合、交通事故の慰謝料はいくらもらえますか?
- A通院期間に応じて慰謝料をもらえます。たとえば、裁判基準だと3カ月通院したときの慰謝料は53万円、6カ月通院したときの慰謝料は89万円です。
―――― 目次 ――――
- 1. 慰謝料の相場には別表Ⅰと別表Ⅱがある
- 2. 打撲の入通院慰謝料の具体的な計算方法
- 3. 打撲の適切な通院期間
- 4. 慰謝料を増やす方法
- 5. まとめ:打撲の慰謝料の相場
1. 慰謝料の相場には別表Ⅰと別表Ⅱがある
交通事故で怪我をした場合、通院日数や通院期間により慰謝料を受け取れます。
慰謝料は被害者の精神的苦痛等を金銭で賠償するものです。しかし、精神的苦痛を金銭に換算することは難しいです。そのため、慰謝料額の算定には一定の基準があります。
入通院の慰謝料は、いわゆる赤本(正式名称は損害賠償額算定基準)の表を参考に計算することが多いです。別表Ⅰと別表Ⅱの2種類の表があり、怪我の内容により利用する表が異なります。
2. 打撲の入通院慰謝料の具体的な計算方法
では、どのように入通院慰謝料を計算するかみていきましょう。
赤い本には別表Ⅰと別表Ⅱがあります。別表Ⅰと別表Ⅱは金額に違いがあります。別表Ⅱよりも別表Ⅰの金額が多いです。
通院期間 | 別表Ⅰによる金額 | 別表Ⅱによる金額 | 差額 |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 28万円 | 19万円 | 9万円 |
2ヶ月 | 52万円 | 36万円 | 16万円 |
3ヶ月 | 73万円 | 53万円 | 20万円 |
4ヶ月 | 90万円 | 67万円 | 23万円 |
5ヶ月 | 105万円 | 79万円 | 26万円 |
6ヶ月 | 116万円 | 89万円 | 27万円 |
では、別表Ⅰと別表Ⅱはどのように使い分けるでしょうか?
入通院慰謝料の計算の原則は別表Ⅰです。しかし、打撲のときは別表Ⅱを使うのが一般的です。ただし、打撲だけではなく骨折などの怪我もしているときは別表Ⅰを使うでしょう。
3. 打撲の適切な通院期間
通院期間により慰謝料額は異なります。では、打撲の適切な通院期間はどの位でしょうか?
一律の基準はありませんが、打撲は1~6カ月の治療期間に通常はなるでしょう。1~3カ月での治療終了が経験上は多いです。
怪我の種類 | 治療期間の目安 |
---|---|
打撲・挫傷 | 1~3カ月 |
捻挫 | 3~6カ月 |
骨折 | 6カ月以上 |
たとえば、治療期間が3カ月のとき、裁判基準での慰謝料は53万円です。治療期間が6カ月のときは89万円です。
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4. 慰謝料を増やす方法
では、打撲のときに慰謝料を増やすにはどうすればよいでしょうか?
次のような方法をとると、慰謝料が増えることがあります。
- ①適切な期間の通院を行う
- ②適切な計算方法(裁判基準)で慰謝料を計算する
- ③後遺障害 申請を行う
- ④個別の慰謝料増額事由 の主張を行う
- ⑤裁判所等の公的機関を利用する
- ⑥弁護士へ相談・依頼する
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5. 打撲の慰謝料の相場
打撲の場合、通院期間に応じて慰謝料をもらえます。たとえば、裁判基準だと3カ月通院したときの慰謝料は53万円、6カ月通院したときの慰謝料は89万円です。
(監修者 弁護士 加藤 貴紀)