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6カ月通院したときの慰謝料

6カ月通院したときの慰謝料

最終更新日:2023年9月20日

監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 川田 啓介

Q交通事故で6か月通院した場合、慰謝料はいくらもらえますか?
A交通事故で6か月通院したときの慰謝料は次の通りです。

  • 骨折で6カ月通院した場合の弁護士基準(裁判基準)の慰謝料は116万円
  • むちうちで6カ月通院した場合の弁護士基準(裁判基準)の慰謝料は89万円

慰謝料で悩んだときは、まずは弁護士へのご相談をおすすめします。

通院6か月の慰謝料

1. 慰謝料とは

慰謝料とは、交通事故により被害者が受けた苦痛などの精神的損害への賠償金です。

慰謝料の種類は3種類です。①入通院慰謝料後遺障害慰謝料死亡慰謝料です。

①入通院慰謝料は入院や通院したことへの慰謝料です。②後遺障害慰謝料は後遺障害認定への慰謝料です。③死亡慰謝料はお亡くなりになったことへの慰謝料です。

慰謝料は被害者の精神的苦痛等を金銭で賠償するものです。しかし、精神的苦痛を金銭に換算することは難しいです。そのため、慰謝料額の算定には一定の基準があります。

慰謝料の算定基準は3種類です。①自賠責基準②任意保険基準③裁判基準です。①自賠責基準が一番低く、③裁判基準が一番高くなることが多いです。

2. 通院期間の目安

では、通院期間には目安はあるのでしょうか?
一律の基準はありませんが、打撲や挫傷のときは1~3カ月、捻挫のときは3~6カ月、骨折のときは6カ月~が多いです。

怪我の種類 治療期間の目安
打撲・挫傷 1~3カ月
捻挫 3~6カ月
骨折 6カ月以上

注 個別事案により異なります。

3. 6カ月通院したときの慰謝料の目安

では、6カ月通院したときの慰謝料の目安はどの位になるでしょうか?具体的な通院慰謝料の目安を計算してみましょう。

具体例として、骨折・脱臼があり6か月間通院し、その内実際に通院した日数が70日であった場合で考えてみます。通院日数は、医師の診察日のみならず、リハビリの日も含みます。

通院6か月、通院日数70日の場合の通院慰謝料
自賠責基準 60万2000円
任意保険基準 64万2000円
弁護士基準 116万円

同じ期間通院にもかかわらず、通院慰謝料に大きな違いが出てきます。

① 自賠責基準

もっとも低額の補償である自賠責基準から見ていきましょう。

自賠責基準における通院慰謝料は日額4,300円の固定額です。通院期間は治療期間と実通院日数の2倍の少ない数字を使います。

今回の具体例は、骨折・脱臼があり6か月間(180日間)の間に70日通院した例です。

治療期間は180日、実通院日数70日の2倍は140日です。140日が少ないため140日を使います。具体的な計算は次の通りです。

【計算式】4,300円×70日×2=60万2000円

自賠責基準によれば入通院慰謝料は60万2000円です。

② 任意保険基準

任意保険基準は、それぞれの保険会社が独自に設定している内部基準です。一般には公開していません。

今回の具体例ではかつて使われていた保険会社の共通基準をもとに算出しました。任意保険基準によれば入通院慰謝料は64万2000円です。

任意保険基準は、自賠責基準と同じくらいか若干上回る金額での提示が多いです。

③ 弁護士基準

弁護士基準は裁判の基準ともいいます。公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部が発行しているいわゆる「赤い本」に記載があります。実務上、別表Ⅰと別表Ⅱという算定基準を参考にすることが裁判所や保険会社の共通認識となっています。

実際の弁護士基準は次の別表Ⅰ・Ⅱとなります。

赤い本 別表Ⅰ 入通院慰謝料基準表

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 329 334 338 344
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13月 158 187 213 238 262 282 300 316
14月 162 189 215 240 264 284 302
15月 164 191 217 242 266 286

赤い本 別表Ⅱ 入通院慰謝料基準表

(単位:万円)
入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 13月 14月 15月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13月 120 137 152 162 173 181 189 195
14月 121 138 153 163 174 182 190
15月 122 139 154 164 175 183

別表Ⅰは比較的重症のとき、別表Ⅱは比較的軽傷のときに使います。

今回の具体例では、骨折・脱臼といった比較的重症の場合ですので、別表Iを使います。

6か月の通院の場合、弁護士基準の慰謝料は116万円です。

4. 後遺障害慰謝料

入通院による治療の結果、残念ながら症状が残ってしまったときは、後遺障害の申請を行います。後遺障害が認定されると後遺障害慰謝料が支払われます。

後遺障害には1~14級までの等級があります。等級に応じた慰謝料が支払われます。たとえば、裁判基準だと12級の場合には290万円、14級の場合110万円です。

まとめ:6カ月通院したときの慰謝料

交通事故で6か月通院したときの慰謝料は次の通りです。

  • 骨折で6カ月通院した場合の弁護士基準(裁判基準)の慰謝料は116万円
  • むちうちで6カ月通院した場合の弁護士基準(裁判基準)の慰謝料は89万円

慰謝料で悩んだときは、まずは弁護士へのご相談をおすすめします。

(監修者 弁護士 川田 啓介

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