家政婦と休業損害
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 大澤 一郎
- Q事故の影響で1カ月家事ができず家政婦を雇いました。家政婦費用は認められますか?
- A事故により家事ができず、相当な範囲内であれば認められる可能性があります。
ベビーシッターや家事代行の費用も認められる可能性があります。
家政婦・ベビーシッター・家事代行の利用
交通事故で家事ができないとき、家事分の休業損害が認められます。
では家政婦やベビーシッター、家事代行の費用は認められるでしょうか?
事故により家事ができず、相当な範囲内であれば認められる可能性があります。
たとえば事故により1カ月入院したとします。その間小さい子供の面倒を見るために家政婦を雇ったとき、家政婦費用が認められる可能性は高いです。
家政婦などの利用期間
交通事故発生後、家事育児ができるときまで認められる可能性が高いです。
家政婦などの金額
標準的な金額が認められます。通常より高い業者に依頼したときは、標準的な金額のみの補償となる可能性が高いです。
親族に依頼した場合の補償
家政婦ではなく親族に家事をお願いし、謝礼を支払うこともあります。
親族に支払った謝礼は請求可能です。
ただし親族への謝礼は常識的な範囲のみ補償されます。
親族に高額な謝礼を支払っても、全ては損害として認められません。
主婦の休業損害と家政婦費用の両方は請求できない
では主婦の休業損害と家政婦費用の両方を請求できるでしょうか?
二重の請求は通常できません。
①主婦の休業損害と②家政婦費用のいずれかを請求できます。
主婦で仕事もしている兼業主婦です。休業損害はどのように請求しますか?
家政婦などの利用の注意点
保険会社と事前協議をしましょう
家政婦やベビーシッター、家事代行を利用するときは、保険会社と事前協議をしましょう。
具体的には日額や利用期間を協議しましょう。
先に利用してしまうと保険会社が費用を支払わないときにトラブルになる可能性があります。
医師の診断書や意見書があると有利です
家事ができないという医師の診断書や意見書があると有利です。
入院しているときは家事はできません。しかし退院後は家事ができないか明らかではありません。
家事ができないことを医師が証明してくれれば、家政婦などの費用を保険会社が支払う確率が上がります。
家政婦などの費用が認められるのは例外です
主婦が事故の被害にあったとき、通常認められるのは主婦の休業損害です。
また可能な範囲で家族が協力しあって家事をするのが原則です。
親族が家事育児をできるときは、家政婦の費用は認められにくいでしょう。
家政婦などの費用が認められるのは例外的な場合です。
まとめ:家政婦と休業損害
家政婦費用は事故により家事ができず、相当な範囲内であれば認められる可能性があります。ベビーシッターや家事代行の費用も認められる可能性があります。
ただし家政婦などの費用が認められるのは例外的な場合です。
利用前に保険会社と事前協議をしてトラブルにならないようにしましょう。
(監修者 弁護士 大澤 一郎)