眼の後遺障害
最終更新日:2024年1月23日
監修者:よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
眼の後遺障害は、障害の種類と程度によって等級が決まります。
この記事では眼の後遺障害が残る被害者にむけて、障害の種類ごとの認定基準、認定のポイントなどを交通事故に詳しい弁護士が解説します。
眼の後遺障害は専門的な判断が必要です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
―――― 目次 ――――
- 1. 眼の後遺障害
- 2. 視力障害
- 3. 調節機能障害と運動障害
- 4. 視野障害
- 5. まぶたの欠損障害
- 6. まぶたの運動障害
- 7. まとめ:眼の後遺障害
1. 眼の後遺障害
眼の後遺障害には、視力障害、調節機能障害と運動障害、視野障害、まぶたの欠損障害、まぶたの運動障害があります。
障害の種類と程度により、後遺障害の等級が決まります。
種類 | 等級 | 障害の程度 |
---|---|---|
視力障害 | 1級1号 | 両眼が失明したもの |
2級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの | |
2級2号 | 両眼の視力が0.02以下になったもの | |
3級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの | |
4級1号 | 両眼の視力が0.06以下になったもの | |
5級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの | |
6級1号 | 両眼の視力が0.1以下になったもの | |
7級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの | |
8級1号 | 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの | |
9級1号 | 両眼の視力が0.6以下になったもの | |
9級2号 | 一眼の視力が0.06以下になったもの | |
10級1号 | 一眼の視力が0.1以下になったもの | |
13級1号 | 一眼の視力が0.6以下になったもの | |
調節機能 障害、 運動障害 |
11級1号 | 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
12級1号 | 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの | |
10級2号 | 正面を見た場合に複視の症状を残すもの | |
13級2号 | 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの | |
視野障害 | 9級3号 | 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
13級3号 | 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの | |
まぶたの欠損傷害 | 9級4号 | 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
11級3号 | 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの | |
13級4号 | 両眼のまぶたの一部に欠損を残しまたはまつげはげを残すもの | |
14級1号 | 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの | |
まぶたの運動障害 | 11級2号 | 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
12級2号 | 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
2. 視力障害
視力障害とは、失明したり視力が低下したりする後遺障害です。
1級1号 | 両眼が失明したもの |
---|---|
2級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの |
2級2号 | 両眼の視力が0.02以下になったもの |
3級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの |
4級1号 | 両眼の視力が0.06以下になったもの |
5級1号 | 一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの |
6級1号 | 両眼の視力が0.1以下になったもの |
7級1号 | 一眼が失明し、又は一眼の視力が0.02以下になったもの |
9級1号 | 両眼の視力が0.6以下になったもの |
9級2号 | 一眼の視力が0.06以下になったもの |
10級1号 | 一眼の視力が0.1以下になったもの |
13級1号 | 一眼の視力が0.6以下になったもの |
- Q失明とはどのような状態ですか?
- 眼球を失った状態や明暗が分からない、あるいはようやく分かる程度の状態をいいます。
- Q視力はどのように測定しますか?
- 視力は原則として「万国式試視力表」によって測定します。おなじみの黒い丸の切れ目の方向を見分ける測定方法です。
視力には、裸眼で測定する視力と矯正したうえで測定する視力があります。後遺障害認定木基準にある視力は矯正視力です。
たとえば、近視、遠視、乱視のように眼に異常があるときは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正した視力を測定し、この結果を用いて等級を認定します。
3. 調節機能障害と運動障害
調節機能障害とは、眼球の調節機能の後遺障害です。
運動障害とは、眼球の運動機能の後遺障害です。
11級1号 | 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
---|---|
12級1号 | 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの |
10級2号 | 正面を見た場合に複視の症状を残すもの |
13級2号 | 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの |
- Q「両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの」(11級1号)とはどのような場合ですか?
-
- 両眼の調節力又は眼球の注視野の広さが通常の場合の1/2以下に減じたものをいいます。
【解説】
- 著しい調節機能障害とは、眼球の調節力が通常の1/2以下に減じたものをいいます。
- 眼の調節機能は水晶体と呼ばれる箇所が担っています。水晶体は、近くのものを見るときは膨張し、遠くのものを見るときは縮小しながら、眼の奥にある網膜という壁に光を集めます。
- 調節力とは、明視できる遠点から近点までの距離的な範囲(調節域)をレンズに換算した値であり、単位はジオプトリ―(D)となります。調節力は年齢と密接な関係があり、一般に年齢を重ねるにつれて小さくなります。40歳を超えてくると老眼鏡が必要になる方が多いです。
- 検査には、アコモドポリレコーダーを使用します。
- 両眼が負傷した場合の調節力の判定は、年齢別の調節力を示す調節力値との比較により行います。年齢別の調節力を示す調節力値は以下のとおりになっています。但し、55歳以上に適用される1.5Dは実質的な調節機能を失っている状態を示しており、被害者の年齢が55歳以上である場合は本後遺障害は認定されません。
年齢 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 調節力(D) 9.7 9.0 7.6 6.3 5.3 4.4 3.1 2.2 1.5 1.35 1.3 - 著しい運動障害とは、眼球の注視野の広さが1/2以下に減じたものをいいます。
- 眼球の運動は上下、内外、上下斜めの3対の外眼筋が緊張状態を保つことで維持されています。この外眼筋の一部が麻痺すると、緊張状態が崩れ、眼球が壊れた筋肉と反対方向に偏位してしまいます。
- 注視野とは、頭部を固定した状態で、眼球の運動のみで見える範囲のことを指します。単視眼では各方向の視野範囲は通常50度、両眼では各方向に視野範囲は通常45度となります。
- 検査には、視野計を使用します。
- Q「一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの」(12級1号)とはどのような場合ですか?
-
- 「一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの」とは、一眼の調節力が通常の場合の1/2以下に減じたものをいいます。
【解説】
- 一眼の調節力が通常の場合の1/2以下に減じたものをいいます。
- 著しい調節機能障害とは、眼球の調節力が通常の1/2以下に減じたものをいいます。
- 眼の調節機能は水晶体と呼ばれる箇所が担っています。水晶体は、近くのものを見るときは膨張し、遠くのものを見るときは縮小しながら、眼の奥にある網膜という壁に光を集めます。
- 調節力とは、明視できる遠点から近点までの距離的な範囲(調節域)をレンズに換算した値であり、単位はジオプトリ―(D)となります。調節力は年齢と密接な関係があり、一般に年齢を重ねるにつれて小さくなります。40歳を超えてくると老眼鏡が必要になる方が多いです。
- 検査には、アコモドポリレコーダーを使用します。
- 調節力が1/2以下に減じているかの判定は、負傷した眼が1眼のみであって、負傷していない眼の調節力に異常がない場合は、当該他眼の調節力との比較により行います。
- 負傷した眼は1眼のみであるが負傷していない眼の調節力に異常が認められる場合は、年齢別の調節力を示す調節力値との比較により行います。年齢別の調節力を示す調節力値は以下のとおりになっています。但し、55歳以上に適用される1.5Dは実質的な調節機能を失っている状態を示しており、被害者の年齢が55歳以上である場合は本後遺障害は認定されません。
年齢 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 調節力(D) 9.7 9.0 7.6 6.3 5.3 4.4 3.1 2.2 1.5 1.35 1.3 - 著しい運動障害とは、眼球の注視野の広さが1/2以下に減じたものをいいます。
- 眼球の運動は上下、内外、上下斜めの3対の外眼筋が緊張状態を保つことで維持されています。この外眼筋の一部が麻痺すると、緊張状態が崩れ、眼球が壊れた筋肉と反対方向に偏位してしまいます。
- 注視野とは、頭部を固定した状態で、眼球の運動のみで見える範囲のことを指します。単視眼では各方向の視野範囲は通常50度、両眼では各方向に視野範囲は通常45度となります。
- 検査には、視野計を使用します。
- Q「正面を見た場合に複視の症状を残すもの」(10級2号)とはどのような場合ですか?
-
- ヘススクリーンテストにより正面視で複視が中心の位置にあることが確認されたものをいいます。
【解説】
- 複視とは、両眼の共同運動が障害され、右眼と左眼の網膜の対応店点に外界の像が結像せずにずれているために、ものが二重にみえる状態をいいます。麻痺した眼筋によって、複視が生じる方向が異なってきます。
- 正面視の複視は、両眼で見ると頭痛や眩暈を生じやすいため、就労に著しい支障をきたすものとして10級が認定されます。
- 複視の症状を残すものとは、本人が複視の症状を自覚している、眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められる、ヘススクリーンテストにより患側の像が水平方向又は垂直方向の目盛りで5度以上離れた位置にあることが確認されるといった3つの要件を満たす状態をいいます。
- ヘススクリーンテストとは、ヘスコジオルメーターを用いて、指標を赤緑ガラスで見たときの片眼の赤像、他眼の緑像から両眼の位置ずれを評価する検査方法です。
- 例えば、右外転神経麻痺により複視が生じている場合、右眼に赤ガラスを通して固視させると、左眼に緑ガラスを通して見た固視点は右方へ大きくずれますが、左眼に赤ガラスを通じて固視させると右眼に緑ガラスを通して見た固視点は交叉性に小さくずれることになります。
- 複視の原因である、眼筋の麻痺等は、注視野の減少の原因でもあり、「眼球の著しい運動障害」(両眼につき11級1号、一眼につき12級1号)を併発することもあります。反対に「眼球の著しい運動障害」に該当する眼筋の麻痺等がある場合には、複視も残すことになります。
- Q「正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの」(13級2号)とはどのような場合ですか?
-
- 複視を残す場合で、ヘススクリーンテストにより正面視で複視が中心の位置にあることが確認された場合以外のものをいいます。
【解説】
- 複視とは、両眼の共同運動が障害され、右眼と左眼の網膜の対応点に外界の像が結像せずにずれているために、ものが二重にみえる状態をいいます。麻痺した眼筋によって、複視が生じる方向が異なってきます。
- 正面視以外、左右上下の複視は、正面視の複視ほど大きな支障はないことが通常ですが、頭痛や眼精疲労を伴うため、13級が認定されます。
- 複視の症状を残すものとは、本人が複視の症状を自覚している、眼筋の麻痺等複視を残す明らかな原因が認められる、ヘススクリーンテストにより患側の像が水平方向又は垂直方向の目盛りで5度以上離れた位置にあることが確認されるといった3つの要件を満たす状態をいいます。
- ヘススクリーンテストとは、ヘスコジオルメーターを用いて、指標を赤緑ガラスで見たときの片眼の赤像、他眼の緑像から両眼の位置ずれを評価する検査方法です。
- 例えば、右外転神経麻痺により複視が生じている場合、右眼に赤ガラスを通して固視させると、左眼に緑ガラスを通して見た固視点は右方へ大きくずれますが、左眼に赤ガラスを通じて固視させると右眼に緑ガラスを通して見た固視点は交叉性に小さくずれることになります。
- 複視の原因である、眼筋の麻痺等は、注視野の減少の原因でもあり、「眼球の著しい運動障害」(両眼につき11級1号、一眼につき12級1号)を併発することもあります。反対に「眼球の著しい運動障害」に該当する眼筋の麻痺等がある場合には、複視も残すことになります。
4. 視野障害
視野障害とは、同時に見える広さが減ってしまう後遺障害です。
9級3号 | 両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
---|---|
13級3号 | 一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの |
- Q 「両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの」(9級3号)とはどのような場合ですか?
-
- 両眼について、ゴールドマン型視野計による検査においてV/4指標による8方向の視野の角度の合計が、正常視野の角度の60%以下になった場合をいいます。なお、暗点は絶対暗点を採用し、比較暗点は採用しないこととされています。
【解説】
- 視野とは眼前の1点を見つめていて、同時に見える外界の広さをいいます。左右の眼で得た実像は視神経を通じて、視神経交叉で半交差しながら、大脳の視中枢に運ばれます。そして、ものを立体的に見ることができるのですが、この視覚伝達経路が損傷を受けると、視野に異常を生じます。
- 半盲症とは、視野経繊維が、視神経交叉又はそれより後方において侵されるときに生じるものであって、注視点を境界として、両眼の視野の右半部又は左半部が欠損するものをいいます。なお、両眼同側の欠損するものは同側半盲、両側の反対側の欠損するものは異名半盲といいます。
- 視野狭窄とは、視野周辺の狭窄であって、これには同心性狭窄と不規則狭窄があります。高度の同心性狭窄は、たとえ視力は良好であっても、著しく視機能を阻げ、周囲の状況をうかがい知ることができないため、歩行その他諸動作が困難となります。また、不規則狭窄には、上方に起こるものや内方に起こるもの等があります。
- 視野変状には、半盲症、視野の欠損、視野狭窄及び暗点が含まれますが、半盲症及び視野狭窄については、障害等級表に明示されているので、ここにいう視野変状は、暗点と視野欠損をいいます。
- なお、暗点は、生理的視野欠損(盲点)以外の病的欠損を生じたものをいい、中心性証漿液性脈絡網膜炎、網膜の出血、脈絡網膜炎等にみられることが多いです。比較暗点とはV/4指標では検出できないが、より暗い又はより小さな指標では検出される暗点をいいます。
- 網膜に感受不受部があれば、それに相当して、視野上に欠損を生じますが、生理的に存する視野欠損の主なものはマリオネット盲班(盲点)であり、病的な視野欠損は、網膜の出血、網膜動脈の閉塞等にみられます。
- Q「一眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの」(13級3号)とはどのような場合ですか?
-
- 一眼について、ゴールドマン型視野計による検査においてV/4指標による8方向の視野の角度の合計が、正常視野の角度の60%以下になった場合をいいます。なお、暗点は絶対暗点を採用し、比較暗点は採用しないこととされています。
【解説】
- 視野とは眼前の1点を見つめていて、同時に見える外界の広さをいいます。左右の眼で得た実像は視神経を通じて、視神経交叉で半交差しながら、大脳の視中枢に運ばれます。そして、ものを立体的に見ることができるのですが、この視覚伝達経路が損傷を受けると、視野に異常を生じます。
- 半盲症とは、視野経繊維が、視神経交叉又はそれより後方において侵されるときに生じるものであって、注視点を境界として、両眼の視野の右半部又は左半部が欠損するものをいいます。なお、両眼同側の欠損するものは同側半盲、両側の反対側の欠損するものは異名半盲といいます。
- 視野狭窄とは、視野周辺の狭窄であって、これには同心性狭窄と不規則狭窄があります。高度の同心性狭窄は、たとえ視力は良好であっても、著しく視機能を阻げ、周囲の状況をうかがい知ることができないため、歩行その他諸動作が困難となります。また、不規則狭窄には、上方に起こるものや内方に起こるもの等があります。
- 視野変状には、半盲症、視野の欠損、視野狭窄及び暗点が含まれますが、半盲症及び視野狭窄については、障害等級表に明示されているので、ここにいう視野変状は、暗点と視野欠損をいいます。
- なお、暗点は、生理的視野欠損(盲点)以外の病的欠損を生じたものをいい、中心性証漿液性脈絡網膜炎、網膜の出血、脈絡網膜炎等にみられることが多いです。比較暗点とはV/4指標では検出できないが、より暗い又はより小さな指標では検出される暗点をいいます。
- 網膜に感受不受部があれば、それに相当して、視野上に欠損を生じますが、生理的に存する視野欠損の主なものはマリオネット盲班(盲点)であり、病的な視野欠損は、網膜の出血、網膜動脈の閉塞等にみられます。
5. まぶたの欠損障害
まぶたの欠損障害とは、まぶたの欠損に関する後遺障害です。
9級4号 | 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
---|---|
11級3号 | 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの |
13級4号 | 両眼のまぶたの一部に欠損を残しまたはまつげはげを残すもの |
14級1号 | 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの |
- Q「両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの」(9級4号)とはどのような場合ですか?
-
- 両眼について、閉瞼時(普通にまぶたを閉じた場合)に、角膜を完全に覆い得ない程度のものをいいます。
【解説】
- 両眼について、まぶたを閉じたときに角膜を完全に覆うことができない状態です。まぶたの欠損は通常の外貌の醜状障害として捉えることが可能ですが、この場合、いずれか上位等級が認定されることが通常です。
- Q「一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの」(11級3号)とはどのような場合ですか?
-
- 一眼について、閉瞼時(普通にまぶたを閉じた場合)に、角膜を完全に覆い得ない程度のものをいいます。
【解説】
- 一眼について、まぶたを閉じたときに角膜を完全に覆うことができない状態です。まぶたの欠損は通常の外貌の醜状障害として捉えることが可能ですが、この場合、いずれか上位等級が認定されることが通常です。
- Q「両眼のまぶたの一部に欠損を残しまたはまつげはげを残すもの」(13級4号)とはどのような場合ですか?
-
- 両眼について、閉瞼時(普通にまぶたを閉じた場合)に、角膜を完全に覆うことができるが、球結膜(白目)が露出している、あるいはまつげ縁(まつげのはえている周縁)の1/2以上にわたってまつげのはげを残すものをいいます。
【解説】
- 両眼について、まぶたを閉じれば角膜は完全に覆うことができるものの、白目が露出する状態ないしまつげ縁の1/2以上にわたってまつげはげを残す状態です。まぶたの欠損は通常の外貌の醜状障害として捉えることが可能ですが、この場合、いずれか上位等級が認定されることが通常です。
- Q「一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの」(14級1号)とはどのような場合ですか?
-
- 一眼について、閉瞼時(普通にまぶたを閉じた場合)に、角膜を完全に覆うことができるが、球結膜(しろめのことです)が露出している、あるいはまつげ縁(まつげのはえている周縁のことです)の1/2以上にわたってまつげのはげを残すものをいいます。
【解説】
- 両眼について、まぶたを閉じれば角膜は完全に覆うことができるものの、白目が露出する状態ないしまつげ縁の1/2以上にわたってまつげはげを残す状態です。まぶたの欠損は通常の外貌の醜状障害として捉えることが可能ですが、この場合、いずれか上位等級が認定されることが通常です。
6. まぶたの運動障害
まぶたの運動障害とは、まぶたの運動に関する後遺障害です。
11級2号 | 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
---|---|
12級2号 | 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの |
- Q「両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの」(11級2号)とはどのような場合ですか?
-
- 両眼について、開瞼時に、瞳孔領を完全に覆うもの又は閉瞼時に角膜を完全に覆い得ないものをいいます。
【解説】
- まぶたの運動障害は、顔面や側頭部を強打することで、視神経や外眼筋が損傷されることで発症します。
- まぶたを開けた時に瞳を完全に覆うものは眼瞼下垂と言われます。まぶたを閉じたときに角膜を完全に覆えないものは兎眼と言われます。
- Q「一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの」(12級2号)とはどのような場合ですか?
-
- 一眼について、閉瞼時(普通にまぶたを閉じた場合)に、瞳孔領を完全に覆うもの又は閉瞼時に角膜を完全に覆い得ないものをいいます。
【解説】
- まぶたの運動障害は、顔面や側頭部を強打することで、視神経や外眼筋が損傷されることで発症します。
- まぶたを開けた時に瞳を完全に覆うものは眼瞼下垂と言われます。まぶたを閉じたときに角膜を完全に覆えないものは兎眼と言われます。
7. まとめ:眼の後遺障害
眼の後遺障害には、視力障害、調節機能障害と運動障害、視野障害、まぶたの欠損障害、まぶたの運動障害があります。
障害の種類と程度により、後遺障害の等級が決まります。
眼の後遺障害は専門的な判断が必要です。悩んだら、まずは交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。
(監修者 弁護士 粟津 正博)