交通事故のむちうちでMRI検査をするメリット
最終更新日:2025年01月23日
- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博
- Q交通事故のむちうちでMRI検査をするメリットは何ですか?
-
交通事故のむちうちでMRI検査をするメリットは次の通りです。
- 治療方針を決めることができる
- 異常があると治療費打ち切りのリスクが下がる
- 異常があると休業損害打ち切りのリスクが下がる
- 異常があると後遺障害申請で有利になる
1. むちうちとは
むちうちとは骨折や脱臼のない頚部や脊柱の軟部組織の損傷です。頚椎捻挫や頚部挫傷、外傷性頚部症候群、外傷性神経根症などの診断名が付きます。
2. MRI検査とは
3. レントゲン検査とMRI検査
交通事故で病院に行ったとき、最初に行うのはレントゲン検査です。レントゲン検査は骨折の有無などを確認する検査です。
MRI検査はレントゲン検査ではわかりにくい神経症状のための検査です。
症状が重いときや症状が改善しないとき、MRI検査を行うことが多いです。たとえば、手や指のしびれ、感覚異常などがあるときに行います。
MRI検査は通院している病院に設備がないことが多いです。設備がないときは主治医に紹介状をもらい、設備がある病院で検査します。高度な設備がある画像読影専門病院などへの紹介状をもらうのも1つの方法でしょう。
4. 交通事故のむちうちでMRI検査をするメリット
では、交通事故のむちうちでMRI検査をするメリットは何でしょうか?
むちうちでMRI検査をするメリットは次の点です。- 治療方針を決めることができる
- 異常があると治療費打ち切りのリスクが下がる
- 異常があると休業損害打ち切りのリスクが下がる
- 異常があると後遺障害申請で有利になる
① 治療方針を決めることができる
MRI検査を行うと、現在の症状の原因が正確にわかることがあります。今後の治療を適切に受けることができます。
② 異常があると治療費打ち切りのリスクが下がる
経験上、MRI検査で異常があると治療費打ち切りのリスクが下がります。
事故による通常の治療期間はむちうちだと3~6カ月が多いです。
怪我の種類 | 治療期間の目安 |
---|---|
打撲・挫傷 | 1~3カ月 |
捻挫 | 3~6カ月 |
骨折 | 6カ月以上 |
- 注 個別事案により異なります。
MRI検査で異常があると、保険会社が費用を支払う治療期間が延びる傾向にあります。そのため、治療費打ち切りのリスクも下がります。
③ 異常があると休業損害打ち切りのリスクが下がる
経験上、MRI検査で異常があると休業損害打ち切りのリスクが下がります。
MRI検査で異常がある場合、症状の裏付けの証拠があることになります。医師も保険会社に休業の必要性を説明しやすくなります。休業が必要である旨の診断書を医師が作成してくれることもあります。
そのため、MRI検査で異常があると休業損害打ち切りのリスクが下がります。
④ 異常があると後遺障害申請で有利になる
経験上、MRI検査で異常があると後遺障害申請で有利になります。
むちうちの場合、MRI検査で異常があると、後遺障害認定となることが多いです。具体的には次の等級になることがあります。
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
5. 主治医に検査をお願いする方法
では、主治医にMRI検査をお願いするにはどうすればよいでしょうか?
何もお願いしなくても主治医がMRI検査を行うこともあります。もっとも、主治医がMRI検査をいつも行うとは限りません。次のようなお願いを主治医にするとMRI検査にスムーズに進むことが多いです。- 事故による補償が出る間にしっかり検査しておきたい
- 保険会社が治療費を支払う間に念のため症状の原因を確認しておきたい
- 心配なので念のためできることはしておきたい
- 保険金をたくさん欲しいから検査をして欲しい
- 患者である私が希望しているのだから当然検査して欲しい
- 医療ミスかもしれないから検査をして欲しい
主治医と信頼関係を築きながら治療や検査を進めていきましょう。
6. まとめ:交通事故のむちうちでMRI検査をするメリット
交通事故のむちうちでMRI検査をするメリットは次の通りです。
- 治療方針を決めることができる
- 異常があると治療費打ち切りのリスクが下がる
- 異常があると休業損害打ち切りのリスクが下がる
- 異常があると後遺障害申請で有利になる
- 監修者
- よつば総合法律事務所
弁護士 粟津 正博