慢性硬膜下血腫(12級)の会社員が、624万円を受領した事例
最終更新日:2023年01月26日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 粟津 正博

- 病名・被害
- 頚椎捻挫、慢性硬膜下血腫
- けがの場所
- 頭部
- 最終獲得金額
- 624万円
- 後遺障害等級
- 12級
事故の状況
事故現場は信号機のある十字路交差点です。
細井さん(仮名)は車を運転して直進していました。青信号だったので交差点に進入したところ、対向車線から車が右折してきます。
細井さんの車と加害者の車は衝突しました。
ご相談内容
細井さんの車は衝突後、電柱に衝突して停止しました。車両も大破です。
救急車で病院に搬送され、1週間ほど経過観察となりました。
事故後1か月ほどで左腕の強いしびれ
事故から1か月ほどで、細井さんは左腕の強いしびれを感じるようになります。また、我慢できないような頭痛も発生します。
頭部の検査をしたところ、硬膜下から慢性的な出血があり、頭痛の原因となっていることが分かりました。そのため、血種洗浄除去術を施行しました。
治療とリハビリを継続するも、左腕の強いしびれが改善しない
細井さんはその後も治療とリハビリを継続します。しかし、左腕の強いしびれが改善することはありませんでした。
細井さんは方向性に悩んで弁護士に依頼
細井さんは、今後の方向性に悩んで弁護士に相談します。
弁護士に相談したところ、細井さんは弁護士から次のようなアドバイスを受けました。
- 認められるかどうかはわからないものの、症状が残っているのであれば後遺障害の申請をするのが望ましい。
- 弁護士が後遺障害の申請をしたほうが、適切な結果になりやすい。
- 示談交渉は、弁護士がしたほうが金額が増えることが多い。
細井さんは弁護士に任せたほうがよいと考え、弁護士に依頼することとしました。
弁護士の対応と結果
12級で224万円を自賠責保険から受領
弁護士が後遺障害の申請をしたところ、慢性硬膜下血腫後の脳実質への圧迫を理由とする左腕のしびれについて「局部に神経症状を残すもの」(12級13号)となりました。
12級になったので、細井さんは保険会社から224万円を受領しました。
交渉で400万円を任意保険会社から受領
弁護士は、任意保険会社との交渉をスタートします。
12級になったので、後遺障害慰謝料や逸失利益も請求できます。結果として400万円で合意できました。
細井さんは、任意保険会社から400万円を受領できました。
細井さんが受領した金額のまとめ
自賠責保険 | 224万円 |
---|---|
任意保険 | 400万円 |
合計 | 624万円 |
解決のポイント
1. 左腕のしびれの原因は頚椎捻挫ではないこと
細井さんは強い左腕のしびれや脱力感を自覚していました。
もっとも、細井さんは事故直後に左上肢のしびれの症状を訴えておらず、細井さんが同症状を訴えたのは事故から約1ヵ月後でした。
頚椎捻挫後の症状として腕のしびれを訴えるケースは比較的多いですし、MRIの画像所見があれば後遺障害になる確率は高いです。
もっとも、保険会社の基本的な考え方では、頚椎捻挫による症状は事故直後から訴えがあってしかるべきるべきもので、事故後しばらく時間が経過してから訴える症状については事故との関係を否定されてしまうことが多いです。
細井さんのケースでも、頚椎捻挫によって左腕のしびれが出現していると主張しても、事故との関係が否定される可能性が高い状況でした。
2. 左腕のしびれの原因は慢性硬膜下血腫であること
細井さんは、事故後1か月して慢性硬膜下血腫との診断を受けました。
そこで、慢性硬膜下血腫と左腕のしびれとの関係を弁護士は疑います。
具体的には、医療機関に医療照会を行い、カルテを取得して慢性硬膜下血腫の治療経過を追いました。
結果的には、細井さんの左上肢しびれは、慢性硬膜下血腫後の脳実質への圧迫によるものであると判断されます。その結果、後遺障害12級となりました。
単にしびれがあると言っても、脊髄や脳などの中枢神経からくるものなのか、末梢神経からくるものなのかは異なります。後遺障害の申請をするうえでどのような説明をするのかという点も非常に重要です。
細井さんの症状は、発症遅延として後遺障害が否定されそうな症状だったものの、医療記録を精査し、適切な後遺障害の認定を得ることができました。
ご依頼者様の感想
相談して、後遺障害の申請をして良かったです。たくさん資料を検討していただいてありがとうございました。
(千葉県千葉市・50代・男性・会社員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q後遺障害の申請のところから弁護士に頼む人は多いですか?
-
多いです。後遺障害の申請は弁護士が入った方が適切な結果となることが多いでしょう。

- 監修者
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- 弁護士
- 粟津 正博