12級13号の認定を受けた女性が、裁判で20年分の逸失利益を獲得した事例
最終更新日:2025年04月10日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 根來 真一郎

- 病名・被害
- 左脛骨高原骨折
- けがの場所
- 足・股・膝
- 最終獲得金額
- 1000万円
- 後遺障害等級
- 12級
事故の状況
須賀さん(仮名)は横断歩道を歩いていました。すると、車が突っ込んできて、須賀さんにぶつかります。
須賀さんは脛骨高原骨折などになります。
入院と通院をあわせて800日を超える大けがでした。治療やリハビリを続けましたが治りませんでした。
ご相談内容
須賀さんは、保険会社の対応に不安がありました。
そのため、事故後の早い段階でよつば総合法律事務所に問い合わせをします。弁護士から後遺障害の申請サポートや今後の交渉の説明を須賀さんは聞きました。
須賀さんは弁護士に頼むのがよいと考え、よつば総合法律事務所に頼むこととしました。
須賀さんのご相談内容のまとめ
- 保険会社との対応が不安である。
- 後遺障害の申請のやり方がよくわからない。
- 保険金の交渉のことがよくわからない。
弁護士の対応と結果
須賀さんは、事故から800日を超える入院や通院を続けました。しかし、脛骨高原骨折などにより痛みや可動域等の症状が残ってしまいました。
事故による治療が終了したあと、後遺障害診断書の作成を医師にお願いしました。
できあがった後遺障害診断書や経過診断書などを弁護士は確認します。しかし、後遺障害診断書の加筆などが必要な内容でした。そこで、医師に後遺障害診断書の加筆をお願いしました。結果として無事に加筆ができました。
そして、後遺障害12級を目指して、自賠責保険に後遺障害の申請をしました。
そして、予定どおり「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)の後遺障害となります。自賠責保険で12級となると224万円を先にもらえます。
その後、弁護士は任意保険会社との交渉をします。しかし、交渉はまとまらず裁判になりました。保険会社は債務不存在訴訟を起こしてきたため、須賀さんも損害賠償請求訴訟を起こしました。
裁判では、医療記録に基づき細かな主張をしました。また、須賀さんから様々な事情を聞き、細かな主張をしました。
その結果、20年分の逸失利益を獲得するなど、須賀さんにかなり有利な和解ができました。金額は約800万です。自賠責保険224万円とあわせて、合計で約1000万円をもらうことができました。
解決のポイント
1. 逸失利益20年分の獲得
裁判では、逸失利益の期間が問題となりました。逸失利益とは事故による収入減の賠償です。主婦でも逸失利益は請求できます。
須賀さんのけがは、主婦の仕事に何年ほどの影響があるかが争点になりました。
須賀さんの後遺障害は「局部に頑固な神経症状を残すもの」(12級13号)です。12級13号の後遺障害のときは、逸失利益の期間を10年程度にすることもあります。
しかし、須賀さんの怪我は脛骨高原骨折と重症でした。そのため、10年の逸失利益はおかしいことを裁判で主張しました。
最終的には、20年の逸失利益で合意できました。
2. 保険会社が債務不存在確認訴訟を提起
保険会社と示談交渉が決裂し、保険会社は裁判を起こしてきました。債務不存在確認訴訟です。
「保険会社は〇円以上は支払う義務がない」として保険会社側が起こす裁判が債務不存在確認訴訟です。交通事故では時々ある裁判です。
被害者は、損害賠償請求の裁判を逆に起こすことが通常です。結果として、通常の裁判と同じ流れになります。
今回は、私たちからも裁判を起こし、裁判で細かい主張をしたところ、合計約1000万円をもらう合意ができました。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(千葉県柏市・40代・女性・兼業主婦)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q債務不存在確認訴訟とは何ですか?
-
支払義務がないことを求めて保険会社側が起こす裁判です。
「一切支払義務がないことを求める場合」「一部の支払義務がないことを求める場合」の2パターンがあります。
通常は、被害者側も裁判を起こして、最終的に裁判で決着を付けることとなります。
- Q債務不存在確認訴訟はどのようなときに起こされますか?
-
交通事故では、両者の対立が激しいときなどです。
その他、次のようなときに債務不存在確認訴訟が起こされることがあります。
- 交渉当事者が連絡に対応しないとき
- 裁判以外に解決手段がないと思われるとき
- 当事者のいずれかの要求が明らかに過大なとき
- Q脛骨高原骨折は後遺障害何級になることがありますか?
-
10級、12級、14級になることがあります。
脛骨高原骨折とは脛骨上端部の平らな面の骨折です。脛骨顆部骨折、脛骨近位端骨折、脛骨高原骨折、プラトー骨折などと呼ばれます。
- Q逸失利益の期間はどのように計算しますか?
-
原則として67歳までで計算します。ただし、痛みやしびれなどの神経症状の場合、12級で10年程度、14級で5年程度に期間を制限することもあります。
- Q主婦も逸失利益を請求できますか?
-
できます。主婦の逸失利益はもらしやすいので注意しましょう。
- Q 被害者請求とは何ですか?
-
被害者請求とは、直接自賠責保険会社に後遺障害の申請をする方法です。

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- 弁護士
- 根來 真一郎