異議申立てにより14級9号の後遺障害となり455万円を獲得した事例
最終更新日:2025年04月11日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 佐藤 寿康

- 病名・被害
- 腰椎捻挫
- けがの場所
- 腰・背中
- 最終獲得金額
- 455万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
鶴田さん(仮名)は自家用車に乗っていました。赤信号で止まっていると、突然後ろから車にぶつけられました。
衝撃で鶴田さんの車は前に動きます。すると、鶴田さんの車は前に止まっていた車にもぶつかりました。
鶴田さんは頚椎捻挫と腰椎捻挫のけがをしました。
ご相談内容
鶴田さんは、首や腰の痛みに悩みながら通院を続けました。鶴田さんは約7カ月の治療を続けましたが、首や腰の痛みは治らず症状固定となりました。
後遺障害診断書を作成する前に、鶴田さんは弁護士に相談することにします。医師へ後遺障害診断書を頼む方法や、後遺障害の申請のやり方がよくわからなかったためです。
鶴田さんのご相談内容のまとめ
- 医師に後遺障害診断書を頼む方法がわからない。
- 後遺障害の申請のやり方がよくわからない。
弁護士の対応と結果
鶴田さんは弁護士に相談し、弁護士のアドバイスを受けました。そして、弁護士費用特約もあったので弁護士にお願いすることにします。
弁護士のサポートの元、医師に後遺障害診断書の作成をお願いし、後遺障害の申請をしました。
しかし、後遺障害ではないという結果でした。
納得できなかったため、鶴田さんは後遺障害の異議申立をしました。結果として、腰椎捻挫後の腰痛の症状が「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。
その後、弁護士は加害者の保険会社と賠償金の交渉をします。最終的には自賠責保険金75万円に加えて、約380万円を受け取ることができました。
弁護士の対応と結果のまとめ
- 後遺障害は14級9号が認定された。
- 自賠責保険から75万円、加害者の任意保険から380万円の合計455万円を受け取ることができた。
解決のポイント
1. 後遺障害の異議申立に成功
後遺障害等級の認定結果に納得できないとき、異議申し立てができます。
鶴田さんのけがは、レントゲンやMRIなど画像所見での異常はありません。また、神経学的所見も異常もありません。
そのため、1回目の後遺障害審査では、将来においても回復が困難と見込まれるものではないと判断され、後遺障害は非該当になりました。
しかし、異議申立では次のような指摘をしました。
- 事故から1年以上が経過しても残った症状に悩まされていること
- 事故車両の様子からして衝撃は小さくないこと
- 主治医は事故が原因の症状があると判断していること
その結果、腰椎捻挫後の腰痛の症状は将来においても回復が困難と見込まれる障害と判断され、後遺障害は14級9号になりました。
2. 主治医からの追加の書類の取得
頚椎捻挫や腰椎捻挫の異議申立では、症状の推移についての書面や神経学的所見の推移についての書面を主治医にお願いすることが多いです。
主治医にお願いをしたところ、事故が原因の症状が残っていることを前提とする書類ができました。主治医が作成する書類があったことが、14級9号となった大きな理由です。
異議申立をするときは、交通事故に詳しい弁護士に相談しながら慎重に進めましょう。
3. 主婦の休業損害の獲得
休業損害とは事故によって仕事ができなかった分の損害です。
鶴田さんは専業主婦でした。専業主婦も主婦の休業損害を請求できます。
鶴田さんに残った症状の程度は重く、治療期間中も満足に家事できない状況でした。そのため、休業損害が大きな問題となりました。
粘り強く交渉を行い、治療期間中まったく家事ができないとして算定する休業損害の70%を超える金額で示談をすることになりました。裁判をしたときに得られる金額よりも多い金額での解決になったと考えられます。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(千葉県印西市・30代・女性・専業主婦)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q頚椎捻挫や腰椎捻挫の後遺障害の異議申立のこつは何ですか?
-
追加の証拠を提出することです。同じ証拠だと同じ結果となってしまう確率が高いです。たとえば、次のような証拠が重要です。
- 主治医が作成する診断書
- 事故状況が重大だったことがわかる車両の損傷状況の写真や修理代の資料
- 症状固定も治療を続けていたことがわかる病院の領収書
個別の事案によって必要な書類や証拠は変わってきます。異議申立は交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。
- Q主婦の休業損害の注意点は何ですか?
-
まずは、主婦の休業損害の請求を忘れないようにしましょう。また、1日の金額や日数が適切な内容になっているか慎重に検討しましょう。
主婦の休業損害は専門的な判断が必要です。判断に迷ったら交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。

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- 弁護士
- 佐藤 寿康