重要な症状が診断書で初めて出たのは事故から5か月後でした。しかし、カルテには事故直後から症状の記載があることを指摘し、後遺障害14級となった事例

最終更新日:2023年03月01日

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
佐藤 寿康
当初の提示額なし
最終獲得金額
430万円
430万円 増額
千葉県柏市・40代・男性・会社員
病名・被害
頸椎捻挫・肋骨骨折
けがの場所
手・肩・肘
最終獲得金額
430万円
後遺障害等級
14級

事故の状況

三島さん(仮名)は、バイクに乗って片側2車線の道路の左車線をまっすぐ進んでいました。すると、右車線を走っている車が三島さんの左車線に車線変更をしてきます。

三島さんは避けることができず、進路変更してきた車にぶつかりました。

三島さんは、頸椎捻挫や肋骨骨折などのけがをしました。

ご相談内容

三島さんは、頸椎捻挫や肋骨骨折などのけがをしました。右肩の痛みや肋骨の骨折後の痛みなどの症状があります。

三島さんは11か月ほど治療を続けます。しかし、右肩や右腕の痛みの症状が残ってしまいました。三島さんは医師に後遺障害診断書を書いてもらいました。

そして、三島さんは後遺障害のことが気になり、よつば総合法律事務所に問い合わせをしました。

弁護士と三島さんは相談をします。三島さんは弁護士に頼んだ方がよさそうと考え、弁護士に頼むことにしました。

三島さんのご相談内容のまとめ

  1. 後遺障害診断書を書いてもらったが、後遺障害になるかが気になっている。
  2. 賠償額を増やせるのであれば増やしたい。

右肩の痛み

弁護士の対応と結果

弁護士は代理をすると、保険会社から資料を取り寄せします。具体的には、診断書診療報酬明細書を取り寄せします。

すると、右肩の痛みの症状の記載は、事故から5か月後に初めて書いてありました。

弁護士は三島さんに過去の経緯を確認します。三島さんの話では、事故直後から右肩の痛みは医師に伝えているということでした。

そこで、弁護士はカルテを追加で取り寄せします。カルテには右肩の痛みを三島さんが事故直後から医師に伝えているという記載がありました。

そのため、弁護士は、カルテの写しも添付書類として後遺障害を被害者請求で行います。

結果として、頚椎捻挫後の右肩痛と右腕痛が「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。14級9号の後遺障害になったので先に75万円を三島さんはもらえました。

引き続き、保険会社との交渉を弁護士はスタートします。保険会社は三島さんの過失を主張していましたが、交渉の結果、過失をゼロにすることができました。

結果として、三島さんは追加で355万円をもらえます。自賠責保険と合計では430万円をもらえました。

三島さんが受け取った金額のまとめ

自賠責保険 75万円
任意保険 355万円
合計 430万円

解決のポイント

1. カルテを付けて後遺障害の申請をしたこと

被害者請求のためにカルテを取得することは多くありません。しかし、今回の事故は被害者請求時に提出する定型の書類だけでは、後遺障害が認定されなそうな状況でした。

そのため、事故直後から痛みがあったことがわかるカルテを付けて後遺障害の申請をしたところ、後遺障害が認定されました。

2. 刑事記録を取り寄せして過失ゼロで合意できたこと

刑事記録を取り寄せして精査したところ、物損の示談時には考慮されていない、責任割合に影響する重要な事実があることが判明しました。物損の示談はよつば総合法律事務所へのお問い合わせ前に三島さんが自分でしていました。

人身損害の示談交渉に着手する際、弁護士は有利な事実を主張しました。その結果、物損の示談時とは異なり、三島さんの責任の割合をゼロとする人身損害の示談が成立しました。

ご依頼者様の感想

ありがとうございました。

(千葉県柏市・40代・男性・会社員)

本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。

本事例へのよくある質問

Q物損と人身の過失割合が異なるときはありますか?

物損と人損が異なる過失割合となることはあります。ただし、多くの事案では物損と人損は同じ過失割合です。

物損の過失割合を合意するときは、人損の過失割合も同じになるかもしれないことを踏まえつつ慎重に検討しましょう。

Q事故当初にない症状は後遺障害になりませんか?

一般的には後遺障害にはならないケースが多いでしょう。

Q被害者請求とは何ですか?

被害者請求とは自賠責保険会社に直接請求するやり方です。

後遺障害の請求方法は2種類です。被害者請求事前認定です。事前認定とは相手任意保険会社に手続きを任せるやり方です。

被害者請求とは

事前認定とは

Q刑事記録の取り寄せはどの段階でできますか?

刑事事件の処分が終わったあとであれば取り寄せできます。刑事事件の裁判中でも取り寄せできることもあります。

刑事記録の取り寄せ方法
刑事事件の状況 取り寄せ先
捜査中 取り寄せできない
不起訴 検察庁
刑事裁判中 裁判所
刑事裁判確定後 検察庁

監修者
よつば総合法律事務所
弁護士
佐藤 寿康

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