左下腿開放骨折後に左下腿を切断し、併合5級で1574万円の自賠責保険金を受領し、さらに加害者の任意保険会社から1450万円を獲得した事例
最終更新日:2025年04月14日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 今村 公治

- 病名・被害
- 左下腿切断
- けがの場所
- 足・股・膝
- 最終獲得金額
- 1450万円
- 後遺障害等級
- 1~5級
事故の状況
井口さん(仮名)は、バイクに乗っていました。道路をまっすぐに進んでいたところ、道路の外のコンビニエンスストアから車が飛び出してきます。路外から急に出てきた自動車と衝突するという事故に遭いました。
井口さんは、左下腿開放骨折などのけがをします。左足を膝下で切断する手術しました。
ご相談内容
井口さんは、左足の切断手術後に左足の幻肢痛や、創部感染症に悩まされます。井口さんは、2年6カ月ほどの治療とリハビリを続けて症状固定となりました。
井口さんは治療中にいろいろ気になっていることがありました。今後の治療のことや後遺障害のこと、賠償金のことなどです。特に、けがが重かったことと過失割合の評価に争いがあったため、井口さんは早期に弁護士に依頼しました。
井口さんのご相談内容のまとめ
- けがが重かったので、後遺障害のことが心配である。
- 過失割合に争いがあることが納得できない。
- 今後の生活に必要な賠償金がもらえるか不安である。
弁護士の対応と結果
弁護士は、まずは後遺障害の申請の準備を進めます。
資料をそろえて被害者請求をしたところ、次の後遺障害となりました。
- 足の切断について「一下肢を足関節以上で失つたもの」(5級5号)
- 右腕の傷跡について「上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」(14級4号)
- あわせて併合5級
後遺障害5級になると、自賠責保険から先に1574万円がもらえます。
その後、弁護士は任意保険会社との交渉をスタートします。しかし、加害者は事故の責任を否定しており、賠償の提示額は0円でした。
そのため、弁護士は加害者への損害賠償請求の裁判を起こします。過失の有無や逸失利益が争いとなりましたが、裁判の結果、加害者の保険会社から約1450万円の賠償をもらえました。
井口さんが受け取った金額のまとめ
自賠責保険 | 1574万円 |
---|---|
任意保険 | 1450万円 |
合計 | 3024万円 |
弁護士の対応と結果のまとめ
- 後遺障害を申請
- 自賠責保険から1574万円を獲得
- 損害賠償を求める裁判を提起
- 任意保険から1450万円を獲得
- 合計で3024万円を獲得
解決のポイント
1. 相手に過失を認めさせることに成功
今回は、加害者が事故の責任を否定していました。そのため、加害者は一切賠償に応じないという状況からのスタートでした。
裁判でも、加害者は事故の責任を否定していました。そこで、警察が作成した刑事記録の記載を精査や分析し、客観的な資料をもとに、加害者に事故の責任があることを詳細に説明し、裁判所に訴えかけました。
その結果、加害者も過失があることを認めました。最終的には裁判所上の和解で解決することができました。
過失割合に争いがあるときは、刑事記録やドライブレコーダー、防犯カメラ映像等の客観的資料を精査し、事故態様をよく確認し、過失割合の評価について適切に主張反論する必要があります。
2. 適切な逸失利益を獲得
逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間で算定します。
本件では、基礎収入と喪失率について、加害者と争いになりました。
裁判では、基礎収入について、現在の実収入を超える収入を得る蓋然性があることを主張しました。また、喪失率について、被害者の後遺障害の程度、被害者の仕事内容、業務への支障があることなどを、丁寧に主張しました。
その結果、相手の主張する金額を大幅に超える逸失利益の金額を裁判所に認定してもらい、解決することができました。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(千葉県千葉市・30代・男性・会社員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q脛骨高原骨折ではどのような後遺障害になりますか?
-
可動域制限や痛みの程度に応じて、10級、12級、14級になることがあります。
- Q踵骨骨折ではどのような後遺障害になりますか?
-
可動域制限や痛みの程度に応じて、10級、12級、14級になることがあります。
- Q慰謝料を増額するにはどうすればよいですか?
-
慰謝料を増やすには次のような方法があります。
- 適切な期間の通院を行う
- 裁判の基準など適切な計算方法で慰謝料を計算する
- 後遺障害申請をする
- 個別の慰謝料増額事由の主張をする
- 裁判所などの公的機関を利用する
- 弁護士へ相談や依頼をする
- Q後遺障害11級になると、慰謝料はいくらになりますか?
-
裁判の基準だと、後遺障害慰謝料は420万円です。あわせて、入院や通院の期間や回数に応じて、入通院慰謝料がもらえます。

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- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 今村 公治