賠償請求の裁判を先行し、過失分は全額を人身傷害保険で受領した脛骨高原骨折と踵骨骨折の事例
最終更新日:2023年03月03日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 佐藤 寿康

- 病名・被害
- 脛骨高原骨折・踵骨骨折
- けがの場所
- 足・股・膝
- 最終獲得金額
- 470万円
- 後遺障害等級
- 14級
事故の状況
千田さん(仮名)は、歩いて道路を横断しようとしました。すると、左側から車が近づいてきます。千田さんはとっさに体の向きを変えて避けようとしますが避けきれません。千田さんは車に衝突しました。
ご相談内容
千田さんは、脛骨高原骨折や踵骨骨折などのけがをします。いろいろな症状に悩まされました。1年6カ月ほど治療を続けましたが、膝関節の痛みは最後まで残ってしまいました。
膝関節の痛みの症状は「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)の後遺障害になりました。
千田さんは保険会社から賠償額の提案の書面をもらいました。千田さんは保険会社からの提案で合意してもよいかよくわからず心配でした。また、自分に過失があるとの指摘も納得できませんでした。
千田さんはまずは弁護士に相談しようと思い、よつば総合法律事務所に問い合わせをしました。
弁護士が保険会社の提案を確認したところ、賠償額や過失割合について交渉による改善ができるかもしれない状況とわかりました。
弁護士費用特約付の保険にも入っていたため、千田さんは弁護士にお願いすることにしました。
千田さんのご相談内容のまとめ
- 保険会社からの提案で合意してよいかわからず心配である。
- 賠償金のことが気になっている。
- 過失割合が納得できない。
- 賠償金を増額できるなら、ぜひ増やしたい。
弁護士の対応と結果
弁護士は過失割合をまずは検討します。横断歩道ではないところを千田さんは歩いて横断中に事故にあいました。そのため、残念ながら、千田さんにも一定の過失があります。
次に、弁護士は千田さんの保険の内容を確認します。人身傷害保険に入っていれば、過失の割合に関係なく、納得できる解決ができるかもしれないためです。
人身傷害保険とは、自らの過失分の補償などがある保険です。
弁護士が確認したところ、千田さんは人身傷害保険に入っていました。そこで、弁護士と人身傷害保険の保険会社で協議をしたところ、次の通りとなりました。
- 話し合いでは過失分全額を補償できない。
- 裁判での解決であれば、過失分全額を補償できる。
そこで、弁護士は加害者に裁判を起こします。その結果、加害者の保険会社からは約470万円をもらえました。そして。人身傷害保険の保険会社からは過失分全額の約150万円をもらえました。総額で620万円です。
千田さんの受け取った金額のまとめ
加害者の保険会社 | 470万円 |
---|---|
人身傷害保険の保険会社 | 150万円 |
合計 | 620万円 |
弁護士の対応と結果のまとめ
- 人身傷害保険の有無を確認
- 人身傷害保険の保険会社と協議
- 加害者の保険会社に裁判を提起
- 加害者の保険会社から470万円を獲得
- 人身傷害の保険会社から150万円を獲得
- 合計で620万円を獲得
解決のポイント
人身傷害保険の利用
人身傷害保険とは、交通事故で負傷等したときに、人身損害を補償する、自らの任意保険に付帯した保険です。
人身傷害保険では過失分の補償がもらえることがあります。
たとえば、総損害額1000万円で被害者の過失が30%とします。加害者の保険会社だけとの交渉だと、700万円しかもらえません。
【計算式】1000万円×70%=700万円
しかし、人身傷害保険に入っていると、過失分として引かれた300万円が補償の対象となることがあります。結果として満額の1000万円をもらえます。
人身傷害保険は難しい保険です。利用について悩んだら、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。
ご依頼者様の感想
ありがとうございました。
(東京都葛飾区・40代・女性・兼業主婦)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q人身傷害保険はどのようなときに利用するのがよいですか?
-
次のような事故のときに利用するとよいでしょう。
- 単独事故のとき
- 過失がある事故のとき
- 加害者が無保険のとき
- 加害者が事故を認めない等のとき
- 加害者の任意保険会社が治療費や休業損害を打ち切るとき
人身傷害保険は利用の順序や方法により補償額が変わってくることがあります。悩んだら示談前に交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

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- 弁護士
- 佐藤 寿康