事例437腰椎捻挫
後遺障害非該当だったものの、弁護士が異議申し立てを行った結果14級9号が認定され、過失ゼロになり350万円を受領
最終更新日:2023年03月28日
文責:弁護士 粟津 正博
保険会社提示額 : 65万円
- 解決額
- 350万円
- 増額倍率 :5.4倍
- 病名・被害
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- むちうち(首・腰)
- 怪我の場所
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- 腰・背中
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
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- 14級
事故発生!自転車対自動車の事故
平成30年某月、青野玲子さん(仮名・佐倉市在住・50代・女性・兼業主婦)が自転車に乗って交差点を直進中、自動車に衝突され転倒するという事故に遭いました。
相談から解決まで
被害者は事故により、腰椎捻挫等の傷害を負い、特に腰痛と足指のしびれに悩まされていました。約半年にわたり懸命に治療・リハビリを行いましたが、主治医から症状固定と判断をされました。
その後、保険会社経由で後遺障害の申請(事前認定)をおこなった結果、被害者の症状は後遺障害に該当しないと判断されました。その上で、保険会社から約65万円の賠償金を提示されました。しかし、保険会社からの提示額に納得ができず当事務所に相談にいらっしゃいました、
当事務所が代理後、まず各医療機関からカルテを取り付け、内容を分析しました。その上で、主治医に医療照会を行い、これらの情報をもとに、被害者の腰痛、右第1~4趾の痺れ等の症状について将来にわたって残存することが医学的にも説明可能であることを再度主張し、後遺障害に該当しないとした判断について異議を申し立てました。その結果、認定が覆り、被害者の諸症状は14級9号に該当するものと判断されました。
その後、保険会社と異議申し立て結果をもとに交渉を行い、最終的に350万円を受領する内容で解決しました。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受け、後遺障害の異議申立を行った結果、後遺障害等級が認定されました。また、弁護士介入前は被害者の過失を主張されていましたが、これをゼロとする内容で示談をしました。
解決のポイントは以下の点です。
1異議申立について
本件では、当初被害者の訴える症状は医学的に原因が明らかでなく、他覚的に証明されていないものとして後遺障害には該当しないと判断されていました。
確かに、画像や神経学的所見からは被害者の腰痛や右第1~4趾の痺れ等を裏付ける決定的な所見はありませんでした。しかしながら、被害者は受傷時から同症状を訴えており、事故後1年が経過してもなお症状を抱えている状況でした。そこで、カルテや主治医の回答を踏まえ、この点を具体的に主張したところ、「将来においても回復が困難と見込まれる障害と捉えられる」として14級9号が認定されました。
頚椎捻挫・腰椎捻挫等のいわゆるむちうち症について14級9号が認められるか否かという点にいてはケースバイケースであり、難しい問題がありますが、医学的な証拠を詳細に検討・分析し、主張を組み立てることが重要です。
2逸失利益について
当初相手方保険会社担当者は、自転車と自動車の交差点における衝突事故であるとして、過失割合に関する裁判所の基準に従って被害者の過失が1割あると主張していました。もっとも、被害者は安全確認をして交差点に進入したはずであるのに自身に落ち度があるという判断に納得がいきませんでした。
そこで、刑事記録を取付けて事故の態様を詳細に検討しました。すると、被害者が交差点を横断し終わった後に左折してきた加害車両が追突している事実が判明しました。この点を改めて主張したところ、最終的に被害者の過失をゼロとする内容で解決をすることができました。
過失割合の決定においては刑事記録が有用な証拠となることがあります。当事務所では被害者の過失について少しでも疑問がある場合には刑事記録を弁護士会を通じて取得し、事案を究明することを心がけています。
依頼者様の感想
後遺障害も認定され、過失もゼロという内容に満足しています。ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 粟津 正博
本事例へのよくある質問
- 異議申立のこつは何ですか?
- 新たな証拠を付けて申立しましょう。
- 同じ証拠で申立をした場合、同じ結果となることが多いです。主治医作成の追加の資料など医学的な証拠を追加しましょう。