腰椎圧迫骨折(8級)の40代公務員が、紛争処理センター申し立てにより2919万円を受領できた事例
最終更新日:2020年09月23日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 第1、第2腰椎圧迫骨折
- けがの場所
- 腰・背中
- 最終獲得金額
- 2919万円
- 後遺障害等級
- 6~8級
事故の状況
袖野さん(仮名)が自転車に乗っていたところ、うしろからきた車と追突し、車にひかれました。
ご相談内容
袖野さんのけがは第1、第2腰椎圧迫骨折などです。
休業損害のことで事故直後に弁護士に依頼
袖野さんは公務員です。そして、休業損害のことが気になっていました。そこで、弁護士費用特約もあったので、事故直後に弁護士に依頼することにしました。
弁護士の対応と結果
スムーズに休業損害を受領
弁護士は休業損害証明書などの書類を集めて保険会社に請求します。袖野さんはスムーズに休業障害を受領できました。休業期間は3か月でした。
8級で819万円を自賠責保険会社から受領
袖野さんは1年ほどの治療を続けます。しかし、腰の痛みなどが治らずに症状固定となります。
弁護士が後遺障害の申請をしたところ「脊柱に中程度の変形を残すもの」(8級相当)の後遺障害となりました。
8級になったので、袖野さんは819万円を自賠責保険会社から受領しました。
2100万円を任意保険会社から受領
弁護士は任意保険会社との交渉をスタートします。
しかし、保険会社は後遺障害を8級ではなく11級と主張します。具体的には「脊柱に変形を残すもの」(11級7号)に過ぎないと主張します。しかも、賠償金の提示はわずか300万円です。
交渉は決裂します。
弁護士は袖野さんと相談のうえ、交通事故紛争処理センターへの申し立てをします。そして、弁護士は次のような主張をします。
- 自賠責保険の8級の認定は妥当なものであること
- 腰の強い痛みが残っていて、仕事に大きな影響を与えていること
- 賠償金を大幅に増額すべきであること
結果として、弁護士の主張を大幅に取り入れて、紛争処理センターは2100万円のあっせん案を提示します。保険会社もあっせん案に同意します。
袖野さんは任意保険会社から追加で2100万円を受領しました。
袖野さんが受け取った金額のまとめ
自賠責保険 | 819万円 |
---|---|
任意保険 | 2100万円 |
合計 | 2919万円 |
解決のポイント
1. 8級を前提にして2919万円を受領
袖野さんの後遺障害は8級です。
しかし、保険会社は8級ではなく11級と争ってきました。変形が軽度であるという保険会社の顧問医の意見書も出してきました。
11級7号 | 脊柱に変形を残すもの |
---|---|
8級相当 | 脊柱に中程度の変形を残すもの |
6級5号 | 脊柱に著しい変形を残すもの |
これに対して、弁護士は次のような準備をします。
- 主治医が作成した、変形の程度が8級の要件を満たしていることがわかる意見書
- 自賠責調査事務所より取り寄せした、8級の認定となった理由の書面
結果として、紛争処理センターは後遺障害を8級と判断しました。
2. 納得できる公務員の逸失利益を獲得
袖野さんは公務員です。公務員は事故による後遺障害になったとしても具体的な減収がないことも多いです。
そこで、弁護士は次のような事情を主張します。
- 脊柱の変形の程度は重いこと
- 脊柱の後方支持機能や保持機能に問題があること
- 袖野さんの実際の仕事に後遺障害が具体的な影響を与えていること
結果として、今後の減収の見込みも考慮して1000万円単位の逸失利益の認定となりました。袖野さんも納得できる金額でした。
ご依頼者様の感想
長い間お世話になりました。本当にありがとうございました。
(千葉県一宮市・40代・女性・会社員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q事故後収入の減少はありません。逸失利益は請求できますか?
-
できます。次のような事情を考慮して金額を決めます。
- 今後の減収の見込み
- 昇進や昇給等の不利益
- 業務への支障
- 退職や転職の可能性
- 勤務先の規模や存続可能性
- 本人の努力
- 勤務先の配慮
- 生活上の支障

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