鎖骨骨折(14級)にて、過失割合の交渉により20万円の提示が210万円に増えた50代の兼業主婦の事例
最終更新日:2023年04月18日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 辻 悠祐

- 病名・被害
- 左鎖骨骨折
- けがの場所
- 手・肩・肘
- 最終獲得金額
- 210万円
- 後遺障害等級
- 14級
事故の状況
田中さん(仮名)は横断道路の近くを自転車で横断しようとしました。すると、田中さんの左から車が進んできます。田中さんの自転車と相手の車はぶつかりました。
ご相談内容
田中さんのけがは左の鎖骨骨折です。入院と通院を合計で6か月ほど続けました。
後遺障害は14級9号
田中さんは自分で後遺障害の手続きをしました。その結果、左肩の痛みについて「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となります。
保険会社の提示額はわずか20万円
田中さんは保険会社から賠償額の提示を受けます。しかし、金額はわずか20万円でした。明らかに不当な金額です。
田中さんは弁護士に依頼
田中さんは20万円という金額に納得できません。そこで、田中さんは弁護士に相談します。
田中さんは弁護士費用特約には入っていませんでした。そのため弁護士費用は自己負担ですが、弁護士が代理するのが望ましい状況でした。
田中さんも弁護士に頼みたかったので、田中さんは弁護士に依頼しました。
弁護士の対応と結果
弁護士は保険会社との交渉をスタートします。
過失割合を大幅に変更することに成功
はじめの保険会社の提示は、田中さんが加害者というレベルの過失割合でした。
しかし、今回の事故は、自転車で道路を横断した田中さんが車とぶつかった事故です。田中さんが加害者とは思えません。
そこで、実況見分調書などの刑事記録や過去の裁判例の資料などを元にして、弁護士は保険会社との交渉を続けます。
交渉は長期化したものの、最終的には田中さんが被害者であることを前提として、田中さんも納得いく過失割合で合意できました。
個々の賠償額を増額することに成功
保険会社がはじめに提示する金額は休業損害や慰謝料も少ないものでした。
そこで、弁護士は増額を求めて交渉を続けます。
交渉は長期化したものの、最後は裁判の基準を前提として、田中さんも納得いく金額となりました。解決金額は210万円です。
元々の保険会社の提示額は20万円でしたので、10倍以上に増えました。
解決のポイント
1. 兼業主婦の休業損害を獲得
田中さんは兼業主婦です。兼業主婦も主婦ができなかった分の休業損害を請求できます。
しかし、はじめの保険会社の提示には、ほとんど兼業主婦の休業損害が入っていませんでした。そのため、弁護士が請求することにより、田中さんも満足できる主婦の休業損害を獲得できました。
兼業主婦の休業損害はもらしやすい請求項目です。もらさず請求するようにしましょう。
2. 慰謝料の大幅な増額に成功
はじめの保険会社の提示はどちらの慰謝料とも極めて低い提示でした。
極端に低い金額を提示する保険会社や保険会社担当者がたまにいます。不当な提示にひっかかることなく、適正な金額を請求することが大切です。
今回は、弁護士が裁判の基準で請求することにより、田中さんも満足できる水準の慰謝料を獲得できました。
ご依頼者様の感想
賠償金額を大幅に増額してくださりありがとうございました。
(千葉県柏市 50代 女性 兼業主婦)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q賠償額が10倍になった理由はどのような理由ですか?
-
過失割合の交渉が大きな理由です。
たとえば、治療費100万円を先に保険会社が支払っていたとします。そして、治療費以外の賠償額が100万円だとします。
この場合、過失が50%だとすると、被害者が追加で取得できる額は0円となってしまいます。
【計算式】 (治療費100万円+その他100万円)×50%-治療費100万円=0円
他方、過失割合が10%であれば、被害者が追加で受領できる額は80万円です。
【計算式】 (治療費100万円+その他100万円)×90%-治療費100万円=80万円
このように、過失割合によって大きく示談額は変わってきます。
- Q弁護士費用特約がなくても弁護士に相談や依頼をした方がよいですか?
-
気になることがあるときは、相談はした方がよいでしょう。
依頼をすると弁護士費用がかかってしまいます。弁護士費用が発生してもメリットがあるかどうかは弁護士と相談しながら決めましょう。

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- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 辻 悠祐