保険会社からの提案を弁護士に見せて相談・依頼したところ2倍以上に増額した事例
最終更新日:2023年02月17日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 佐藤 寿康

- 病名・被害
- 頸椎捻挫
- けがの場所
- 首
- 最終獲得金額
- 335万円
- 後遺障害等級
- 14級
- 事例の特徴
- むちうち(首・腰)
事故の状況
寒川さん(仮名)は車に乗っていたところ、渋滞に巻き込まれました。渋滞のため止まっていると、突然後ろの車が突っ込んできます。
寒川さんが衝突を避けることはどう考えてもできません。寒川さんは後ろの車に追突されました。
寒川さんは、頸椎捻挫のけがをします。首の痛みに悩まされました。約8か月治療を続けましたが、首の痛みは残りました。
ご相談内容
寒川さんは8カ月の通院を続けます。しかし、完治しませんでした。後遺障害の申請をしたところ、首の痛みが「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となりました。
引き続いて相手方の保険会社は損害賠償の提案をしてきました。提案内容が適正であるか知りたかったため、寒川さんはよつば総合法律事務所に相談しました。
寒川さんのご相談内容のまとめ
- 保険会社から提案された金額が適切かどうか知りたい。
- 弁護士に依頼をして増額ができるのであれば増額したい。
弁護士の対応と結果
弁護士が保険会社の提案を確認したところ、金額はかなり少ないものでした。具体的には慰謝料や逸失利益が少なかったです。
そのため、弁護士は寒川さんから依頼を受けて交渉を始めます。
保険会社は慰謝料について、裁判の基準の80%でないと合意できないと当初は主張していました。しかし、寒川さんの事故後の症状、仕事や日常生活への支障を説明し、寒川さんが被った苦痛が小さいものではないことを弁護士は保険会社に伝えます。
結果として、通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類の慰謝料について裁判の基準での合意ができました。
また、逸失利益については、寒川さんが取締役であることが問題となりました。寒川さんは役員報酬をもらっています。そして、役員報酬の金額は事故の前後で増減がありませんでした。
相手方保険会社は当初、収入の減少がないため後遺障害の逸失利益を算定すること自体が困難だと言ってきました。事故による将来の収入減はゼロという主張です。
しかし、弁護士は次のような事情を保険会社に説明しました。
- 寒川さんの勤務状況
- 従事する作業の内容
- 寒川さんと同じ作業を担当する他の従業員の給与額
- 寒川さんは他の役員との親族関係がなく、親族であることを理由とする好待遇は受けていないこと
交渉を続けたところ、保険会社は後遺障害の逸失利益を認めます。しかし、労働能力喪失期間は3年と言ってきました。
弁護士はさらに交渉を続けます。最終的には労働能力喪失期間は5年で解決できました。裁判の基準とほぼ同水準での解決です。
弁護士の対応と結果のまとめ
- 弁護士が代理したことにより、慰謝料が裁判の基準に増額した。
- 弁護士が代理したことにより、逸失利益を保険会社が支払った。
解決のポイント
1. 慰謝料は裁判の基準を獲得
慰謝料には3つの基準があります。①自賠責保険基準②任意保険基準③裁判基準です。
今回は弁護士が交渉をした結果、一番多い③裁判基準での解決をすることができました。
2. 役員報酬の逸失利益を獲得
役員報酬の逸失利益はもめやすいです。役員報酬は事故により減らないこともあるためです。今回は弁護士が交渉をした結果、役員報酬の逸失利益をもらうことができました。
ご依頼者様の感想
ありがとうございます。
(東京都足立区・50代・男性・会社役員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q労働能力喪失期間とは何ですか?
-
労働能力喪失期間とは、後遺障害により労働能力が失われる期間です。
頚椎捻挫で「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)となるとき、労働能力喪失期間は5年となることが多いです。
- Q裁判の基準の80%の慰謝料の提示というのはよくあることですか?
-
保険会社が裁判の基準の80%を提示することは比較的多いです。
弁護士が代理するときは、裁判の基準の100%で請求します。個別の事案によりますが、裁判の基準の90%~100%での解決が経験上は多いです。
- Q頚椎捻挫で8カ月の通院というのは適切な通院期間ですか?
-
適切な通院期間です。頚椎捻挫では3~6カ月が多いです。8カ月という通院期間は比較的しっかりと通院できたといえるでしょう。
- Q会社役員では逸失利益がゼロという事案もありますか?
-
経験上は少ないです。ただ、事故による仕事への影響が全くないようなときは、逸失利益がゼロになる可能性もあります。

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- 佐藤 寿康