事例416死亡
無職女性の死亡事故について、相続債務の調査をしそれに配慮しつつ損害賠償請求を行い、総額で約3,650万円を獲得
最終更新日:2023年04月17日
文責:弁護士 佐藤 寿康
保険会社提示額 : 提示前のご依頼
- 解決額
- 3,650万円
- 病名・被害
-
- 死亡事故
事故発生!歩行者対自動車の事故
平成29年某月、宮里さん(仮名・足立区在住・80代・女性)が、歩行して車道を横断していたところ、四輪自動車と衝突するという事故に遭いました。
相談から解決まで
宮里さんは自動車の下敷きになり、即死されました。
事故の2日後に宮里さんのご遺族が当事務所にご相談にいらっしゃいました。御相談のポイントは宮里さんの残された債務が中心でした。そこでまず債務の全貌の調査を先行しました。債務の全貌が概ね明らかになった後、交通事故による損害賠償請求を受任することとなりました。
受任後、まず大口の債務である税金の滞納を解消するため、当事務所が代理して被害者請求を行って必要なお金を確保しました。
さらに、相手方保険会社との賠償交渉を行ったところ、相続放棄をした他の遺族と意見を合わせてもらわないと示談成立はできないとの回答であったため、訴訟を提起しました。
結果、総額約3,650万円を受け取ることで和解成立に至りました。
当事務所が関わった結果
自賠責保険及び相手方保険会社から総額で約3,650万円を受け取ることが出来ました。
解決のポイントは以下の点です。
解決のポイントは以下の点です。
1被害者請求による債務返済資金の調達
宮里さんの債務のうち大きなものは未払税金で、年14.5%もの高率の延滞税が発生し続けていることから、最優先で解決しなければならない問題でした。そこで、自賠責保険に対する被害者請求を先行させ、その未払税金の納付資金を確保しました。
このことで、損害賠償請求に専心できることとなりました。
2損害賠償
⑴ 過失割合
訴訟手続において、加害者側は、85対15が相当であると主張してきました。当事務所の担当弁護士は、あらかじめ取得・検討してあった刑事記録を用いて、95対5が相当であると主張しました。
刑事記録の検討及びその用い方が奏功し、95対5を前提に和解成立に至りました。
⑵ 死亡逸失利益(労働分)
訴訟手続において、加害者側は、死亡逸失利益(労働分)における基礎収入について、70歳以上女性の平均賃金の2割程度が相当であると主張してきました。
当事務所の担当弁護士は、生前の宮里さんの家事労働の実態を丁寧に聞き取って立証を試みました。その結果、全年齢女性平均賃金には至らなかったものの、70歳以上女性の平均賃金を基礎収入とすることで和解成立に至りました。
依頼者様の感想
突然のことで、何から手を付けてよいか分かりませんでした。そこを整理していただいて助かりました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 佐藤 寿康
本事例へのよくある質問
- 死亡事故の場合、先に自賠責保険に被害者請求するメリットは何ですか?
- 最終的な示談前にまとまったお金を受け取ることができます。
- 過失相殺がある場合などでは自賠責保険を先に請求した方が受領できる金額が多くなることがあります。
- 高齢者の逸失利益の請求で注意すべき点は何ですか?
- 基礎収入(年収)を低めに請求されないようにしましょう。
- もっとも、①1人暮らしや②高齢男性の場合には逸失利益がゼロとなってしまうことがあります。なお、死亡事故の場合、年金部分の逸失利益が認められます。示談の際に漏らさないようにしましょう。
- 相続を放棄するかどうか迷う場合はどうすればよいですか?
- 相続放棄の期間の伸長申立をしましょう。その上で、資産・負債の調査を進めましょう。