事例413右大腿骨骨折
自転車を走行中に自動車に衝突され右足を骨折した60代男性が、相手保険会社からの事前提示額より大幅に増額し、1,500万円を獲得
最終更新日:2023年04月17日
文責:弁護士 大友 竜亮
保険会社提示額 : 500万円
- 解決額
- 1,510万円
- 増額倍率 :3倍
- 怪我の場所
-
- 足・股・膝
- 後遺障害等級
-
- 10級
事故発生!自動車対自動車の事故
平成31年某月、山田さん(仮名・柏市在住・60代・男性・税理士)が自転車に乗って直進道路を走行中、道路外の店舗駐車場から道路に侵入してきた自動車に衝突されるという事故に遭いました。
相談から解決まで
山田さんは、本件事故によって右大腿骨骨折の傷害を負い、約1カ月の入院及び1年5カ月間の通院を余儀なくされました。
山田さんは、通院終了後、相手方保険会社から賠償額の提示があり、その賠償額が妥当かどうかを相談したいということで当事務所にご連絡いただきました。
初回のご相談時に相手方保険会社の賠償額の提案を確認すると、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の額が非常に少額で提示されていたことから当事務所で受任をし、相手方保険会社と交渉することになりました。
しかし、当事務所が受任をした後も相手方保険会社は妥当な賠償額の増額を了承しなかったことから、訴訟提起に踏切りました。
最終的には、当方が総額1,510万円を受領するという内容で訴訟上の和解を行いました。
当事務所が関わった結果
当事務所が依頼を受け、訴訟提起を行った結果、当初の保険会社提示額よりも1,000万円近く賠償額を増額できました。
解決のポイントは以下の点です。
1訴訟提起について
本件は、後遺障害慰謝料や入通院慰謝料について、相手方から提示されていた額が裁判基準よりもかなり大きく乖離していたことから、まずは交渉で増額を要請いたしました。交渉段階でも数百万円の増額を認めてもらいましたが、訴訟であれば更に増額できる見込みが高かったことから、訴訟提起に踏み切りました。
相手方に、代理人や保険会社が入っている場合、お互いに、法的な水準や訴訟になった場合の見通しを検討しながら、賠償額の交渉を行います。法的な水準や訴訟になった場合の見通しについて、双方で見解が一致した場合や、相手方を説得することができた場合には、交渉段階でも納得のいく解決となります。しかし、本件では、相手方代理人と法的な水準や訴訟になった場合の見通しについて見解が一致せず、双方の主張額が大きく異なっていたことから、訴訟提起を行いました。
訴訟の結果、裁判所にも当方の主張が認められ、交渉段階に比べて大きく増額した金額で解決することができました。
2逸失利益について
本件の被害者は税理士として働いており、訴訟では、本件事故で負った後遺障害の影響で実際にどれくらいの損害が生じているのかを原告であるこちらから主張する必要がありました。
相手方からは、実際の収入が減少していなかったことから、後遺障害の影響による損害はないとの反論がなされていました。
そのため、入念なヒアリングを行った上で、本人や勤務先の同僚の陳述書等を作成し、収入の減少がないのは、本人の頑張りや周りの協力があってのことであることを示す証拠を、裁判に提出しました。
その影響もあってか、最終的にはこちらに不利にならない形での和解案が裁判所から提示され、解決することができました。
依頼者様の感想
訴訟提起をして増額できて満足しています。ありがとうございました。
※プライバシー保護のため、地名については実際にお住まいの場所の近隣ですが実際とは異なる場所を記載してあることがあります。
文責:弁護士 大友 竜亮
本事例へのよくある質問
- 大腿骨骨折はどのような後遺障害の可能性がありますか?
- 次の後遺障害の可能性があります。
①可動域制限の機能障害- 1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの(8級7号)
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(10級11号)
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの(12級7号)
- 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの(10級11号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 局部に神経症状を残すもの(14級9号)
- 本事例の1年5カ月という通院期間は妥当な期間ですか?
- 大腿骨骨折の場合、通院期間は症状によって異なります。比較的重症の場合、1年半前後の通院期間となることもあります。他方、比較的軽症の場合には半年程度の通院期間となることもあります。
- 治療費打ち切りの打診が保険会社からあった場合、①治療継続、②後遺障害申請のいずれに進むのかを慎重に検討しましょう。
- 税理士の休業損害で注意すべき点は何ですか?
- 給与をもらっている税理士の場合、あまり問題はありません。
- 自営で個人で税理士事務所を開業している場合、休業損害の算定方法が問題となることがあります。
- 税理士法人で役員報酬をもらっている税理士の場合、役員報酬分の休業損害の決め方が問題となることがあります。
- なお、逸失利益についても同様の問題が発生する可能性があります。