頭部外傷(6級)の50代会社員について、1750万円の提示が2900万円に増えた事例
最終更新日:2019年07月25日

- 監修者
- よつば総合法律事務所
- 弁護士
- 大澤 一郎

- 病名・被害
- 急性硬膜外血腫・急性硬膜下血腫・脳挫傷・頭蓋骨骨折・外傷性くも膜下出血・脳浮腫・両結膜下出血・外傷性めまい症・末梢神経障害・右外傷性外転神経麻痺・嗅覚障害
- けがの場所
- 頭部顔(目・耳・鼻・口)
- 最終獲得金額
- 2900万円
- 後遺障害等級
- 6~8級12級
事故の状況
事故現場は信号のある十字路交差点です。新田さん(仮名)は青信号で横断歩道を渡っていました。すると、交差点を左折してきた車にひかれました。
ご相談内容
新田さんのけがは、急性硬膜下血腫、脳挫傷、頭蓋骨骨折、外傷性くも膜下出血、嗅覚障害などの重傷です。
事故後1年のときに弁護士に相談
新田さんは事故後1年のときに弁護士に相談します。今後の手続きの流れ、後遺障害、賠償金のことなどが知りたかったからです。この時点では弁護士にすぐに頼むことはしませんでした。
事故後1年6か月のときに弁護士に依頼
新田さんは事故から1年6か月の治療を続けました。しかし、完治はせずに症状固定となります。
後遺障害の申請のところから弁護士に頼んだほうがよさそうだったので、新田さんは弁護士に頼むことにしました。
弁護士の対応と結果
6級になり自賠責保険会社から1296 万円を先に受領
弁護士は後遺障害の申請をしました。その結果、次のとおり併合6級となりました。
- 頭部外傷後の高次脳機能障害について「神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの」(7級4号)
- 頭部外傷後の嗅覚障害について「嗅覚脱失」(12級相当)
- あわせて併合6級
6級になったので、新田さんは1296万円を自賠責保険から先に受領しました。
交渉で任意保険会社から2900万円を受領
弁護士は任意保険会社との交渉をスタートします。
はじめの保険会社の提示は1750万円でした。しかし、弁護士が逸失利益などの増額を要請したところ、最後は2900万円で合意します。
新田さんは、2900万円を任意保険会社から追加で受領しました。
解決のポイント
1. 高次脳機能障害として適正な7級の認定
新田さんと一緒に弁護士は病院に行き、医師に診断書の作成を依頼しました。また、新田さんのご家族に、必要書類のご案内や作成方法のアドバイスをしました。
その結果、高次脳機能障害として適正な7級の認定となりました。
高次脳機能障害は症状の程度などによって等級が変わってきます。特に、7級と9級の判断は難しいです。しかし、新田さんは無事に7級の等級認定となりました。
高次脳機能障害の後遺障害認定は賠償金にも大きな影響を及ぼします。悩んだら、交通事故に詳しい弁護士へのご相談をおすすめします。
2. 逸失利益を600万円増やすことに成功
逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が減ったことへの賠償です。
逸失利益は多額になることが多いです。そのため、適正な算定かどうかを慎重に検討する必要があります。
新田さんの交渉では、嗅覚障害が仕事に与える影響を保険会社は否定していました。鼻に障害があったとしても仕事への影響はないという主張です。
しかし、弁護士は次のような反論をします。
- 嗅覚障害による仕事への具体的な支障はあること
- 過去の裁判例でも嗅覚障害による逸失利益を認めた裁判例は多数あること
- 嗅覚障害の影響を適切に逸失利益の計算に反映させるべきという文献もあること
最後は保険会社も弁護士の主張を認めます。結果として逸失利益が600万円増えました。
ご依頼者様の感想
本当に感謝しています。とても親身に対応してくれました。
(千葉県千葉市・50代・女性・会社員)
本事案は実際のお取り扱い案件ですが、プライバシー保護のため、事案の趣旨を損なわない範囲で一部内容を変更や省略していることがあります。写真はイメージ画像であり実際のお客様とは異なります。記載内容は当事務所のPRを含みます。
本事例へのよくある質問
- Q高次脳機能障害はどのような後遺障害になりますか?
-
1~14級の後遺障害になることがあります。
等級 認定基準 1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの 14級9号 局部に神経症状を残すもの

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- 弁護士
- 大澤 一郎